98 / 108
第97話 腕力強化
しおりを挟む「鍛冶場、できたんだって?」
「は、はい!」
騒ぎを聞きつけたマスターが階下からひょっこりと顔を出した。
「+3以降は失敗するとロスるから気をつけてなー」
AnotherDimensionの鍛冶システムは必要な素材とEPを費やし鍛冶作業を行うことで『アイテム作成』と『強化』ができる。熟練度や費やすEPによって成功率が異なり、+3以降の強化では失敗すると素材だけでなくベースとなったアイテムまでロストしてしまう。
EPを湯水のように使える界主モモカはあまり苦にならないが、界主とはトレードができないので鍛治をお願いすることもできない。
ネット情報では、界主が装備を鍛え上げてから討伐してドロップさせるという荒業も載っていた。
相変わらず難易度がクソゲーだ。
「とりあえず、試しにやってみるか」
「わ、私は『アイテム作成』してみますっ」
三基ある鍛冶場の一基を占有して鍛治メニューを眺める。『強化』に装備していた『賢者のローブ』を指定してみると『被ダメージ軽減強化』『MP自然回復率強化』『MP消費軽減強化』『重量軽減』と特殊効果毎に強化メニューがあるようだ。
強化の場合、+5から5強化毎に特殊効果がランダムに付与されるらしく、ノーマル状態で特殊効果が2つ付いている『賢者のローブ』はかなり優秀だ。ちなみに被ダメージ軽減と重量はどの防具にもある。
とりあえず1番効果を実感している『MP消費軽減強化』を指定すると+1にするには最低100EP、成功率は99%と表示されている。
強化ボタンを押すと、タイマーと残りカウントが表示されてモーションの説明が流れる。要は1時間以内に100回叩けということらしい。
この位ならと素振りを始めると向かいのモモカは既に素振りを始めていた。
「何を作るんだ?」
「て、手持ちの素材で獄岩盾という盾が作れそうだったので試してみたんですけど……6時間以内に1000回でした……」
「1000回……」
モモカは既に吹っ切れているのか能面のごとく表情をなくしていた。
確かに、秒間1回振れば17分くらいで終わる。しかしだ。多分50回くらい振っている俺の腕でさえ既に怠い。休み休みやるにしても気の遠くなる作業だ。
鍛治作業とは、お試しとかそんな軽い気持ちでやるものではなかった。
3分ほどで軽快な電子音とともに鍛治の熟練度レベルが2になった。そして出来上がったのがコレだ。
賢者のローブ+1
被ダメージ6点減少(+1)、MP自然回復率+50%、MP消費軽減+11%(+1%)、重量5
被ダメージ軽減も伸びたとは言えこの伸び幅はキツい。EPを多めに費やして+5で追加効果を狙ってみるかと思っていたが鍛治作業がつらい。
やはりと言うか+2への強化は最低EP200だ。多分200回振れだ。
うーむ。悩ましい。
向かいのモモカはまだ振り続けている。
何となく1人寂しく振り続けさせるのもはばかられる。完了音が鳴った時に一瞬羨ましそうな目をしていたのだ。
俺は何も言わずに、次の強化メニューを実行することにした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる