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ミラーさんの実験
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とーとつですが、ミラーさんの実験はご存知ですか?
原始地球での最初の生命の誕生に関する実験です。あたしが生まれる何十年も前の話です。1950年代、日本でいうとしょーわの頃だと思います。古代史です。
生命が生まれる前の地球。生命の材料となる化学物質が非生命的に合成され、進化していたのではないかと考えられていました。でも、それは十億年とか膨大な時間のかかる過程で、とても実験で証明できるようなことではないと思われていました。
けれどユーリー先生とミラーさんはフラスコや電極などを組み合わせた装置を作り、原始地球の再現実験を試みたのです。
有名な話なので、「知ってるわい、そんなの常識」という方もいらっしゃるでしょうが、そんな方はこの章は飛ばしてくださいね。小説なんてページの多少なりを飛ばしても、だいたい筋は追えるものですからね。あたしも最初を読んで結末を読んで、中間を順不同にちょこちょこ読んで、「こりゃ、傑作だわ」と叫ぶ。そんな読書をよくします。
さて実験。ざっくりいうと、ふたつのフラスコが砂時計のように上下につながっています。中には原始大気を模した水素とメタンとアンモニアを混合した気体が入っています。下のフラスコには水が入っています。これが原始の海。バーナーで温められています。上のフラスコには電極。放電させます。これは雷を模しています。気体は装置内を循環するようになっています。一週間ほど放電を続けます。
すると装置内に褐色の物質が生成され、たまっていたのでした。アミノ酸などの生命の材料となる物質です。意外に簡単にできてしまったのでした。その後、多くの研究者が封入する気体の成分を変え、与えるエネルギーを変え(放射線とかね)追試しました。生命の材料、さまざまな物質が生成されました。
命の創造はフランケンシュタイン博士以外は成功しなかったらしい。
その後、原始地球の大気の成分はユーリー・ミラーの実験のものとはだいぶ違うようだということになりましたが、宇宙のいたる所から有機分子が発見されるようになりました。
実験の名称は「ユーリー・ミラーの実験」ということになっていますが、ユーリー先生は実験のほとんどはミラー君の創意工夫の賜物なので「ミラーの実験」と呼ぶべきであると生徒さんを讃えたということです。
さて実験は地球の生命とは直接つながらないとしても、惑星〈10%off〉とはおおいに関係ありということは気がつかれましたよね。惑星大気のモデルは、つまりガス惑星の大気そのものなんです。惑星の原初の時代から今日にいたるまで、大気中の放電はやまず、アミノ酸は合成され続け、たっぷり蓄積されています。惑星を特徴づける褐色は自ら生み出した有機化合物の色だったんです。
それならこの惑星は生命に満ちあふれているのでしょうか? すんなりそうとも言えないんですね。レンガがいくらたくさんあっても、それが自然に建築物にはならないということです。大気中を漂う微生物のようなものがいてもいいとは、あたしは思うんですけど、ね。微生物にシンパシーを感じてる微少女のしじみでした。🦠。
原始地球での最初の生命の誕生に関する実験です。あたしが生まれる何十年も前の話です。1950年代、日本でいうとしょーわの頃だと思います。古代史です。
生命が生まれる前の地球。生命の材料となる化学物質が非生命的に合成され、進化していたのではないかと考えられていました。でも、それは十億年とか膨大な時間のかかる過程で、とても実験で証明できるようなことではないと思われていました。
けれどユーリー先生とミラーさんはフラスコや電極などを組み合わせた装置を作り、原始地球の再現実験を試みたのです。
有名な話なので、「知ってるわい、そんなの常識」という方もいらっしゃるでしょうが、そんな方はこの章は飛ばしてくださいね。小説なんてページの多少なりを飛ばしても、だいたい筋は追えるものですからね。あたしも最初を読んで結末を読んで、中間を順不同にちょこちょこ読んで、「こりゃ、傑作だわ」と叫ぶ。そんな読書をよくします。
さて実験。ざっくりいうと、ふたつのフラスコが砂時計のように上下につながっています。中には原始大気を模した水素とメタンとアンモニアを混合した気体が入っています。下のフラスコには水が入っています。これが原始の海。バーナーで温められています。上のフラスコには電極。放電させます。これは雷を模しています。気体は装置内を循環するようになっています。一週間ほど放電を続けます。
すると装置内に褐色の物質が生成され、たまっていたのでした。アミノ酸などの生命の材料となる物質です。意外に簡単にできてしまったのでした。その後、多くの研究者が封入する気体の成分を変え、与えるエネルギーを変え(放射線とかね)追試しました。生命の材料、さまざまな物質が生成されました。
命の創造はフランケンシュタイン博士以外は成功しなかったらしい。
その後、原始地球の大気の成分はユーリー・ミラーの実験のものとはだいぶ違うようだということになりましたが、宇宙のいたる所から有機分子が発見されるようになりました。
実験の名称は「ユーリー・ミラーの実験」ということになっていますが、ユーリー先生は実験のほとんどはミラー君の創意工夫の賜物なので「ミラーの実験」と呼ぶべきであると生徒さんを讃えたということです。
さて実験は地球の生命とは直接つながらないとしても、惑星〈10%off〉とはおおいに関係ありということは気がつかれましたよね。惑星大気のモデルは、つまりガス惑星の大気そのものなんです。惑星の原初の時代から今日にいたるまで、大気中の放電はやまず、アミノ酸は合成され続け、たっぷり蓄積されています。惑星を特徴づける褐色は自ら生み出した有機化合物の色だったんです。
それならこの惑星は生命に満ちあふれているのでしょうか? すんなりそうとも言えないんですね。レンガがいくらたくさんあっても、それが自然に建築物にはならないということです。大気中を漂う微生物のようなものがいてもいいとは、あたしは思うんですけど、ね。微生物にシンパシーを感じてる微少女のしじみでした。🦠。
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