Cウイルス・クロニクル

ムービーマスター

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ネット上で氾濫する過激な捕食映像に、感化される若者達!

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そんな二人のやりとりをコックピット越しで観ながら、朝霞駐屯地から女性の自衛官と一緒に脱出したのは本当に良かったとつくづく思った。

また、桐山千賀子が40代ながら美人だったのも物腰が柔らかくて、他の駐屯地の自衛隊員(ほぼ男性)たちから私に対しての無用な詮索を避けることが出来、これが大いに助かった。

考えたら、私は未だに自分の記憶を思い出すことが無いし、その兆候すらなかったから、そんな状態の中で、突然!開花した特殊能力で一度も操縦したことも無い自衛隊のベルヘリコプターをベテランのように操縦している本当は記憶喪失の民間人なのだから、真実を語った処で簡単に信じてもらうとも思えないが。

中年!アラフォー女子の桐山千賀子だが、一見すると30代に見えなくもないし、物腰が柔らかいのでコミュニケーション能力もかなり高そうだった。

もしも、今のパートナーが男の吉田だったら?そう思うと、申し訳ないが、私は道中、かなりのストレスを味わっていただろう。

そう言えば、吉田大はあれからどうなったのだろうか?

特に心配でもないが、序(ついで)に思い出してしまい、ふっとそう考えた。

ヘリの外では同じ自衛隊仲間だからなのか、今までの怒涛のような非難脱出劇から解放されたのか、桐山千賀子は自衛隊員と話に夢中だった。

私も、MREレーション(戦闘糧食)を食べるのに夢中で、その間の時間潰しなら、と思ったり、彼女はヘリの飛行中でも食べれるから、まあいいか!みたいに思いながら口をモグモグしていると・・・

ベルヘリコプターをチラチラと見ていた二人の自衛隊員に警察官の男が一人!血相を変えて走って来て二人に慌てながら身振り手振り説明していて、その内容が伝わったと同時に彼らは桐山千賀子と談笑している自衛隊員を「こっちに早く来てくれ」的な感じで大きく手招きした。

私は早くも感染者が発生したのでは?とコックピットの窓越しか緊張した面持ちで見守っていた。

微かに前の席の開けっぱなしのハッチ空間から叫んでいるやりとりの言葉に聞き耳を立てた。

「この先のバーで殺人があったようだ!」

地元?の警察官と自衛隊員たちとの会話の端々からそうらしい。

感染者の発生じゃないので、一応!ほっとしたが、それでも殺人とは穏やかではないな!そう単純に思いながら、桐山千賀子も状況把握!興味本位なのか、先程までヘリ周辺で談笑(この状況で不謹慎?)から自衛隊員と警察の所まで小走りで移動して行った。

殺人事件!殺人事件?

今いまの話し、Cウイルスが日本では東京一都三県!が完全にパンデミックに覆われ、その勢いは隣の近隣の県、山梨県や静岡県、群馬県や茨城県もかなりの感染者が発生し、徐々に日本全国に感染者達が勢力を広げようとしているのに、殺人?事件?なんか冗談?とも取れる何とも呑気な話だと思っていた・・・

現時点の状況は、基本的に社会インフラはほぼストップ状態だし、警察や消防隊員、自衛隊員が守っている?感染者の侵入を阻止するべく任務にあたっているのだが、実は内部組織からも徐々に崩壊しているみたいで、職務放棄や責務を離脱する人も3分の1は出て来ているようだ。いや、もしかしたらもっと多いかもしれない。

そんな今までに味わったことも無い未曾有の状態に日本人だから、世界に比べるとパニックでの暴動は少ないようだが、さっき見たコンビニ強盗立て籠もり事件等を見てしまうと、健常者も犯罪を犯す確率はどんどん上昇しているに違いない。

福島県の比較的、長閑で田舎なこんな場所でも殺人が起きてもCウイルスのパンデミックに比べたら、被害者側の家族には申し訳ないが、時代が時代だから取るに足りないのかもしれない。

桐山千賀子と先程まで会話していた自衛隊員二人が三人に加わり、警察官の話を熱心に聞いていた。

私は依然、コックピット内でMREレーション(戦闘糧食)のビスケットをちびりちびり食べながらも聞き耳を立てていたが、彼らの会話は段々と小さくなり、殆ど聞き取れなくなった。


それから15分位の時間が経過し、桐山千賀子が4人に頭を何回か下げながら、小走りにこっちに向かってきたので、私はヘリのエンジンをスタートした。

彼女は「遅くなってスイマセン!」と言いながら開けっぱなしだったハッチの中に潜り込んで来てその次に

「遺体を食べたんだって!
女子高生を殺した30代前半の引き籠り男が!」

と、凄い嫌悪感たっぷりの表情でそう吐き捨てたのだ。
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