ダンジョンを操れたので、異世界の芸能総監督になり、異世界美女と逆転人生を楽しみます

ムービーマスター

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利己的人間を拒否するダンジョン

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「仕事ってどんなですか?」

「ええ、前田カメラマンに撮影してもらいたいんですよ、ある人物達を!」

「ある、人物ですか?」

「はい、さっき僕がスマホでも見せて紹介した異世界の彼ら彼女らです。
芸術劇場用のポスターとか彼女らのポートレート用や劇場プログラム、パンフレット用の撮影一式です」

「ええ?い、い、異世界での撮影?撮影一式、ですか?」

「撮影料金も今回は前のような金額とは違って、
前の分のお礼も込めて気持ち多めにしますから、
因(ちな)みにざっくりとですが、撮影料金はどの位ですか?」

「いえいえ、武藤さんの言い値で結構ですよ、
で、武藤さんのご予算はどの位ですか?」

僕はホント以前勤務していた健食粉砕工業㈱時代では健康食品の物撮り、
と言っても他社のPB商品の物撮りや、
リーフレット用イメージ商品撮影を破格の値段で引き受けて貰っていたから、

「取敢(とりあ)えず、100万円は支払います。
それとスタイリストやメイク、アシスタントの料金は別途支払いますよ」

僕のこの金額を聞いて、そんなに掛かりませんから、30万円でも大丈夫だけど、
と前田カメラマンも正直、イイ人過ぎますって、
それとも誠実と言うか、その位でも原価に近ければ撮影は出来るのかもしれないが、
なにせ今回は異世界での撮影であり、
しかも、もしかしたら、
と言うよりも確実に近い位に現世ニッポンのスタイリストやメイクやアシスタントは端(はじ)からダンジョンに弾かれる、
拒否される、貴方(あなた)達(たち)なんか異世界を見ることも入ることも出来ないんですよ~になる率が非常に高いから、
前田カメラマンのような存在は、ホント貴重な存在です。

そのことも前田さんに説明し、
最悪は僕がアシスタントとして、
後は異世界のシャーロンのお城の人にでも手伝ってもらいましょう、
とまで考えていた。

そんな僕の心配をよそに、前田さんは

「知り合いのスタイリストへ連絡します」

とか、

「彼女も絶対ダンジョンが見えますよ」

とか言いながら、
よほど撮影費100万円が嬉しかったのか、
その場で知り合いのスタイリストにまずは僕が送ったダンジョン画像を送った後に携帯に電話したら、
モノの見事に駄目でした。

スタイリストやメイクの男性や女性の方々にはダンジョンなど全く見えず、
反対に前田カメラマンの説明も判らない感じ、
と言うよりもそんな魔法のようなマンガのような非現実的なことを電話で説明することが土台無理って訳ですから、遂には前田さん、
スタイリストさんたちにキレられ、
あっちから一方的に電話を切らてるみたいです。

「ですから僕がさっき説明した通りでしょう?
ダンジョンを見る事の出来る人はホントほんの一握りなんですから、
前田カメラマンは本当に貴重な存在であり、
ある意味、ダンジョンと言う神に選ばれたエリートみたいなもんですよ」

僕の言葉に、

「エリートみたい、ですか!」

と前田さんは一瞬、微笑みました。

しかし、取敢(とりあ)えず引き続き、駄目もとだけど前田さんには知っている撮影スタッフに声を掛けて、
と言うよりも「ダンジョン踏み絵」をして頂き、
こっちはこっちで色々と用意、準備することに今から動くことにした。

今まで打ち合わせをしていた前田さん事務所、
千代田区富士見の真撮(しんと)スタジオにまたダンジョンを出し、
そこから直に豊洲ビルへと一応、1階書庫にダンジョンを作って戻り、
階段を駆け上がって2階オフィスへと向かった。

その頃には丁度なのか、先程までの30代背広男性のお客様は帰られたそうです。

と言っても、僕はダンジョンで彼が帰るのを見ていたけどね。

「武藤さん、ホント驚かさないでくださいよ、
さっきの方は以前言っていたダンジョンに選ばれし前田カメラマンですか?」

片岡さんは前田さんにも興味津々に食いついて来た。

「ええ、
さっきのダンジョンに選ばれし前田カメラマンに、
シャルルを始め異世界のシャーロン姫やグレアム王子、
そしてこれからは異世界でのイケメンや美女達のカメラ撮影はもとより、
僕と一緒にスカウトやオーディションも行おうかと」

「え~、そんな話、私は聞いてないですけど、
スカウトなら私に任せて下さいよ、オーディションも任せてくださいよ、
まさか武藤さん、私に黙って異世界で芸能事務所まで作る気ですか?
ずるいな~」

僕は冗談で「バレました?」と言って、余計、片岡さんを怒らせたみたいです。

「そう言えば、先程までここにいたお客様も、当然、ダンジョンには選ばれなかったようですね」

「そうなんですよ、
彼の場合は多分、
最初から駄目だと思っていましたから、
画像を彼のスマホやPCメールにも送らなかったけど、
やっぱりって感じですね」

「と、言いますと?」

「彼はお台場の有名某民放TVの制作部の正社員で、
TV局に入れるのですから、学歴も優秀で東京6大学の出身で、
こちらの世界ではエリートの部類でしょうね。
だけどやっぱり人格、性格には難があると言いますか、
まずはありがちな人を差別する、所謂(いわゆる)、
自分の上司にはイイ顔をし、だけど自分よりも下の人間、後輩には横柄な態度で人使いが荒い、
そんなあからさまな差別ですか、
ですから私ら吹けば飛ぶような零細芸能事務所には無理難題をふっかけ、
やっと仕事を回されたら、
今度は面倒をみてやったとばかりに恩着せがましくドヤ顔ですよ!
ま、そんな学歴エリートだから人のことはどうでもイイ、
自分さえ良ければ、自分の利益になる事や自分が所属する組織の上司、
お偉いさんには平気で二枚舌で御機嫌取りですから、
それも見ていてホント恐ろしいです」

う~ん、やっぱりメディアの世界は、
しかもその業界のトップに君臨するTV局の正社員達や組織の人間達って裏があって怖いっす。

「だからこそ、ダンジョンが改めて見えなかったので、正直ザマアって感じですね」

うんうん、その気持ち、判りますぞ、片岡さん。

僕の身近な話しだと親戚社長が当然のようにダンジョンは見えませんでしたからね。

確かにその光景を見た時は、変な優越感が湧きましたよ。

「まあ、異世界の人々にシャーロンやシャルルにそんな性格の悪い人間を紹介するのもね、
こっちが恥ずかしくなりますしね」

僕はそう言って、そんなお台場TV局学歴エリート男が、
ダンジョンが見えなくてホント良かったと思った。

僕は、なにはともあれ、これから益々やることが多くなり、
取敢(とりあ)えず、一回、3階の自分の部屋に行って、
シャワーを浴びて、
少し休んでから異世界へシャーロン達との今後の相談をする為に行く予定だった。
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