呪われた騎士に惚れられた夢魔は呑気にその腕の中で微睡んじゃう

おげんや豆腐

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なんかの知らせ? です

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水の中から浮かび上がるように意識が浮上し起き上がると、既にぐふたふはテントの中にいないようで外から作業をする音が微かに聞こえる。


「調味料が、無くなったぞ!!」
「うるさい……」

のそのそとテントの外に顔を出せば太陽の光を後光に開口一番ぐすたふのこれ……二度寝とはいえ目覚めのこれはきっつい……。

無言で後ろに下がろうとすれば間髪いれず引きずり出されそのまま高い高いと持ち上げられる。

「これは不味いぞ!! にーる!!」
「無駄にテンション高いな………」
「気持ちよく寝れたからな、 感謝する! 」
「しなくていいです」
「おう!! 」
「あと降ろして」
「えー......」
なんか今日無駄に明るくないかなこの人。




※※※



「で、茶化してみたが、わりと冗談抜きでやべーんだよなこれが」
「……ふーん」
降ろしてもらいました。


ハイテンションから今度はため息をつく煩かった人。

「少なく見積もって一ヶ月、いや二ヶ月分はつめこんでた筈なんだがなぁ……もうねえんだよ」
手近の岩に腰をおろし話を聞けば要するに、僕個人にはあまりダメージは無いがぐすたふには結構痛い案件らしい。

「ここきてどのくらい経ったっけ」
「んー……そうだな、どんくらいだ?」
駄々をごねまくってここに来たのが......んん。
生活してから二週間かそこらから考えるのやめちゃったからなあ。

「どんくらいだろうね」
「なー」
いざ考えてみるとこれは......。

ぐすたふと首を傾げうんうんと唸るが時間の概念に緩い生活に慣れきった頭で答えが出るはずもなく......。

「うーん?」
とりあえず言えるのが。


「難しくは知らないけどもう二ヶ月経ったって事じゃないかな、わからんけど」
「......そうかぁ?」
「それしか言えなくない?」
毎日平均以上に寝て広い森を目的無く散策したり走ったり、日が沈めば寝てお昼過ぎまでだらだらごろごろ。

ご飯大体二食におやつつきとはいえ気がついたら二ヶ月経ってたとか有り得る......多分。

「今どれくらいあるの?」
「調味料か? どう見積もっても......明日まで、だな」
「ふむ......」
「それでだな、にーる、ひとつ頼みがあるんだが......」
「ん~?」
僕が楽しめるようぐすたふは色々なご飯提供してくれてお世話とかテントとかその他諸々。

ちょっと言いたいこと予想できたぞ。

「いいか?」
正直ちょっと嫌だけどそれを加味しても相手がぐすたふなら我慢は容易。

「内容によるかなー」
神妙な顔で聞いてくるぐすたふ。
そうだね.....僕の予想が正しければ.....えーと.。

   ”屋敷に帰ろうぜ”
「ここで留守番しててくれ」
「おっけ、ん、んん?」
おや?

「......駄目か、そうか、駄目ならいいんだ」
「いや、まってまって」
ガックリと肩を落とすぐすたふに慌てる。

「俺がいなきゃ生活もできなくしたからな......!」
「なんでちょっと嬉しそうなの」
「嬉しいからな」
「そこじゃない」
「じゃあなんだよ」
にこにこと笑うぐすたふに反射で文句を言えばじとりと睨まれる。

「ちょっと予想と違って反応に遅れただけなの、整理させて」
「......おう?」
うむ

「その......ぐすたふ一人で帰るの? 屋敷に」
「そうだな」
「なんで?」
「......なんで?」
「てっきり初対面の時みたいに担いで持って帰るのかなと身構えてたんだよね」
「持たねえよそんな物みてえに......」
「多少ごねて仕方ないなぁ見たいな感じにするつもりだったんだけど......」
「なんだそれ......いや、そうじゃなくてな、あー・・・・・・そのだな、お前俺の家、嫌だろ?」
むすくれる僕に何を感じたのかぐすたふは髪をぼさぼさにかくと恐る恐る陰のこもった、捨てられた犬のような、弱々しい目で僕を見る。

......そうだね。
「そうでもない」
「だかっ............だとするだろ?」
「事実ねじ曲げられた」
「勿論お前と離れる気は更々ねえぞ? だがニールにとって苦痛になるなら、ちょっとは俺も我慢しなきゃだなと」
「ほう」
出会って一ヶ月過ぎたか過ぎない辺りだったら間違いなくしてたね。

損得の天秤プラス楽しいか楽しくないか嫌か嫌じゃないかで動く僕だもの。

「て思ったんだがよお!  杞憂だったみたいだぜたくっ、おりゃ」
「わぷ」
「あぁー、勝手に悩んで空元気になってた俺が恥ずかしいぜ全く」
油断して考えにふけってると荒々しい腕に撫で回されてたまらずひっぺがす。

「ふう……んで? 屋敷に帰るの?」
「ん、あぁ、そうだな、そこはお前次第だな、ついてきてくれるなら願ったりだが、無理なら一人で戻ってすぐに帰ってくる」
「んー、僕もいく」
「いいのか」
「うん」
正直動きたくないし屋敷は若干嫌な感じはするけど、最近熊たち見かけないし留守番しててもちょっと寂しい。

それならついってった方が良いだろう。

「そうか……そうか!! ありがとう」
心のまま率直に伝えた途端ぐすたふの顔がみるみると明るくなってくる。

「僕はメリハリをつけられる大人だからね」
「おう!」
「......何故腕を広げる?」
「おう!」
「話聞いてる?」
「抱き締めてもいいか」
「あぁ、はい、いいよ」
「よっしゃ!」
今度は身構えたお陰でノーダメージ、と。


一々確認してくるのもあれだしキラキラした目が眩しいけど......はぁ~。



ちょっと胸騒ぎと言うか嫌な予感がするんだよねー。




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