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対峙する勇者カズマと魔獣王ヴェイン - カズマside(胸糞注意)
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西部戦線までの道中、一行は奇妙な光景を見せていた。
そこには戦いの緊張感など一切なかった。
「カズマさまぁ。疲れたから休憩しませんかぁ?」
アリシアが甘えた声を出す。
その胸元はわずかに開いていて和馬の視線を引きつける。
「ねぇ~~勇者さま? あまり気を抜かないでくださいよぉ~」
若いヒーラーの少女媚びるような口調で寄ってくる。
その足元はわざと開かれていた。
「うるせぇな……お前ら戦場に行くんだぞ」
言葉とは裏腹に和馬の口元はだらしなく弛んでいた。
戦場に向かうはずなのに和馬の周りはまるでデートのような雰囲気だった。
「まあいい。少し休むか」
「やったあ! 勇者さまぁ♡」
「もう疲れてませんよね?」
従者兵たちが呆れるのを尻目に一行は近くの林に入っていく。
「ちょっと待ってください、勇者様っ!」
「何だよ……うるさいなぁ。休ませてくれよ」
アリシアの腰に手を回しながら不快そうに振り返る。
その指先は彼女の太腿の付け根を這うように動き始めていた。
「戦場ですよ! しかも四天王との戦いです!」
「ああ~? それで? 俺は強いんだよ。あんな化け物なんかちょろいって」
「しかし……」
「もういいって言ってんだろ!!」
和馬は怒鳴り散らした。
側近騎士は渋々と引き下がるしかなかった。
「カズマさまぁ。私たちだけ見ててくださいねぇ?」
アリシアが唇を舐めながら上目遣いで見つめる。
その仕草に和馬は満足そうに頷いた。
「ああ……お前たちさえいれば十分なんだ。敵なんて全部ぶっとばしてやるからな」
従者兵たちは遠巻きにその様子を見て呆れていた。
「あんな奴が本当に勇者なのか?」
「女遊びばかりしてる連中にしか見えんぞ……」
「知らん。とにかく魔王を倒してくれればいいんだろう」
兵士達が陰口を叩くのを聞いて
アリシアとヒーラーはさらに媚び始めた。
「カズマさまぁ。敵なんかどうでもいいですよ。私で癒されて下さい!」
「勇者さまぁ。今晩は私と過ごしませんかぁ?」
----
彼ら一行の進軍は異様なものだった。
戦場へ向かうとは到底思えない和気藹々とした空気。
和馬を中心に輪になり、時折笑い声が響く。
まるでピクニックに行くような雰囲気だ。
「アリシアはぁ、カズマさまとずっと一緒に居たいです!」
「私もです! 勇者さまがいれば何も怖くない!」
アリシア達が盛り上がる。和馬は鼻の下を伸ばしながら頷いた。
「ふふん。当然だろう? 俺の周りにいれば安心だからな」
「でも……ヴェインって敵は強いんですかねぇ?」
ヒーラーの女の子が不安げに尋ねる。
「ええ。四本の腕を持つ魔獣らしいですな」
騎士団より派遣されている側近騎士が説明する。
(まぁでも……『魅了』が効かない以上、普通に戦うしかないな……)
和馬はため息をつく。しかしすぐに気を取り直した。
「まあとりあえずサクッと倒してくるから。それまで待ってて」
「はい! 勇者さまならきっと大丈夫ですよぉっ!」
従者兵たちが遠巻きにその様子を見ている。
「こんな調子で大丈夫なのか?」
「いやもうこれは……」
兵士達は小声で囁き合う。
一方、和馬達は全く気にする様子もなく楽しそうに雑談を続けていた。
---
「勇者殿っ! 見えてきました!」
側近騎士が叫ぶ。
