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偽りの英雄譚
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帝都グランフェリアの大広場は歓喜に沸いていた。
黒髪黒目の少年——鈴木和馬(かずま)が、白銀の鎧を纏い国民に向かって手を振っている。
背後には輝く装飾を施された盾と剣。左右には二人の美女が控えていた。
「これぞ真の勇者!」「我らが救世主!」
群衆の声援が天井のない円形闘技場(コロッセウム)に響き渡る。
三ヶ月前までは彼は日本の地方都市に住む高校生だった。
友人は少なく、ゲーム三昧の日々。将来の夢など語ったこともない普通の少年だった。
それが突然、魔王に対する救世主として、
帝国の召喚術により異世界に召喚され「勇者」と祭り上げられた。
困惑する暇もなく訓練させられ、今やこうして英雄の座に座らされている。
だが和馬の口元には不自然な笑みが浮かんでいた。
召喚当時は「なんで俺がこんな目に」と毎日のように嘆いていたのにだ。
しかも彼の隣に立つ二人の美女のひとりは、彼が召喚される前までは
王国騎士団長アルフォンスの婚約者だった金髪の美少女アリシアであった。
(魅了スキルなんて反則だろ……)
召喚時にお約束の様に得ていた、隠し特殊能力は驚くほど強力だった。
一度視線を合わせれば相手は魅了され、言いなりになる。最初は躊躇ったが、
すぐに利用価値に気づいた。
アリシアとの関係は周囲を驚愕させたが、彼自身は罪悪感を感じていなかった。
何故なら和馬の潜在願望がその能力を望んだからこそ得たチカラだったからだ。
ただ一つ気がかりなことがある。
それはアリシアの本来の婚約者アルフォンスのことだ。
倫理観や罪悪感で気になる訳じゃない。
この世界をゲームと変わらないと思っている和馬にとってソレは薄い。
だが、彼の良く知るパターンでは、いずれアルフォンスが自身を破滅に
導く存在になり得ると危惧していた。
黒髪黒目の少年——鈴木和馬(かずま)が、白銀の鎧を纏い国民に向かって手を振っている。
背後には輝く装飾を施された盾と剣。左右には二人の美女が控えていた。
「これぞ真の勇者!」「我らが救世主!」
群衆の声援が天井のない円形闘技場(コロッセウム)に響き渡る。
三ヶ月前までは彼は日本の地方都市に住む高校生だった。
友人は少なく、ゲーム三昧の日々。将来の夢など語ったこともない普通の少年だった。
それが突然、魔王に対する救世主として、
帝国の召喚術により異世界に召喚され「勇者」と祭り上げられた。
困惑する暇もなく訓練させられ、今やこうして英雄の座に座らされている。
だが和馬の口元には不自然な笑みが浮かんでいた。
召喚当時は「なんで俺がこんな目に」と毎日のように嘆いていたのにだ。
しかも彼の隣に立つ二人の美女のひとりは、彼が召喚される前までは
王国騎士団長アルフォンスの婚約者だった金髪の美少女アリシアであった。
(魅了スキルなんて反則だろ……)
召喚時にお約束の様に得ていた、隠し特殊能力は驚くほど強力だった。
一度視線を合わせれば相手は魅了され、言いなりになる。最初は躊躇ったが、
すぐに利用価値に気づいた。
アリシアとの関係は周囲を驚愕させたが、彼自身は罪悪感を感じていなかった。
何故なら和馬の潜在願望がその能力を望んだからこそ得たチカラだったからだ。
ただ一つ気がかりなことがある。
それはアリシアの本来の婚約者アルフォンスのことだ。
倫理観や罪悪感で気になる訳じゃない。
この世界をゲームと変わらないと思っている和馬にとってソレは薄い。
だが、彼の良く知るパターンでは、いずれアルフォンスが自身を破滅に
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