君なくて〜母の本の中はリアルな異世界で、三人の王子の覚醒聖女候補として先に転移していた従姉の身代わりにはなりたくない。

猫山みゅう

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第三章 予想外な使命

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「ブリアナに比べればたいていそうじゃない? それに私が幼児体型なのは確かで」

 私は、正直にそう言い、思わずブリアナの完璧な美貌を思い返して嘆息をこぼしてしまった。

「それは、まだ成長段階だからですよ。もえも綺麗ですよ?」

「慰めてくれるの? ありがとう。でもね、自分のことはよくわかっているわ。私って、他の人よりも地味すぎるって、よく言われるもの」

 私は、自覚している自分の評価をあげて言い、苦笑いを滲ませた。

 大和国とは違う金髪は目立つけど、ブリアナのような美女ではないこと。

 王妃向きじゃないことくらい、わかっている。

 私は、従姉妹で美貌の持ち主であるブリアナと比べられることが多々あった。

 平凡すぎると、自分を下げてしまうところがあるのかもしれない。

「それは過少評価ですね。もえの意志の強い流華な黒檀の瞳は、とても魅力的です。おっとりとした声音も可愛らしい顔立ちも含め、清楚でいいと思いますが?」

 ホアンが臆面なく褒めてくるので、私は赤くなって狼狽えた。

「何を言っているのよ、ホアンは!」

「本当のことです。ブリアナは三人の王子の美貌に狂喜乱舞したというのに、あなたは違うのですねえ」

「もう……。だからブリアナはモデルの仕事もしていたし、自分に自信があるからよ」

「それはそうかもしれませんが。ともかくブリアナの浄化からです」

「わかっているわ。ブリアナの精魂を探すのよね? 王子たちを誘惑できなくても、それはしっかりと自力でやってみせるわ」

 私は、三人の王子のことを考えたくなかったので、そう主張してみた。

「自力って……。もえ、話をきいていました? 二人の王子を慰めて欲しいのです」

「私はね、ブリアナじゃないから無理って。あれ? 王子って三人じゃなかったっけ?」

 頻出する二人の王子という言葉が私の中で浮き彫りになり、疑問に感じたので、私は問うてみた。

「三人ですよ。それでもブリアナを気に入っているのは、二人だけです。シフィル様は違います」

「なんで? 男としてありえなくない?」

「ありえなくないって……。もえっておっとりとした感じなのに、はっきりしていますね」

「私、マイペースってよく言われるの。ともかくどうして?」

 私は、不思議に思ったのでホアンに問いかけ、じっと見つめる。

「確かに、ブリアナの美貌は稀です。他の二人は、男の理想像だといたく気に入っていました」

「そうでしょう?」

「ご存じだと思いますが、性格がね。高慢で鼻持ちならない派手でパーティ好き。誰よりも国を想うシフィル様は、明らかに嫌悪していました」

「……確かにブリアナは華やかよね」

 ホアンの侮蔑した眼差しに、私も納得はしていた。

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