その声に和馬はようやく顔を上げた。
西部戦線の陣地に到着したのだ。
無数のテントが並び多くの兵士たちが動き回っている。
「……ほう。思ったより活気があるじゃないか」
和馬は意外そうに周囲を見回した。
実際は負傷した多くの兵士たちの治療等でバタついているだけで、
決して活気と呼べる状況では無い。
だが、和馬にとっては現実感が希薄であり表情には余裕すらあった。
「これが最前線の戦場か……」
カズマはニヤリと笑った。
「まあいい。どうせ俺にかかれば勝てるだろうさ」
和馬の従者兵たちが不安そうな顔をする中、
「あら? カズマさまの言う通り案外普通ですねぇ?」
「本当です! 結構綺麗な陣地だと思います!」
と、和馬と同様に緊張感もなくはしゃぐアリシアたち。
本来のアリシアであれば戦場の過酷さは身に染みて知っている。
しかし和馬の魅了により捻じ曲げられた精神には、その記憶すら
無意味なものとなっていた。
「勇者様っ! ヴェインが待ってますっ 早く行きましょう!」
しびれを切らした従者兵たちが和馬に呼びかけるが、
「ちょっと待ってろ」
(ふん……男なんかに興味ねぇっての……)
和馬は舌打ちする。
「さてと……」
(とりあえずこの女共の面倒だけ見てればいいんだな)
和馬はアリシア達の肩を抱いた。
「お前らのことは守ってやるから安心しろよ?」
彼女達は嬉しそうに寄り添う。
和馬の視線はすでにヴェインではなく
アリシアたちの体の方へと向かっていた。
(ふふん……終わったら楽しむとするか)
---
「ヴェイン様! 勇者カズマ一行が到着いたしました!」
配下からの報告にヴェインは立ち上がった。
「ついに来たか……」
ヴェインの黒い影のような体からは雄々しいオーラが立ち昇る。
四本の腕には鋭い爪が光り輝いていた。
「ふん……噂通りの腑抜けた風情だな」
ヴェインの眼光は鋭く和馬を睨みつけている。
「だが……油断は禁物だ。奴は異世界の力を宿している」
目の前に立つ勇者は確かに若く、武人というよりもただの子供にしか見えない。
だがその身からは形容しがたい異様なオーラが滲み出ていた。
(これが異世界より招かれた勇者か……)
魔獣王としての血が騒ぐ。
対峙してみて初めて分かる事がある。これほどまでに不気味な存在だとは。
魔王様のためになんとしてもこの勇者を討ち取らねばならない。
ヴェインはゆっくりと四本の腕を掲げた。
「一騎打ちと言ったが……貴様の取り巻きも加わって構わぬぞ?」
影のような黒い毛皮が月明かりに映え、まるで闇そのものが形になったようだった。
四本の腕はそれぞれ異なる武器を握っていた。
「複数人で掛かってくるがいい。吾輩がまとめて相手にしてやろう」
挑発的な口調の中に冷徹な威厳が感じられる。眼光は鋭く勇者一行を射抜くようだった。
和馬は一瞬眉をひそめたが、すぐに余裕の表情を取り繕った。
「ははっ。僕は勇者なんだよ? 正々堂々……一騎打ちしようじゃないか?」
和馬の頭の中では打算が渦巻いていた。
"解放者"と"救済者"……おそらくアルフォンスとその仲間から奪われた、
民衆の人気を自分の手に取り戻す為にも一騎打ちで勝たねばならない。
そして、『勇者システム』で強化された自分なら問題ない。
(ここでコイツを倒しせば経験値ボーナスも大量に入るし美味しいしな)
(それに万が一……ヤバい事に成った時は……)
アリシアが不安そうに尋ねる。
「カズマさまぁ……でも危ないですよぉ」
彼女の甘えた声には、和馬こそが存在理由となった自身の依存しか無かった。
「大丈夫だって。俺が負けるわけないだろ」
