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プロローグは突然に
福本真地、夕焼けにたそがれる
しおりを挟む空が…………青いなぁ………。
俺の体はぐにゃっと宙に浮いている。
あぁ………空が青いなぁ………。
体がいうことを聞いてくれない。視界がぐらつく。難聴になぜかなる。胃液がなんか込み上げてくる。体が非常に痛い。
俺、普通の高校生、福本真地。
たった今、トラックに引かれました――――。
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始まりは今日の下校シーンから幕を開ける。
「起立! 礼!」
「「さようならー!」」
号令と同時にみんなが個々に散らばる。当然だ。みんな早く帰りたいんだ。俺は机に肘をつきながらたんまりとしていた。
時は、午後5:00ジャストだ。
本来なら俺もカバンを抱えて直ぐ様マイホームに帰って愛しのネコと戯たいが、なんだか今日はそんな気が失せていた。
俺は静かに、クラスを見渡した。
残っているのは、ほとんどが部活の友達を待っている奴か、家に帰ってもすることがない暇人の集合体。そんな中、俺はただ一人、窓際のテラスに顔を出した。
風が心地いい。
なんだか今日の俺は異常だった。ここまで落ち着いた気分に浸ったことなんてなかったのに。まるで、そう、本能的にこの時を待ちわびていたような、そんな感じか。
いやいや、なんで詩人みたいな一丁前なこといってんだ俺は。
風をなんだかもう少し感じたくなった。俺はそのままテラスに移動した。
空はもう夕焼けに染まっていた。
なんだかこの景色がなつかしい。そういえば最近忙しくて観れてなかったなぁ…………この空を。
クラスの共々は夕焼けぞらなんかガン無視して、楽しそうに帰っている。
「バカだよねー」
気づけば彼女が俺の隣で身を乗り出して言っていた。
「こんなにもキレイな夕焼けがあるのに、皆前とか下とか向いちゃってさー。希望をもつのは良いことだけど、たまには上を見ないと、ね?」
その言葉に、俺も相づちを打つ。
「なんだ、北華もそう思ってたのか? 俺たち、気が合うな。結婚するか?」
「ジョーダンはやめてよね。なんで私があんたと結婚しなくちゃいけないのよ」
「俺たち幼なじみじゃん。運命だよ運命。ディスティニーってやつ?」
「あんたと私は呪いにかかってるわ。離れたくても一生近くにいる呪いに」
そう、俺と北華は幼稚園からの幼なじみだ。
北華恭子。クラスでもトップの成績と美貌を兼ね備えた、言わば2次元のような存在。だが胸はドブネズミレベルなのがたまに傷――――
「いま、私をバカにしたでしょ?」
そうやって人の心を読み取り、頭に定規を投げ刺してくる。ホント頭痛い。
「たっく………あんたはホント変わらないわね。あんたは前も下も見ていない。いつも上を見続けてる。おめでたい人ね」
「俺はけっこう気楽な奴だからな。あんまり将来について考えたりしないんだわ」
「………うらやましい」
「え? 何か言った?」
「………うんうん、なんでもない。あんたもさっさと帰りなさいよ!」
肝心な所を聞き逃した俺は「お、おい待てよ!」と呼び止めるが、北華はそのまま教室を出た。
…………変なやつ。
何か言いたげな顔だったのに、何で正直に俺に言わないかな?
俺は再び夕焼けにたそがれた。気づけば背後からは何も聞こえなくなっていた。
全員帰ったか…………。
教室に俺は一人取り残される。
…………………。
「…………帰るか」
俺はバックを手に持った。
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