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第一章 幼少期
第五十五話 発想の転換
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三時間もの間試行錯誤を繰り返した結果、庭には精根尽き果てて倒れる僕の姿があった。いや、気力を喪失したのは僕だけではない。ソルも同じく疲れ果てている。
レンズの作成が思っていた何倍も難しかったのだ。
「無理だね……これ」
『あぁ……出来る気がしねぇ……』
「素人が手を出すべきじゃなかった……」
『そう……だな……』
「は、はは……」
空をぼんやりと見上げ乾いた笑いを漏らす。そんな燃え尽きた僕達のもとにフューがぷるぷると震えながらやって来た。
精力的に活動していた昨日とは打って変わり、やる気の欠片も見せずに倒れ伏す僕の姿を見て、フューは不思議そうにする。
「あぁ、フューか……今ね、双眼鏡を作ろうとしていたんだよ……無理だったけどね……はは」
状況を軽く説明するが、未だにフューは不思議そうだ。
「そっか……双眼鏡って言ってもわからないよね。双眼鏡っていうのは遠くを見るための道具なんだよ」
遠くを見たいの? と、フューの意思が魔力の繋がりを通して伝わってくる。
「うん。それが出来れば魔物がいつ来るかわかるから」
僕がそう言うと、フューは魔力を集中させ始めた。
これは……光属性の魔力、かな? 魔力の繋がりがあるせいか、そんな事がぼんやりとわかる。
「フュー? なにを」
そこまで言った瞬間、セリアが森の中で魔法の練習をしているのが見えた・・・。
「な、何が起きたんだ!?」
僕は即座に起き上がり、目をこする。すると、その光景は消えてしまった。
僕が居るのは家の庭だ。ここから離れた森の中なんて見えるはずがない。
もしかして、とフューの方を見てみると誇らしげに胸? を張っている。
「い、今のフューが……?」
肯定の意思が伝わってきて、フューが褒めて褒めてと頭を差し出してくる。
僕は呆然としながらフューの頭を撫でる。フューは満足そうだが、僕の頭の中は疑問符がぐるぐると駆け巡っている。フューが何をしたのか考えていると、その答えはソルが教えてくれた。
『そうか! 光魔法で光を直接目に届けたのか! 風魔法で音を拾うときの応用だな! これならかなり離れた場所も見れるぞ!』
「なるほど! それじゃあ魔物が来るタイミングが分かるね! でも――」
これで当初の目的は達成出来た。それは非常に喜ばしいことだ。喜ばしいことだが――
「……僕達の三時間の努力……意味、なかったね……」
『……あぁ、そうだな……貴重な時間を無駄にしただけだった……』
先ほど以上の疲労感が僕達を襲う。
急に落ち込み出した僕達を見て、フューがおろおろする。慰めようとしているのか、僕の手に頭をぐりぐりと押し付ける。フューの優しさに心が癒されていくが、同時に自分を情けなく思う気持ちが湧き上がってくる。
僕は両手で頬をぱちんと叩き、気持ちを切り替える。
「フューに心配されてるようじゃダメだね! やるべき事は沢山あるんだし、ぐずぐずしてる暇はない!」
僕はすくっと立ち上がり、やる気を出すためにそう口にする。
レンズの作成が思っていた何倍も難しかったのだ。
「無理だね……これ」
『あぁ……出来る気がしねぇ……』
「素人が手を出すべきじゃなかった……」
『そう……だな……』
「は、はは……」
空をぼんやりと見上げ乾いた笑いを漏らす。そんな燃え尽きた僕達のもとにフューがぷるぷると震えながらやって来た。
精力的に活動していた昨日とは打って変わり、やる気の欠片も見せずに倒れ伏す僕の姿を見て、フューは不思議そうにする。
「あぁ、フューか……今ね、双眼鏡を作ろうとしていたんだよ……無理だったけどね……はは」
状況を軽く説明するが、未だにフューは不思議そうだ。
「そっか……双眼鏡って言ってもわからないよね。双眼鏡っていうのは遠くを見るための道具なんだよ」
遠くを見たいの? と、フューの意思が魔力の繋がりを通して伝わってくる。
「うん。それが出来れば魔物がいつ来るかわかるから」
僕がそう言うと、フューは魔力を集中させ始めた。
これは……光属性の魔力、かな? 魔力の繋がりがあるせいか、そんな事がぼんやりとわかる。
「フュー? なにを」
そこまで言った瞬間、セリアが森の中で魔法の練習をしているのが見えた・・・。
「な、何が起きたんだ!?」
僕は即座に起き上がり、目をこする。すると、その光景は消えてしまった。
僕が居るのは家の庭だ。ここから離れた森の中なんて見えるはずがない。
もしかして、とフューの方を見てみると誇らしげに胸? を張っている。
「い、今のフューが……?」
肯定の意思が伝わってきて、フューが褒めて褒めてと頭を差し出してくる。
僕は呆然としながらフューの頭を撫でる。フューは満足そうだが、僕の頭の中は疑問符がぐるぐると駆け巡っている。フューが何をしたのか考えていると、その答えはソルが教えてくれた。
『そうか! 光魔法で光を直接目に届けたのか! 風魔法で音を拾うときの応用だな! これならかなり離れた場所も見れるぞ!』
「なるほど! それじゃあ魔物が来るタイミングが分かるね! でも――」
これで当初の目的は達成出来た。それは非常に喜ばしいことだ。喜ばしいことだが――
「……僕達の三時間の努力……意味、なかったね……」
『……あぁ、そうだな……貴重な時間を無駄にしただけだった……』
先ほど以上の疲労感が僕達を襲う。
急に落ち込み出した僕達を見て、フューがおろおろする。慰めようとしているのか、僕の手に頭をぐりぐりと押し付ける。フューの優しさに心が癒されていくが、同時に自分を情けなく思う気持ちが湧き上がってくる。
僕は両手で頬をぱちんと叩き、気持ちを切り替える。
「フューに心配されてるようじゃダメだね! やるべき事は沢山あるんだし、ぐずぐずしてる暇はない!」
僕はすくっと立ち上がり、やる気を出すためにそう口にする。
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