限りある時間

ヤワシン

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予想外の展開

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余命宣告をされた翌日。
何もやる気が起きなかった。
ひたすらに動画を見ていた。
気力が何も湧かなかった。
たぶん現実を受け入れてなかったんだと思う。

余命宣告から2日経った日。
体に異常が現れる。いつも寝ている姿勢で吐き気をもよおす。

「これが病気になったということなのか?」

この考えが頭をよぎった。こんなにも早くあらわれるものなのか、それとも気持ちが切れていたのかよくはわからない。

3日目。少し元気になった気がしたのである。ゼリー飲料を飲んでも吐かなかった。

「なんだ。元気になってるじゃないか。」

夜まではそう思っていた。
会社を退社しようとしていたそのときである。

「唇紫やで。チアノーゼ?」

なんと唇の色が変わっていた。元気だと思っていたのは自分だけ。体はサインを出していたのである。
家に帰ってみると体調が悪かったことに気づく。
吐き気、血、意識の朦朧。全てが今まで以上だった。確実に何かがおかしい。そう気づいたのである。

4日目。朝から病院に行ってみた。
検査を受ける。今までになく手が熱い。

検査の結果はすぐに出た。

「余命数ヶ月です。」

体は限界だった。もう長く生きれないのだ。好き勝手にできないのだ。
ただ漠然と説明を聞くしかなかった。

受け入れられなかった。受け入れたくなかった。受け入れたら終わりだと思った。

夜になった。。。
いつも通り動画を見てみる。
たまたま目にしたのは高校野球のキャプテンの話だ。
自分の感情が高ぶってくるのが分かった。

涙がこぼれ落ちる。止まらなかった。生きたいと思ってしまったのだ。

「なんで俺だけ」

そう思ってしまったのだ。死にたくない。生きたい。ただ感情の吐き出し口がなかっただけで自分はまだ子供だったんだ。まだまだ生きれると思ってたのだ。
それが突然奪われた。もうどうしようもないのである。
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