アサシンの僕と魔導師のオレが融合した結果〜銀髪美少女の幼馴染と行く異世界漫遊記〜

ティムん

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第一章 幼少期

第四話 五年後

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この世界で生き抜く覚悟を決めたはいいが、生後間もない赤子に出来ることなんてほとんどなく、あっという間に五年が過ぎた。

 すんなりと歩けるようになり、活動できる範囲が広がった今は、母さんが持っている本を読むのが日課だ。文字も言葉と同じく何故かわかったのだ。

 もちろん、一歳児が黙々と難しい本を読んでいるのは不気味なので、両親には隠れて読んでいる。

 母さんが意外と読書家なのか、本は沢山あった。それらの本を読んでわかったことがいくつかある。

 一つ目は、この世界は本当に、僕がいた世界とは違う異世界だということ。歴史書などを読んでも、全く聞いたことのない人名しか出てこず、大陸の名前なども全然違うものだった。

 そして、何より根拠になったのはこの世界には魔法があるということだ。大体どの本にも魔法という言葉が出てきた。それも、魔法があるのが当たり前のように書かれている。

 だが、だからといって僕もすぐに信じたわけではない。さすがに非現実的すぎて実際に見るまでは信じる事ができなかった。

 そう、実際に見るまでは、だ。実際に見ることがあったのだ。

 僕が初めて魔法を見たのは、母さんが僕を抱っこしたまま料理をしていた時だった。

 母さんは、当たり前のように火を生み出し、調理器具を浮かせて料理をしたのだ。

 突然火が現れ、そこに鍋が飛んでくる。何も無い空中に水が現れ、鍋の中に飛んでいく。包丁がひとりでに動き出し、野菜を切っていく。

 あの光景は、魔法と言う他ないものだった。

 あの時は本当に驚いた。そして、興奮した。

 空想の産物でしかなかった魔法が、本当に存在していて、僕にも使える可能性があるのだ。興奮しないわけがない。

 それからの僕は母さんの本棚から、必死に魔法関連の本を探し、読み漁った。早く魔法が使いたくて仕方がなかったんだ。

 残念ながら魔法の使い方が書かれた本はなかったが、魔法に関して、詳しく書かれた本は見つかった。その本によると、魔法とは魔力という体内にあるエネルギーのようなものを使って発動するものらしい。

 魔法には属性があり、火、水、氷、風、雷、土、光、闇、そして無と空間で全部で十種類もあるそうだ。

 無属性の魔法は誰にでも使えるが、他の属性には使える人と使えない人がいる。特に氷、雷、光、闇、空間の属性は使える人が限られていて、中でも空間の属性を使える人は数えるほどしかいないそうだ。

 少し前には全ての属性が使え、それらを巧みにあやつる、魔導師・・・と呼ばれた人がいたそうだ。残念ながら五年前に死んでしまったようだが。



 次にわかった事は、この世界には魔物と呼ばれる化け物がいるということだ。

 動物と魔物は魔石と呼ばれる核があるかどうかで区別される。どれだけ凶暴でも、魔石が無ければ動物だし、どれだけ温厚でも、魔石があれば魔物と認定される。

 だから一口に魔物と言っても全ての魔物が悪いわけではないらしい。

 魔石とは、先ほど述べた通り魔物の核であり、魔力の結晶である。利用方法としては、一般に、魔法の道具――魔道具の動力源としての利用が挙げられる。

 そういえば、家には魔道具あんまりないんだよなぁ。一般の家にはそこまで普及してないのかな?

 まぁ、魔物は大体が凶暴らしいし、その魔物からしか取れない魔石が必要なんじゃあ高価なんだろうなぁ。

 それと、魔物たちと魔族と呼ばれる種族を従える魔王と呼ばれる存在がいるそうだ。まぁ僕が産まれる少し前にさっき話した魔導師に倒されたみたいだが。

 ん?そういえば魔導師が死んだ年と魔王が倒された年が同じだな……もしかして相打ちだったのかな?

