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第85話 あれもこれも
しおりを挟む報酬と補償のEPを渡して偵察隊は解散となった。自分がデスペナで全損した場合には日本円で支払うことになっていたことを思い出し、背中を冷や汗が伝う。
今回の第1回威力偵察隊のメンバーはモモカを除いたイーストメンバー5名とサポートメンバー4名、田辺さんと佐藤女史の計11名。自分の分を除外して16万EPを支給した。危険度の高い初回だからと奮発しすぎたかもしれない。
これは冒険者ギルドでのEPやアイテムの預かりサービスも早期実現せねばならないだろう。信頼のおける人間に後ろを任せる仕組みが必要だ。
というか、自分が前線に行かなければいいだけなのだが、魔法使いの希少性もあり中々言い出せなかった。今回も後ろにいるだけだから大丈夫だろうとたかを括っていたらこの有様だ。
受付嬢モモカも主なので預かりができないのも痛い。自分には今必要だ!
「私も魔法使いになろっかなー」
「ムリムリ。ルイにはムリやろー。頭より体動かす方が合ってる」
「むー。やっぱそうかな」
視線を向けずに、心の中でマスターの意見に賛成しておく。
「そうよねぇ。ルイには難しいかもねぇ」
「ママまで!」
「……適材適所」
「……さいとーさーん」
カオルさんにとどめを刺されたルイさんが結局こちらにやってきた。
「……人には向き不向きがあるかと」
「詠唱短縮なら、なんとかなるもん」
「自力で詠唱短縮を取得してもらえると助かります」
「うー。まぁお金もかかるしなー」
「それな」
同情した顔のマスターだが、目に慈しみの色はなかった。
「ところで、冒険者ギルドから上級スキル取得補助とか、なんとかなんないの?」
「おおぅ! たしかに!」
期待に満ちたルイさんとマスターの視線が刺さる。
ぐぅ……やはりそうなるか。薄々知ってた。
「田辺さんとも掛け合ってみます」
「おなしゃーす」
「しゃーす!」
……多分、予算内で何とかしてくださいとしか言われないだろう。今後の公平性も踏まえたジャッジが求められる。
支給したEPと円換算した数字をメモりながら、二千万円もすぐになくなりそうだと中間管理職の哀愁漂うため息が漏れ出た。
「では、斉藤社長。速やかに詠唱短縮サポートの準備をお願いします」
ああー。そうですね。そうですよね。眼鏡クィッですよね。
「詠唱短縮もコンプリートしたいので」
やめてぇー。ガチ勢ゴリゴリやめてぇー。
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