27 / 108
第27話 強過ぎた薬
しおりを挟む朝一にマスターから流されたチームメンバーへの同報メッセージは「さいとーさん、盾志望の未成年女子をナンパ。明日お披露目」と、やはり茶化したメッセージだった。
実物は、見た目が完全に未成年女子なので全然シャレになっていないのだが⋯⋯。
今日は家探しとゲームの調査だけで狩りには出ない予定だ。来週には出張扱いではなくなってしまうので、ホテル住まいを続ける訳にもいかない。
担当の彼に、状況報告とホクダイ界に住んで家に居ながらレベル上げ案を提案してみたが、低難易度界は意図せず主を乗っ取ってしまう事があるのでおススメしないと返答があった。
乗っ取らないまでも長時間滞在しているだけで、主に乗っ取りを疑われる可能性大なので、主に挨拶必須だそうな⋯⋯なんて面倒な。
プレイヤーが主をやっていないその他の界は、出現モンスターが雑多になるので、リスク高く引き篭もり活動案は却下。
担当の彼は家賃が安いが電波障害のススキノ推しだ。個人的には徒歩五分内に独り飲みできる場所があって、スマホが使えて寝られればどこでもいい。
ドーリかイーストか。他の地下鉄駅の近くでも飲み屋くらいはありそうだ。ススキノは電波障害があるのでなるべく避けたい。
「斎藤君だったね? ちょっといいかね?」
ノートPCで賃貸住宅サイトを漁っていたら声をかけられた。この胡散臭い威厳を纏った風の人は⋯⋯札幌事業部の部長だったかな。ほとんど顔も合わせる事もない北海道のトップが何の用だろう?
パーティションで区切られたミーティングルームで向かい合わせに座る。接点のない上司とこういう場はあまり良い予感がしない。大抵がロクでもないお願いと言う名の指令だ。
「斎藤君の所属だが、関東から札幌に移管が朝の役員会で決まってね。裁量労働制のテストケースという事で、私の直下の所属になるから。後、住居はススキノ界?で探して欲しい」
「⋯⋯はっ?」
「ススキノの界とかいうのがあるんだろう? あのゲームだかの」
「それは分かりますが、住む所まで指定されるのですか?」
「いや、指定している訳じゃない。これはお願いだ。なるべくそうして欲しい」
出たー! 伝家の宝刀「これはお願いだから」。ハラスメントコードを回避しているだけでやってる事は変わらない。
「つまり、従う必要はないと?」
「何か理由があるなら考慮しよう」
⋯⋯この狸親父は話通じないパターンやな。
「なるべく善処します」
「頼むよ。お客様から契約変更のドラフトが届いて、そういう要望があったらしいから」
弱ぇー客に弱ぇー。客の要望を吟味せずに下々の者に丸投げェ⋯⋯。
「辞令は以上だ。メールで日報と、週に一度は出社して報告してくれ」
「⋯⋯承りました」
面倒なタイプの上司に付いちゃったなー。これは日本酒でも飲みに行くしかないな。ツマミは何が良いか⋯⋯。
「後、今晩、親睦を兼ねて飲みに行こう。まだ札幌は詳しくないだろう? 出社してる時しか行けないだろうしな」
「あ、はい」
逃げ出そうとしたが回り込まれた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる