天国からのマイク

ムービーマスター

文字の大きさ
上 下
39 / 41

世界が終わったこと

しおりを挟む
宇宙ステーションの外で作業していた日本人宇宙飛行士は、
地上から登って来る天国からのマイクを見ました。


そして目の前に地上でうわさのガイコツマイクが素通りし、
今度は遥か宇宙の彼方かなたへ、
嘗て天文学の有識者が言っていた「うしかい座」近辺のブラックホールに向かって行くのを何時までも眺め、ふっと、世界が終わったことに気付いたそうです。


そして、余談ですが世の中が終わるのだから無理して船内に戻らなくてもいいや、とも思ったそうです。


宇宙からも地球のお腹から血が出ているように見えて、
日本の宇宙飛行士は気付いたら泣いていたのでした。


それから地上ではいたる所で大地震や、
火山の噴火、
地割れからのマグマの噴火によって、
地球上のあらゆる生物と人類が死滅しました。


宇宙ステーションの宇宙飛行士たちの多くは自決したそうです。


時が過ぎ、地球上のあらゆる生物が死滅し、
地球自体も干からびた頃、もともと地球の一部だった月が、
地球の引力に引っ張られ、地球と合体、
詳しくはメリ込んだそうです。


それはまるで雪だるまみたいでしたが、
それを認識できる人類はいなかったのが、
残念だと大いなる者はなげいたそうです。

しおりを挟む

処理中です...