 そんなことを考えていると母さんがやってきた。

「ソーマちゃ~ん。夜ご飯の時間よ~」
「うん。わかったー」

 僕がそう答えると、母さんは僕の手を握り、食卓の方へ向かっていった。

 僕がまだ五歳だから仕方ないんだけど、こういうのはやっぱり恥ずかしいなぁ。


◇◇◇◇◇

 食卓には既に父さんがいた。

 僕が父さんに作ってもらった子供用の椅子に座ると、皆で夕食を食べ始めた。

 今日の夕食は野菜炒めと、豚肉が入ったスープのようだ。元の世界とこっちの世界の動物は大体同じのようで、豚もいるのだ。

 この村には養豚場があり、燻製にして時々村に訪れる行商人に売ったりもしているそうだ。

「おうソーマ、今日は何してたんだ?」
「んーとね、えほんみてた!」

 僕は食べやすいように小さく切られた野菜を食べながら、しれっと嘘をついた。

 母さんが少し前に絵本を沢山買ってきてくれたのだ。そのおかげで僕が本棚の近くにいても、絵本を読んでいるのだろうと、不審に思われずにすむ。

 母が買ってきた絵本はいかにも子供向けという感じで、勇者がお姫様を助ける話や、わるい魔物を皆で協力して倒す話などがあった。

 その中で、中身が高校生の僕でも楽しめたのが、魔導師が仲間と共に魔王と戦う話だった。この話は妙にリアルで、引き込まれるような魅力があった。

「そーかそーか。ソーマは絵本が大好きだもんな。今日はどの絵本を読んでたんだ?」
「ドラゴンのほん!」

 僕はなるべく純粋な子供を演じる。両親に不審に思われるのは避けたいからだ。だから僕は無邪気な子供の仮面を被る。

 父さんは僕のそんな思惑には気づかず、嬉しそうに僕を見つめてくる。

「おぉドラゴンの本か! ドラゴンはかっこいいか?」
「うん! とってもかっこいい!」

 これは本音だ。絵本に描かれていたドラゴンは迫力があり、絵本から飛び出してきそうなほど躍動感があった。

 しかもこのドラゴンは空想ではなく、本当にいるのだ。そう思うと本当に心が踊った。

「実はなソーマ。父さんはドラゴンに会ったことがあるんだぞ?」

 父さんはテーブルに身を乗り出して僕に近づき、にやりと笑みを浮かべる。

「ほ、ほんとう!?」
「あぁ、本当だ。父さんはな、昔冒険者だったんだ」

 冒険者、本で読んで知っているがここは知らないふりをした方がいいだろう。

「ぼうけんしゃ?」
「冒険者ってのはな、魔物を倒したり、困ってる人を助けたりしながら旅をする人のことだ。」
「おとーさんもたびをしたの?」
「あぁいろんな所に行ったんだぞ?」

 父さんは誇らしそうに胸を張り、ぐいっとエールを飲む。

「おかあさんも一緒に旅をしたのよ~」

 上品に野菜炒めを食べていた母が、にこにことしながら話に入ってくる。

「えっ!? おかーさんもたびしたの?」
「そうよ~お母さんも一緒だったのよ~。おとうさんが剣で戦って、お母さんは魔法で戦ったのよ~」
「おかーさん魔法使いなの!?」

 魔法使い、というのは単に魔法が使える人という意味ではなく、魔法で戦える人という意味だ。母さんが買ってきた絵本にもよく出てきた。

「あぁ母さんはすごい魔法使いなんだぞ?魔物の大群を一人で全部倒したこともあるんだ」
「おかーさんすごいんだね!」
「うふふ~ありがと~。お父さんもすごい剣士なのよ~。騎士団の副団長様を倒したこともあるんだから~」
「おとーさんもおかーさんもすごいんだね!」

 話に誇張がないとしたら、僕の両親はとんでもない人なのかもしれない。

「ありがとうなぁソーマ。」

 父さんは僕の頭をぐりぐりとなでる。僕は少し照れ臭くて話を変えようとする。

「あ、そうだ! ドラゴンは? ドラゴンとはいつ会ったの?」

「おぉ、ドラゴンの話だったな。父さんの武勇伝を聞かせてやろう」
「うん!」
「んーとな、あれはソーマが産まれる三年くらい前だったかな――」

 そう言って父さんは当時の事を語りだす。
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