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第一章 幼少期
第七十一話 隠密
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母さんに事情を説明したあと、僕はフラムを暗殺するための方法を考えていた。
フューにも念のため着いてきてもらうつもりだ。村を襲う魔物達は大きく数を減らし、また士気も最低と言ってもいい程なのでフューがいなくても大丈夫だろう。
フューの分裂個体にはたっぷりと魔力を補給してきたため、非常時の対応は彼らに任せて問題ないはずだ。彼らには村の周りをよく見ておいてくれと頼んでいる。
何かあればすぐに駆けつけてくれるはずだ。
よって、村の方は問題がない。問題があるとすれば僕の方だ。
「ねぇ、ソル。スコルの嗅覚ってどれくらいだと思う?」
『あぁん? そんなの、馬鹿みたいに良いにきまってるじゃねぇか――ってあぁ、そういうことか』
スコルは狼の魔物で、嗅覚が優れているのは想像に難くない。だとすれば、人間の僕が近づけばすぐさまバレてしまうんじゃないかな。
「フュー、ニオイを消す魔法とか使えないかな」
頭の上のフューにそう問いかけるが、フューは申し訳なさそうに体を縮こませるだけだ。
「やっぱりそう都合良くはいかないか……」
『ニオイを消すことは出来なくても、相手に届かせねぇだけなら出来るぜ』
解決策は意外なところからもたらされた。
「どうやって!? 魔法使えないんだよ?」
『全く使えねぇわけじゃねぇだろ。ほら、この前お前が教えてくれたじゃねぇか。ニオイってのは目に見えねぇ小さな粒なんだろ?』
確かに、ソルに化学を教える際、分子や原子の話をした時の例としてニオイを出したことがあった。
『だったら風魔法で壁を作れば良いんだ。そうすれば壁の外にニオイの粒は漏れねぇ。風の壁くらいなら今のオレでも作れるしな』
「おぉ、なるほど。それならスコルに気づかれないね。だけど――」
この方法には一つ大きな穴がある。
『酸素不足、だったか? まぁとにかく、呼吸が出来なくなるな』
風の壁で出入りが出来なくなるのはニオイの分子だけではない。酸素も当然入ってこなくなる。そんな状態で、長時間たつと……呼吸困難に陥ってしまう。
「そこが問題だよね。前世の体なら、無呼吸で十分くらいなら走っても平気だったけど、この体じゃあね……」
動かないでいいなら三十分は余裕だった。だけどこの体でそんな無茶はできないだろう。
あぁ、五歳児の我が体が恨めしい。
フューにも念のため着いてきてもらうつもりだ。村を襲う魔物達は大きく数を減らし、また士気も最低と言ってもいい程なのでフューがいなくても大丈夫だろう。
フューの分裂個体にはたっぷりと魔力を補給してきたため、非常時の対応は彼らに任せて問題ないはずだ。彼らには村の周りをよく見ておいてくれと頼んでいる。
何かあればすぐに駆けつけてくれるはずだ。
よって、村の方は問題がない。問題があるとすれば僕の方だ。
「ねぇ、ソル。スコルの嗅覚ってどれくらいだと思う?」
『あぁん? そんなの、馬鹿みたいに良いにきまってるじゃねぇか――ってあぁ、そういうことか』
スコルは狼の魔物で、嗅覚が優れているのは想像に難くない。だとすれば、人間の僕が近づけばすぐさまバレてしまうんじゃないかな。
「フュー、ニオイを消す魔法とか使えないかな」
頭の上のフューにそう問いかけるが、フューは申し訳なさそうに体を縮こませるだけだ。
「やっぱりそう都合良くはいかないか……」
『ニオイを消すことは出来なくても、相手に届かせねぇだけなら出来るぜ』
解決策は意外なところからもたらされた。
「どうやって!? 魔法使えないんだよ?」
『全く使えねぇわけじゃねぇだろ。ほら、この前お前が教えてくれたじゃねぇか。ニオイってのは目に見えねぇ小さな粒なんだろ?』
確かに、ソルに化学を教える際、分子や原子の話をした時の例としてニオイを出したことがあった。
『だったら風魔法で壁を作れば良いんだ。そうすれば壁の外にニオイの粒は漏れねぇ。風の壁くらいなら今のオレでも作れるしな』
「おぉ、なるほど。それならスコルに気づかれないね。だけど――」
この方法には一つ大きな穴がある。
『酸素不足、だったか? まぁとにかく、呼吸が出来なくなるな』
風の壁で出入りが出来なくなるのはニオイの分子だけではない。酸素も当然入ってこなくなる。そんな状態で、長時間たつと……呼吸困難に陥ってしまう。
「そこが問題だよね。前世の体なら、無呼吸で十分くらいなら走っても平気だったけど、この体じゃあね……」
動かないでいいなら三十分は余裕だった。だけどこの体でそんな無茶はできないだろう。
あぁ、五歳児の我が体が恨めしい。
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