アサシンの僕と魔導師のオレが融合した結果〜銀髪美少女の幼馴染と行く異世界漫遊記〜

ティムん

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第一章 幼少期

第九十二話 化学魔法

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「じゃあ次いくか。次は水の電気分解だったか? あれを利用してみる」

 水を電気分解して出来るのは、酸素と水素だ。ソルが目をつけたのは水素の方だろう。水素は火をつけると爆発するからね。
 でも水素だけを風魔法で生み出そうとすると、水素は自然界にはあまり存在していないので多大な魔力が必要になる。
 そこで、水を電気分解することで水素を発生させようというわけだろう。

 ソルはそう考えてこの方法を選んだのだろうけど、実はこの方法はただ単に水素を生み出すだけよりも効果的なのだ。水を電気分解して発生させた、水素と酸素が二対一混ざっている気体は、水素爆鳴気と呼ばれ、水素単体よりも遥かに強力な爆発を起こす。
 いわゆる、水素爆発だ。

「あ、純水は電気を通さないから、何か混ぜないとダメだよ」
「じゃあ川の水でも想像すればいいか」

 まぁ、普通に魔法で生み出した水は純水じゃないとは思うけどね。念のためだよ、念のため。

 ソルはまず、水魔法を使って直径五メートル程の水球を生み出し、そこに雷魔法で電気を流し込んだ。発生した気体は風魔法で捕らえ、球体にする。
 やがて、全ての水が酸素と水素に分解され、それらが一つの大きな球体になった。

「じゃあ、火つけるぞ」
「ちょ、ちょっと待って! 魔法で壁作っとかないと危ないよ!?」
「そんな威力が出るのか? こっから結構離れてるぞ? それにここじゃあどんな怪我しても死なねぇだろ」

 確かに、アゼニマーレが作ったこの空間で怪我をしても、それが現実に影響することは無い。だけど、痛みは感じるのだ。僕は痛みに耐性はあっても、進んで痛い思いをしようとは思わない。

「ったく、しょうがねぇな」

 そう言いながらソルは風魔法で壁を作った。実験がよく見えるようにと風魔法を選んだのだろうけど、風の壁なんかが本当に爆発から守ってくれるのだろうか。
 不安になった僕は、分厚い氷の壁を作った。
 ソルはちらりと僕の方を見るが、氷の純度が高く、透明で邪魔にならないからか、気にしないことにしたようだ。
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