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「今日にさよなら」
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私は寝るのが嫌いだ。
正確には睡眠そのものが嫌いなのではなく、夜に寝るのが嫌いなのだ。
夜に寝てしまうと、その日一日が終わってしまう。その感覚が嫌だった。寝さえしなければ今日と明日の境界は曖昧で、今日は終わらないのでは無いかという錯覚に浸れる。だから私は夜更かしが好きで、寝るのが嫌いだ。
何かがしたいからではなく、今日を終わらせたくないから起き続ける。良く無いことだとは理解しつつも止められない。
その日も、私はベッドに入る素振りすら見せず、ソファに寝転がりスマホを見ていた。すると、LINEの通知が届く。愛しの彼女からだ。
『まだ起きてる?』
こんな時間に、珍しいこともあるものだ。私は体を起こし、LINEを開いて返信する。
『起きてるよ。どうかした?』
数秒後、電話がかかってきた。彼女だ。咳払いを数度して、喉を整えてから電話に出る。
「もしもし、聞こえてる?」
「聞こえてるよ。声でも聞きたくなった?」
「それもあるけど、なんだか今日を終わらせたくなくて」
驚いた。彼女も同じようなことを考えていたなんて。胸がじんわりと温かくなるのを感じながら、少し笑う。
「だからね、君とお話して楽しい思い出で今日にさよならしようかなって」
「今日にさよなら?」
「うん、何もしなくても寝ちゃったら今日は終わるけど、ちゃんとさよならしてから寝ると今日を終わらせることができるでしょ?」
なんだか虚をつかれたような感覚だった。あぁ、そうだ。彼女のこういうところが好きなんだ。彼女といると日々が明るくて優しいものに見える。
「いつもありがとう」
一緒にいてくれて。毎日を幸せにしてくれて。君の世界を教えてくれて。
「どうしたの?急に。変なの~。ふあぁ。もう眠くなってきちゃった」
「それじゃ、そろそろ寝よっか」
「うん、ありがとね。おやすみ」
「おやすみ」
今日にさよなら、か。
何だか今日からはよく眠れそうだ。
正確には睡眠そのものが嫌いなのではなく、夜に寝るのが嫌いなのだ。
夜に寝てしまうと、その日一日が終わってしまう。その感覚が嫌だった。寝さえしなければ今日と明日の境界は曖昧で、今日は終わらないのでは無いかという錯覚に浸れる。だから私は夜更かしが好きで、寝るのが嫌いだ。
何かがしたいからではなく、今日を終わらせたくないから起き続ける。良く無いことだとは理解しつつも止められない。
その日も、私はベッドに入る素振りすら見せず、ソファに寝転がりスマホを見ていた。すると、LINEの通知が届く。愛しの彼女からだ。
『まだ起きてる?』
こんな時間に、珍しいこともあるものだ。私は体を起こし、LINEを開いて返信する。
『起きてるよ。どうかした?』
数秒後、電話がかかってきた。彼女だ。咳払いを数度して、喉を整えてから電話に出る。
「もしもし、聞こえてる?」
「聞こえてるよ。声でも聞きたくなった?」
「それもあるけど、なんだか今日を終わらせたくなくて」
驚いた。彼女も同じようなことを考えていたなんて。胸がじんわりと温かくなるのを感じながら、少し笑う。
「だからね、君とお話して楽しい思い出で今日にさよならしようかなって」
「今日にさよなら?」
「うん、何もしなくても寝ちゃったら今日は終わるけど、ちゃんとさよならしてから寝ると今日を終わらせることができるでしょ?」
なんだか虚をつかれたような感覚だった。あぁ、そうだ。彼女のこういうところが好きなんだ。彼女といると日々が明るくて優しいものに見える。
「いつもありがとう」
一緒にいてくれて。毎日を幸せにしてくれて。君の世界を教えてくれて。
「どうしたの?急に。変なの~。ふあぁ。もう眠くなってきちゃった」
「それじゃ、そろそろ寝よっか」
「うん、ありがとね。おやすみ」
「おやすみ」
今日にさよなら、か。
何だか今日からはよく眠れそうだ。
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