アサシンの僕と魔導師のオレが融合した結果〜銀髪美少女の幼馴染と行く異世界漫遊記〜

ティムん

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第一章 幼少期

第五十話 修行の場

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「いや、オレ達は今ほとんど魔法が使えねぇからな。こっちなら好き勝手魔法が使えるんだろ? だったらここで練習させてもらおうと思ったってわけだ」
「そんな個人的な理由で神を呼び出した人は初めてですね……」

 アゼニマーレの顔に呆れの色が浮かぶ。
 確かに魔法の練習のために神様を使うなんて、ソルの他にはいないだろうね。

「でも、ここで魔法の練習ができるならありがたいね。寝てる間も魔法の練習が出来るってことだし……あ、それだとフューの訓練はどうなるの?」
「あー、そうだった。そんな約束もしちまってたな。魂が完治してからって話だったが、ここが使えるならそれを待つ必要もねぇしな」

 ソルは灰色の頭をガリガリとかきながら、そう零す。

「この神域を使うのを前提として話をしないでください。……はぁ、わかりました。この神域を貴方達に貸与えましょう。貴方達を……するせめてもの償いになりますし……」

 最後の言葉はよく聞き取れなかったが、この場所を貸してくれるみたいだ。
 よし! これで魔力も周りへの被害も一切気にせず特訓ができる。普通の魔法使いは三十分でも全力で魔法を使えば魔力がカラになると聞く。それがここなら好きなだけ使えるのだから凄まじいアドバンテージだろう。

 それに寝ている時間を使うわけだから、普通よりも早く強くなれるね。そういえばこの空間だと疲労を感じなかったような……。それが確かなら練習の効率は何倍にも跳ね上がる。

 休憩も必要なくて魔力の回復を待たずに済み、さらに疲労がないということは常に最高のパフォーマンスで練習ができるというわけだ。
 もちろん、限界スレスレでこそ得られる力というものも僕は知っている。だがこの最高の環境で力を磨くことが出来るなら、僕はどれほどの高みにまで至ることが出来るんだろう。

「それと……フューというのは貴方達の使い魔でしたよね。ついでです。その使い魔もここに喚びましょう」

 そういうと、アゼニマーレはおもむろに右手を伸ばし、

「彼の者の意識を此処に」

 力の篭った声でそう言った。するとその手の先に光が生まれる。その光は徐々に丸い輪郭を生み出していき、その光が消えると同時にフューが現れた。
 フューは何が起きたのかわからずキョロキョロと辺りを見回していたが、僕とソルを見つけると飛び跳ねてやって来た。
 だが、フューは動きを止め、僕とソルを交互に何度も見る。どちらが自分の主人なのかわからず困惑しているのだろう。二人とも自分を造ったのと同じ魔力を持っているが、見た目が全く違うのだ。困惑するのも無理はない。

「どっちも君のご主人様だよ。僕がソーマで、隣のガラの悪そうなのがソルだ」
「おい、誰がガラの悪そうやつだ」

 僕の評価が不満だったようで、ソルはその赤い目を見開いて睨みつけてくる。

「ごめんごめん。まぁ、これでフューに魔法を教えるって話も解決だね」
「話は纏まったようですね。それでは私はこれで失礼させていただきます。これからは貴方達の体が眠りにつくと同時にこの神域に意識が来るようにしておきます。私も自由に出来る時間がそうあるわけではありませんので」

 そう言ってアゼニマーレは出てきた時と同じように、神々しい光と共に消えていった。
 僕は光の最後の一欠片が消えるのを注意深く確認した後、緊張の糸を緩める。

「ふぅ」
「あぁん? どうしたんだよ急に」
「いや、どうにもアゼニマーレが苦手でさ。害意がないのはわかってるんだけど、どうしてか彼女は敵なんだって思うんだ」

 だから年上の目上の人なのに彼女に敬称をつける気にならない。前世は無宗教だったし、神様だからって敬おうともあんまり思わない。

「あぁ、それなら俺も感じてる。だがいいのか? この場所はアイツの場所だ。アイツにも聞こえてるはずだぜ?」
「それなら大丈夫だよ。きっと彼女は既に気づいてるから」

 僕たちが不審がっていることに気づいている節が結構あった。だからそれを言葉にしても大して問題は無いだろう。

「よし、それじゃあ特訓を始めようか!」
「あぁ、そうだな。フラムの襲撃まであんまり時間もねぇだろうし、戦力増強は急ぐべきだ」

 それから僕らは目を覚ますまで存分に魔法の技術を高め、フラムが村に攻め入るのに備えた。
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