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川西美和子の場合
川西美和子、アキラと商店街へ行きます
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ショッピングモールに戻るのは気が進まなくて、結局少し歩いて商店街を見て回る事にした。
この商店街は、美味しい食べ物屋さんが多いことで有名だったので、お昼ご飯を兼ねてぶらつく。
昔ながらのアーケードを潜ると左右に所狭しと商店が並んでいるが、その様子にアキラは面白そうだ。
「へー! いろんな店がいっぱいあるんだな。それにしても結構しっかりした建物が多いな。うちの国は簡単な屋台の商店街なんか金属パイプつなげて、布かぶせただけだぞ」
「そうなんだね。お祭りの屋台とかはそんな感じだけど、常に出店してるお店は建物が多いかな」
アキラの国は雨が少ないからそういったパイプ作りのお店は多いようだ、特殊な加工がしてあって、簡素なつくりでも頑丈らしい。
左右からおいしそうな匂いがして、食欲を刺激してくる。
いろんな誘惑を見ながら、食べたいものを吟味していると、アキラがくんくん臭いをかぎはじめた。
「ん?」
「どうしたの?」
「なんか、あっちからいいにおいがする」
アキラが指さす方向には一軒のお好み焼き屋さんがある。
「入ってみようか、お昼まだだし! お好み焼き、美味しいよ」
私たちは、お好み焼き屋さんの暖簾をくぐる。
「いらっしゃい! 空いてる席どうぞ!」
店は昼時を過ぎたにもかかわらず、八割ほどの席が埋まっていた。
適当に空いているテーブル席へ移動する。
どうやらこの店はテーブルに埋め込まれた鉄板で焼いてくれるスタイルようだ。
目の前で焼いてくれるところを見るのは、アキラも楽しいんじゃないだろうか。
「ん? このテーブル変じゃないか?」
メニューを見ているとアキラが鉄板に気付いたようだ。
「ああ、このテーブルはこの金属の部分でお好み焼きを焼くことができるんだよ。お皿に移さず、鉄板の上で焼いたまま食べるの」
「へぇ! 目の前で焼くってことか!? すげぇ!」
アキラの目がキラキラしている。
思わず私の顔もほころぶ。
メニューは豚玉と海鮮ミックスを頼む。
アキラはテーブルの上のソースや鰹節が気になるようで、「あれは何?」、「これは何?」と質問攻めだった。
暫くして店員さんが1人前ずつの具材をボウルに入れて持ってきた。
店員さんが鉄板の上で空気を入れるように生地をかき混ぜ、サッと鉄板に流す。
適度に焼けた頃に、華麗にひっくり返した。
お好み焼きが焼ける一部始終を見たアキラは、大興奮で、店員さんが戻った後もずっと「すごい!!」と言っていた。
ほほえましく思いつつもアキラに声をかける。
「さ、早く食べないと冷めちゃうよ」
このお店は、お箸とミニコテが選べるようなので、箸の使えないアキラにも食べられるように、ミニコテで一緒に頂く。
ソースを塗って豚玉と海鮮ミックスをコテでざっくり切り分けた。
「アキラ、こっちが豚っていう動物の肉が入ってるもので、あっちがこの間のお寿司に乗ってたイカとか海老とかが入ってるやつだよ。半分こしようか」
アキラはまず海鮮ミックスから食べるようだ。
コテの使い方とミニコテで食べることを教える。
アキラは緊張の面持ちで、熱々のお好み焼きを小さくして口に運んだ。
「なんだこれ! うまっ!!」
アキラはお好み焼きの美味しさに驚いた様子で、私の顔とお好み焼きを交互に見ながら美味しさについて説明してくれる。
「この前の『スシ』も美味しかったけど、これもすっごく美味い! ソースが好きだ!」
口に合ってよかった。
そして、物凄く微笑ましい。
私達は冷めないうちにと、暫くお好み焼きに舌鼓を打った。
途中で「折角箸を買ったから練習したい」とアキラが言い出したので、途中で割りばしを使ったお箸の持ち方講座も実施した。
「ここ持って、こことこっちにこの指置いて、こう!」
「――ここ、で、こう! あってるか?」
若干ぎこちないが、アキラは何とかお箸が持てた。
「うん、上手! で、こっちの指を動かして、箸先をぱくぱく出来たら、ちゃんと挟めるよ」
「おー! すげ、挟めた!」
「アキラ、おめでとう!!」
そうして店を出るころには、アキラは箸の使い方をマスターしていた。
この後は、おやつにふまんじゅうやお団子を食べたり、雑貨屋や骨とう品屋、ペットショップを見て回った。
