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大公令嬢は様子を見ている
思い出せない記憶
しおりを挟む【ある所に、小さな女の子がいました】
「え?」
小さなマリオネットの人形劇、操られているその人形は、『私』に似ていた。
【女の子は、転校した先で出会った男の子に恋をしました】
『あいつ』に似た人形と『私』が、仲良く遊ぶ。そう、私たちは『あの日』まで仲良かった。一緒に勉強して、休み時間は話をして。
……なのに、
【ところが女の子が告白をすると、急に男の子は冷たくなったのです】
……やだ。
【女の子はわけが分かりません。けれど、男の子は歩み寄ろうとする女の子に冷たく当たります】
……やめて。
【高校生になった頃、男の子は急に優しくなり、ある日、女の子を遊びに誘いました】
……やめてよ。
【女の子が嬉しくて、一生懸命お洒落をして、男の子に会いに行くと、】
やめてってば!!
耳を塞ぎ、目をつぶる。
この先は見たくない。知ってるから。分かってるから。
見たくない
見たくない
見たく、ない。
【……】
【……女の子の心が、死ぬ寸前までボロボロになった時】
【1人の青年が現れました】
【女の子が傷ついてまで愛した男の子に比べると、そこまでときめきはしません】
【それでも、彼は女の子の心を見事に癒しました】
【女の子も、どんどん彼に惹かれていきました
】
【女の子は、ついにーー】
【自分の王子様に、出逢ったのです】
ボロボロになった『私』を、『***』が抱きしめる。大切なものを抱えるように、世界一の宝物を守るように。
私の、世界一大切な人だった。なのに、
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