クリエイティブな友人が俺に感想を求めてくる件

椛屋 杏

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アプリ編

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「と、とりあえずインストールしてみるか。」
 
 もしかしたら意外とまともかもしれないし。
 
 という言葉を飲み込んで俺は謎の育成ゲームをインストールした。
 
 起動するとてーれってれーっと安っぽい音楽が流れ始め、『なうろーでぃんぐ』と文字が表示される。
 
 「これってなんでひらがなにしたんだ?」
 
 「英語が間違ってたら恥ずかしいだろ?」
 
 「そんな理由で!?」
 
 つい気になったことを聞くとまさかの返答。
 
 そうだ、紅野は英語万年赤点野郎だった...
 
 それでもどうやら読み方と意味くらいは知っていたらしい。
 
 「英語苦手でもさすがに読み方くらいは知ってたんだな。」
 
 「いや?尾道さんに教えてもらった。」
 
 「誰だよ、尾道さん!クラスにそんなやついたか?」
 
 「いや、近所に住んでる尾道さん(兄)」
 
 括弧の情報は必要だったのだろうか。
 
 「最初は『のをろあでいんぐ』って書いてあった。」
 
 尾道さん(兄)ありがとう。
 
 俺は見ず知らずの尾道さん(兄)に思わず感謝した。
 
 「お、やっと終わったみたいだな。」
 
 ロード画面からタイトル画面に移行する。
 タイトル画面には無駄にカッコイイロボットが描かれている。
 
 「このロボットの絵すごいな。お前が描いたのか?」
 
 「あぁ、ロボットだけは小さい頃から描いてきたからな。自信がある。」
 
 「確かにこの絵はすごいな。」
 
 そんなロボットの絵を賞賛しつつ、スタートボタンを押す。
 
 『ようこそ、剣と魔法と冒険の世界に
 
 貴方は魔王を倒すための力を手に入れたいのですね?』
 
 最初から意味がわからなかった。
 
 ロボットがなぜ、剣と魔法の世界に必要あるのか、そもそも剣と魔法があるならそれで魔王倒せばいいじゃん。
 
 いや、むしろ剣と魔法の世界で科学の結晶であるロボットが誕生するわけないじゃん。
 
 そんなツッコミを俺は飲み込んだ。
 
 それでも容赦なくシステムは『はい』『いいえ』の選択を求めてくる。
 
 俺は『いいえ』を選択していた。

 『その夜、力を拒否した少年は魔王軍の略奪に巻き込まれ死亡した。』
 
 「なんでだぁぁぁぁ!!」
 
 「いや、普通に『はい』を選択しなかったのが悪い。」
 
 確かに言われてみればインストールしてる時点でこの世界観に身をゆだねなければならないのだ。
 
 『いいえ』を選んだ俺が悪い。
 
 「それにしても、なんで剣と魔法の世界?」
 
 「いや、なんか最近壮大な世界観が流行ってるって聞いたから。」
 
 「そうか...」
 
 流行りだけで決められたそんな世界観に身をゆだねてもいいのだろうか...
 
 また新たなる不安要素が生まれた瞬間だった。
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