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完全なる平等と更なる不老不死への探求!尊厳無き死
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話しは戻りますが、我々全ては全く同じ能力を持ち、全く同じ身体を持ち、全く同じ言語を喋りましたから、結局、考える事は常に合理的に尽きていたのです。
まるで双子の感覚が、全ての人々に感じられました。こんな状態ですから、決まった時期に、我々はパートナーを選び、決まった時期に子孫を作り、本当に全ての人々が同じ人生を歩み、同じ考えを共有していました。
しかし、我々の長年の研究によると、この一見、理想とも言える均一社会は、生物学的には大きな揺り返しがあることも分かってきました。
それが顕著に表れたのが、我々の星に生息していた動植物です。彼らでさえも、我々は長年培っていた合理的発想と平均化思想の中で、遺伝子操作を図り均一な物を作り続けて来ましたが、ある一定の時期になると、決まって、一斉に突然変異をし、我々を度々混乱させました。
この時の、分析結果で出した答えの一つに、知的レベルが低ければ低いほど、種の完全均一化がその種の劣化や弱体化を促す。
彼らは刺激によって、今の個体を維持しているのだろう。
この分析から生まれた論文の一つに、我々の今後の未来と、起こりうる可能性とその対処法も論じていて、かなりなブームの時もありましたが、ここで、本当に分かっていたのは全ての生物は平均化を望んではいないということです。
確かに、我々の社会は日常的には刺激を受ける事はありませんでした。
考えればその通りかもしれません。
進歩した医療技術により、全ての人々の身体的、容姿、IQまでもがコントロールされ、男女の個体数までも完全に双方が一緒で、外見上は誰が誰を好きになろうが、誰が兄弟なのか親なのか、そのようなこともかなり薄れて来ました。
そして、なによりも、地球上の時間で言えば7万年も生きるのですから、人類には想像もつかない時間的概念を我々は持っていたのでしょう。
そして、だからこそ、その均一的な考えを持っていることにより、我々は知らず知らずになにか重要な物を失い、そして、そのことが原因で、我々は、現在の様な存在になったのだと思います。
人類にしてみたら、まるで理想的な世界かもしれません。
それに7万年と言う生命維持は、ある種、不老不死の世界と言っても良いでしょう。
しかし、我々は、7万年も生きているのに、一向に自分の死に対しては寛容ではいられませんでした。
それよりも、もっと長く生きたい、死にたくない、と言った考えが主流であり、実際、我々の関心は、如何に自分の死と向かい合うか?でした。
どんなに我々の医療が進歩しても永遠の寿命(人類からしたら7万年は永遠?)を延ばすことは出来ませんでした。
人類からすれば本当に贅沢な話なのですが、実際は人類と同じ感覚を持って生きていたのです。
もしかしたら、この医療の限界とでも言うのでしょか?
が、もう一つの要素だったのかもしれません。
そして、一見、平等な社会だからこそ、我々は、自分の幸福の度合いを物質に置き替えたのかもしれません。
我々全てが外見上も中身も変わらなくなると、自分が持っている物質、物だけでしか他人と区別が出来ないのですから!
そう考えると至極当然な考えなのかもしれません。
他者とは違う自分自身を確立させる為の物が溢れ、我々はその洪水の中で暮らしていました。
多種多様なデザインや、アイディアグッズが生まれ、そして、その流行りは瞬く間に終焉し、物だけが世の中を巡回しました。
巡回と言いましたが、やはり合理化精神が優先していましたから、全ての商品はまた、リサイクルされ、また原材料にもどり、そして、新たな商品に変わっていくのです。
自分を他者とどう区別するのか?
