呪われた騎士に惚れられた夢魔は呑気にその腕の中で微睡んじゃう

おげんや豆腐

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屋敷でも変わらずのんびりと

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雨がしとしと、そこそこの風で窓が揺れて隙間から冷たい風が入ってちょっと寒いです、微妙な気持ちでぐっもーにん。

昨日、転がるように屋敷に帰ってからはぐすたふの手負いの熊感がやばくて口を挟む暇もなく沸かした風呂に一緒に入って5分も経たずに運び出されたかと思えばぐすたふ、僕を胸に抱きしめたままベッドにダイブしやがりましたの、危うく圧死するところでしたのよ? 心に貴婦人召喚してちびちびと現実から目を逸らしてなかったら今頃無我の境地に立ってる……これも現実逃避か、おはよう、自分。

「……んん」
本日は悲しきかな雨、青空は無いです。


ぐすたふの腕を枕に寝て、いつもならこのでっかい体押しのけようと奮闘するのだが、あいにく今日はそんな元気がない、
それもこれもこの雨のせい、雨はちょっと嫌いなのだよ僕は。


「んん……んあ? 」
日課となっている妄想と自己会話の反復横跳びに耽っていればぐすたふが起きた。

「おはよー」
「おう……どうした」
「起きてそうそうなにさ」
いもむしよろしく体の体制を変えてぐすたふの顔を見れば寝起きのいかつい顔の額に皺が寄っている。


「いつもより顔がちょっと白い……体調悪いだろ今」
「え……きもち、んん、なんで分かるの」
「今言い直しやがったなおいこら」
「おはようございます」
今日はいい天気ですね!!

「誤魔化すの下手か、で? どうした、何処が不快なんだ」
「えーっと」
完全に医者の目だよこの人、戦士とかそこらへんどうなったの。


ぐすたふはぱっちりと開いた目で僕の体を見て、次いで窓を見て目を細める。
「今日の天気は雨だな?」
「うん」
「胃は……弱くねえか」
「ごはん美味しいです」
「おうありがとな、んじゃあ足や手、首にに引きつるような鈍い痛みはあるか?」
「ぐすたふの腕が固くて枕にすると首がちょっと」
「それ以外で頼む」
やだ横暴このひと、まあ別に隠してる訳じゃないしいいや。


「首から背中、そもそも頭が痛いです先生」
「先生じゃねえ、飯作りに行くついでに薬調合してくるからカーテン閉めて寝てろ」
「やっぱ先生じゃん」
「ちげえって」
「わぷ」
起き上がって苦笑いしたぐすたふの強引な頭なでなでに僕は布団に沈んでいってそのままぐすたふに起こされるまで二度寝を決め込んだのであった、マル。








本日の朝食はふわっふわ卵のスクランブルエッグと焼いたパンと野菜の切れ端とベーコンのスープ、もうお昼過ぎだって? ぐすたふが朝っていったら朝なんだよ、あ、言ってない、あらそう。
あぁーご飯美味しいんじゃああ。

出来立てのご飯をのんびり頂きそれなりに満足してソファーで寛ぐ僕を他所にぐすたふはあのでっかいリュック片手に部屋の床にリュックの中の道具を出して並べている。

「ぐすたふー」
「んー」
「何やってんのー?」
クッションを腹に抱いてリュックを眺めながら聞けば、ナイフ片手にぐすたふはにっと笑った。

「道具の手入れをちょっとな、森でもしてたんだが砂埃が溜まって仕方ねえ」
「ふーん」
「興味持ってねえなさては」
「ちょっとはあるけど真剣に聞き入る程じゃない感じ」
「だよなぁ、ほれクッキー食ってろ」
「うんー、まぁでも頭空っぽにして見る分には最適だからそのままやっちゃってー」
「おーう、そういやお前のあの箱も……あったあった、どうする?」
ガサゴソとリュックの奥から出したのは古ぼけた僕の宝箱、手で軽く埃を落としたぐすたふが手を伸ばし僕に渡す。

「……どうするって、なに?」
「紙は無理だが中の宝石とか汚れたりちっと錆び付いてるだろ? ついでに洗えるんだがやろうか?」
「んー、うん、お願い」
「あいよ」
箱を開けて中を見れば埃で白くなった手紙や本にアクセサリー、僕にとってこれは割と大事なものだし、汚いままっていうのも悲しい。

「そんじゃニールはそこでのんびりしててくれ
や」
蓋は開けたままにぐすたふに箱を渡し頼めばぐすたふは頬を綻ばせ作業に取りかかった。



そして僕はソファーに沈む、よし。







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