元カレの話やフードコードを離れてからの話は一切せず、終始和やかな雰囲気で解散した。
この商店街は、美味しい食べ物屋さんが多いことで有名だったので、お昼ご飯を兼ねてぶらつく。
昔ながらのアーケードを潜ると左右に所狭しと商店が並んでいるが、その様子にアキラは面白そうだ。
「へー! いろんな店がいっぱいあるんだな。それにしても結構しっかりした建物が多いな。うちの国は簡単な屋台の商店街なんか金属パイプつなげて、布かぶせただけだぞ」
「そうなんだね。お祭りの屋台とかはそんな感じだけど、常に出店してるお店は建物が多いかな」
アキラの国は雨が少ないからそういったパイプ作りのお店は多いようだ、特殊な加工がしてあって、簡素なつくりでも頑丈らしい。
左右からおいしそうな匂いがして、食欲を刺激してくる。
いろんな誘惑を見ながら、食べたいものを吟味していると、アキラがくんくん臭いをかぎはじめた。
「ん?」
「どうしたの?」
「なんか、あっちからいいにおいがする」
アキラが指さす方向には一軒のお好み焼き屋さんがある。
「入ってみようか、お昼まだだし! お好み焼き、美味しいよ」
私たちは、お好み焼き屋さんの暖簾をくぐる。
「いらっしゃい! 空いてる席どうぞ!」
店は昼時を過ぎたにもかかわらず、八割ほどの席が埋まっていた。
適当に空いているテーブル席へ移動する。
どうやらこの店はテーブルに埋め込まれた鉄板で焼いてくれるスタイルようだ。
目の前で焼いてくれるところを見るのは、アキラも楽しいんじゃないだろうか。
「ん? このテーブル変じゃないか?」
メニューを見ているとアキラが鉄板に気付いたようだ。
「ああ、このテーブルはこの金属の部分でお好み焼きを焼くことができるんだよ。お皿に移さず、鉄板の上で焼いたまま食べるの」
「へぇ! 目の前で焼くってことか!? すげぇ!」
アキラの目がキラキラしている。
思わず私の顔もほころぶ。
メニューは豚玉と海鮮ミックスを頼む。
アキラはテーブルの上のソースや鰹節が気になるようで、「あれは何?」、「これは何?」と質問攻めだった。
暫くして店員さんが1人前ずつの具材をボウルに入れて持ってきた。
店員さんが鉄板の上で空気を入れるように生地をかき混ぜ、サッと鉄板に流す。
適度に焼けた頃に、華麗にひっくり返した。
お好み焼きが焼ける一部始終を見たアキラは、大興奮で、店員さんが戻った後もずっと「すごい!!」と言っていた。
ほほえましく思いつつもアキラに声をかける。
「さ、早く食べないと冷めちゃうよ」
このお店は、お箸とミニコテが選べるようなので、箸の使えないアキラにも食べられるように、ミニコテで一緒に頂く。
ソースを塗って豚玉と海鮮ミックスをコテでざっくり切り分けた。
「アキラ、こっちが豚っていう動物の肉が入ってるもので、あっちがこの間のお寿司に乗ってたイカとか海老とかが入ってるやつだよ。半分こしようか」
アキラはまず海鮮ミックスから食べるようだ。
コテの使い方とミニコテで食べることを教える。
アキラは緊張の面持ちで、熱々のお好み焼きを小さくして口に運んだ。
「なんだこれ! うまっ!!」
アキラはお好み焼きの美味しさに驚いた様子で、私の顔とお好み焼きを交互に見ながら美味しさについて説明してくれる。
「この前の『スシ』も美味しかったけど、これもすっごく美味い! ソースが好きだ!」
口に合ってよかった。
そして、物凄く微笑ましい。
私達は冷めないうちにと、暫くお好み焼きに舌鼓を打った。
途中で「折角箸を買ったから練習したい」とアキラが言い出したので、途中で割りばしを使ったお箸の持ち方講座も実施した。
「ここ持って、こことこっちにこの指置いて、こう!」
「――ここ、で、こう! あってるか?」
若干ぎこちないが、アキラは何とかお箸が持てた。
「うん、上手! で、こっちの指を動かして、箸先をぱくぱく出来たら、ちゃんと挟めるよ」
「おー! すげ、挟めた!」
「アキラ、おめでとう!!」
そうして店を出るころには、アキラは箸の使い方をマスターしていた。
この後は、おやつにふまんじゅうやお団子を食べたり、雑貨屋や骨とう品屋、ペットショップを見て回った。
元カレの話やフードコードを離れてからの話は一切せず、終始和やかな雰囲気で解散した。
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