これが、我々の関心事項の一つであり、もう一つが、防ぎようのない自分の死でした。
我々も人類と同じ、徐々に細胞が老いて行き、その延長線上にある死が、我々の関心ごとの一つでした。
以前に話しましたが、宇宙空間の移動に費やす時間に対しての、テクノロジー的なアプローチと、限界と、我々もいつかは年老いて死ぬと言うジレンマが我々を二つの考えを持った種族へと徐々にですが、もう決して混じり合うことはない二つの世界を歩んでいく事になりました。
一つはあくまでも遠い祖先から受け継いできた合理的な考えから基づく、解決方法。
もう一つは、精神的な世界での、精神の向上うを図り、そのことにより解決していくやり方です。
一見、合理的な支持者としては、精神と言う世界の探求は単なる自分自身の記憶探しであったり、頭の中のメカニズム解明の糸口を探そうとしているように映っていて、お互いがお互いを指弾する事はありませんでした。
しかし、そう言って、初めの段階から、我々の思想の中身は完全に理解しがたい状態になっていて、それすら、お互いは無視し続けることとなります。
合理主義者たちは、物質社会から、自分達が抱えていて不安に思っている、絶対の死や、この途方も無く広がっている宇宙空間に対して、いかに探査すべきか、いかに宇宙空間に乗り出していくべきか?をかなり焦りながら研究開発していたと思います。
片や、余り成果が芳しくない状況で、精神的には不安定であり、安心出来る信じられるものが分からなくなってきている状態の者と、反対に、物静かで、お世辞にも全力的や積極的では無い性格の人々がいると、何もしていない人と見なして、社会貢献をしない彼ら精神世界の支持者は、怠け者で、現実社会から逃避していて、訳の分からない世界をただ闇雲に妄信しているおかしな集団とだけしか把握していず、それが至極当然の様に考えていて、徐々に敵意を持つようになります。
と言う事は、知的生命体の中で、もっとも忌み嫌われていた、もしくは、このことが原因として、争いや理不尽な暴力が発生しただろうと思われていたお互いが目に見える、外見上の差異や、まあ!我々は元々、同じ言語を話していたのですが、ここでは地球の人類的な状況での多言語による他者との認識力不足はコミュニケーション不足による争いは、それを一つ一つ消していけば、それを一つ一つ同じにしていけば、我々は同じ種族同士として、争う事は絶対にない、もしくは喧嘩程度はあったとしても、殺し合いに発展するほど、無秩序で、剥き出しな無知的暴力は起きないであろうと考えていました。
ましてや、知的能力、IQまでも平均化した知的生命体が、争う事など、誰が考えられましょうか?
しかし、それはやはり起こってしまいました。それも、我々が完璧と思っていたカスタマイズされた、まるで双子の兄弟達、姉妹たちで結成された我々が精神的な、と言うか、心の闇の深くで、絶対に分かり合えないと言う世界を構築していくとは、これも、我々に対しての大いなる者がとった罰だっとでしょうか?
それとも、余りのも驕(おご)り高ぶった我々に対する宇宙による揺り返しだったのでしょうか?
そう考えると、実におかしな話なのですが、人類よりも遥か何億年も前に栄えていたはずの我々は、これまた何億年もの歴史を築いてきたはずなのに、精神的な世界を、殆ど無視し続けていて、まさに、我々が目で観える物、物質社会をそのままに妄信し続けて来て、何の迷いもせず、何の後悔や反省もせず、ただ、昨日よりも今日、今日よりも明日、と、まるで合言葉のように、より便利でより快適な物質社会を構築し続けて来ました。
もう一つ、あなたがた人類と我々の違いとして特出した事は、死者を敬う事、先祖のお墓を作ることが、我々の文明には全くなかったと言う事です。実は、我々は、自分たちでさえもリサイクルして来たのです。
まるで双子の感覚が、全ての人々に感じられました。こんな状態ですから、決まった時期に、我々はパートナーを選び、決まった時期に子孫を作り、本当に全ての人々が同じ人生を歩み、同じ考えを共有していました。
しかし、我々の長年の研究によると、この一見、理想とも言える均一社会は、生物学的には大きな揺り返しがあることも分かってきました。
それが顕著に表れたのが、我々の星に生息していた動植物です。彼らでさえも、我々は長年培っていた合理的発想と平均化思想の中で、遺伝子操作を図り均一な物を作り続けて来ましたが、ある一定の時期になると、決まって、一斉に突然変異をし、我々を度々混乱させました。
この時の、分析結果で出した答えの一つに、知的レベルが低ければ低いほど、種の完全均一化がその種の劣化や弱体化を促す。
彼らは刺激によって、今の個体を維持しているのだろう。
この分析から生まれた論文の一つに、我々の今後の未来と、起こりうる可能性とその対処法も論じていて、かなりなブームの時もありましたが、ここで、本当に分かっていたのは全ての生物は平均化を望んではいないということです。
確かに、我々の社会は日常的には刺激を受ける事はありませんでした。
考えればその通りかもしれません。
進歩した医療技術により、全ての人々の身体的、容姿、IQまでもがコントロールされ、男女の個体数までも完全に双方が一緒で、外見上は誰が誰を好きになろうが、誰が兄弟なのか親なのか、そのようなこともかなり薄れて来ました。
そして、なによりも、地球上の時間で言えば7万年も生きるのですから、人類には想像もつかない時間的概念を我々は持っていたのでしょう。
そして、だからこそ、その均一的な考えを持っていることにより、我々は知らず知らずになにか重要な物を失い、そして、そのことが原因で、我々は、現在の様な存在になったのだと思います。
人類にしてみたら、まるで理想的な世界かもしれません。
それに7万年と言う生命維持は、ある種、不老不死の世界と言っても良いでしょう。
しかし、我々は、7万年も生きているのに、一向に自分の死に対しては寛容ではいられませんでした。
それよりも、もっと長く生きたい、死にたくない、と言った考えが主流であり、実際、我々の関心は、如何に自分の死と向かい合うか?でした。
どんなに我々の医療が進歩しても永遠の寿命(人類からしたら7万年は永遠?)を延ばすことは出来ませんでした。
人類からすれば本当に贅沢な話なのですが、実際は人類と同じ感覚を持って生きていたのです。
もしかしたら、この医療の限界とでも言うのでしょか?
が、もう一つの要素だったのかもしれません。
そして、一見、平等な社会だからこそ、我々は、自分の幸福の度合いを物質に置き替えたのかもしれません。
我々全てが外見上も中身も変わらなくなると、自分が持っている物質、物だけでしか他人と区別が出来ないのですから!
そう考えると至極当然な考えなのかもしれません。
他者とは違う自分自身を確立させる為の物が溢れ、我々はその洪水の中で暮らしていました。
多種多様なデザインや、アイディアグッズが生まれ、そして、その流行りは瞬く間に終焉し、物だけが世の中を巡回しました。
巡回と言いましたが、やはり合理化精神が優先していましたから、全ての商品はまた、リサイクルされ、また原材料にもどり、そして、新たな商品に変わっていくのです。
自分を他者とどう区別するのか?
これが、我々の関心事項の一つであり、もう一つが、防ぎようのない自分の死でした。
我々も人類と同じ、徐々に細胞が老いて行き、その延長線上にある死が、我々の関心ごとの一つでした。
以前に話しましたが、宇宙空間の移動に費やす時間に対しての、テクノロジー的なアプローチと、限界と、我々もいつかは年老いて死ぬと言うジレンマが我々を二つの考えを持った種族へと徐々にですが、もう決して混じり合うことはない二つの世界を歩んでいく事になりました。
一つはあくまでも遠い祖先から受け継いできた合理的な考えから基づく、解決方法。
もう一つは、精神的な世界での、精神の向上うを図り、そのことにより解決していくやり方です。
一見、合理的な支持者としては、精神と言う世界の探求は単なる自分自身の記憶探しであったり、頭の中のメカニズム解明の糸口を探そうとしているように映っていて、お互いがお互いを指弾する事はありませんでした。
しかし、そう言って、初めの段階から、我々の思想の中身は完全に理解しがたい状態になっていて、それすら、お互いは無視し続けることとなります。
合理主義者たちは、物質社会から、自分達が抱えていて不安に思っている、絶対の死や、この途方も無く広がっている宇宙空間に対して、いかに探査すべきか、いかに宇宙空間に乗り出していくべきか?をかなり焦りながら研究開発していたと思います。
片や、余り成果が芳しくない状況で、精神的には不安定であり、安心出来る信じられるものが分からなくなってきている状態の者と、反対に、物静かで、お世辞にも全力的や積極的では無い性格の人々がいると、何もしていない人と見なして、社会貢献をしない彼ら精神世界の支持者は、怠け者で、現実社会から逃避していて、訳の分からない世界をただ闇雲に妄信しているおかしな集団とだけしか把握していず、それが至極当然の様に考えていて、徐々に敵意を持つようになります。
と言う事は、知的生命体の中で、もっとも忌み嫌われていた、もしくは、このことが原因として、争いや理不尽な暴力が発生しただろうと思われていたお互いが目に見える、外見上の差異や、まあ!我々は元々、同じ言語を話していたのですが、ここでは地球の人類的な状況での多言語による他者との認識力不足はコミュニケーション不足による争いは、それを一つ一つ消していけば、それを一つ一つ同じにしていけば、我々は同じ種族同士として、争う事は絶対にない、もしくは喧嘩程度はあったとしても、殺し合いに発展するほど、無秩序で、剥き出しな無知的暴力は起きないであろうと考えていました。
ましてや、知的能力、IQまでも平均化した知的生命体が、争う事など、誰が考えられましょうか?
しかし、それはやはり起こってしまいました。それも、我々が完璧と思っていたカスタマイズされた、まるで双子の兄弟達、姉妹たちで結成された我々が精神的な、と言うか、心の闇の深くで、絶対に分かり合えないと言う世界を構築していくとは、これも、我々に対しての大いなる者がとった罰だっとでしょうか?
それとも、余りのも驕(おご)り高ぶった我々に対する宇宙による揺り返しだったのでしょうか?
そう考えると、実におかしな話なのですが、人類よりも遥か何億年も前に栄えていたはずの我々は、これまた何億年もの歴史を築いてきたはずなのに、精神的な世界を、殆ど無視し続けていて、まさに、我々が目で観える物、物質社会をそのままに妄信し続けて来て、何の迷いもせず、何の後悔や反省もせず、ただ、昨日よりも今日、今日よりも明日、と、まるで合言葉のように、より便利でより快適な物質社会を構築し続けて来ました。
もう一つ、あなたがた人類と我々の違いとして特出した事は、死者を敬う事、先祖のお墓を作ることが、我々の文明には全くなかったと言う事です。実は、我々は、自分たちでさえもリサイクルして来たのです。
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
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