自信たっぷりに答えながらも、アリシアに下卑た眼光を向ける和馬。
「そこで見てろよ。僕の強さをちゃんと証明してやる」
「わかりましたぁ、頑張ってくださいねっ カズマさまぁっ♡」
アリシアの瞳は完全に歪んでいた。
もはや彼女の判断基準は和馬の喜ぶ事のみになっている。
ヴェインはそんな和馬の背後のアリシア達を一瞥した後、
「そうか……ならば一人で来るがよい」
と低く呟いた。
四本の腕に握られた武器は静かに輝きを増していく。
魔獣王としての覚悟が全身に漲っていた。
「では……始めようか……」
そこには戦いの緊張感など一切なかった。
「カズマさまぁ。疲れたから休憩しませんかぁ?」
アリシアが甘えた声を出す。
その胸元はわずかに開いていて和馬の視線を引きつける。
「ねぇ~~勇者さま? あまり気を抜かないでくださいよぉ~」
若いヒーラーの少女媚びるような口調で寄ってくる。
その足元はわざと開かれていた。
「うるせぇな……お前ら戦場に行くんだぞ」
言葉とは裏腹に和馬の口元はだらしなく弛んでいた。
戦場に向かうはずなのに和馬の周りはまるでデートのような雰囲気だった。
「まあいい。少し休むか」
「やったあ! 勇者さまぁ♡」
「もう疲れてませんよね?」
従者兵たちが呆れるのを尻目に一行は近くの林に入っていく。
「ちょっと待ってください、勇者様っ!」
「何だよ……うるさいなぁ。休ませてくれよ」
アリシアの腰に手を回しながら不快そうに振り返る。
その指先は彼女の太腿の付け根を這うように動き始めていた。
「戦場ですよ! しかも四天王との戦いです!」
「ああ~? それで? 俺は強いんだよ。あんな化け物なんかちょろいって」
「しかし……」
「もういいって言ってんだろ!!」
和馬は怒鳴り散らした。
側近騎士は渋々と引き下がるしかなかった。
「カズマさまぁ。私たちだけ見ててくださいねぇ?」
アリシアが唇を舐めながら上目遣いで見つめる。
その仕草に和馬は満足そうに頷いた。
「ああ……お前たちさえいれば十分なんだ。敵なんて全部ぶっとばしてやるからな」
従者兵たちは遠巻きにその様子を見て呆れていた。
「あんな奴が本当に勇者なのか?」
「女遊びばかりしてる連中にしか見えんぞ……」
「知らん。とにかく魔王を倒してくれればいいんだろう」
兵士達が陰口を叩くのを聞いて
アリシアとヒーラーはさらに媚び始めた。
「カズマさまぁ。敵なんかどうでもいいですよ。私で癒されて下さい!」
「勇者さまぁ。今晩は私と過ごしませんかぁ?」
----
彼ら一行の進軍は異様なものだった。
戦場へ向かうとは到底思えない和気藹々とした空気。
和馬を中心に輪になり、時折笑い声が響く。
まるでピクニックに行くような雰囲気だ。
「アリシアはぁ、カズマさまとずっと一緒に居たいです!」
「私もです! 勇者さまがいれば何も怖くない!」
アリシア達が盛り上がる。和馬は鼻の下を伸ばしながら頷いた。
「ふふん。当然だろう? 俺の周りにいれば安心だからな」
「でも……ヴェインって敵は強いんですかねぇ?」
ヒーラーの女の子が不安げに尋ねる。
「ええ。四本の腕を持つ魔獣らしいですな」
騎士団より派遣されている側近騎士が説明する。
(まぁでも……『魅了』が効かない以上、普通に戦うしかないな……)
和馬はため息をつく。しかしすぐに気を取り直した。
「まあとりあえずサクッと倒してくるから。それまで待ってて」
「はい! 勇者さまならきっと大丈夫ですよぉっ!」
従者兵たちが遠巻きにその様子を見ている。
「こんな調子で大丈夫なのか?」
「いやもうこれは……」
兵士達は小声で囁き合う。
一方、和馬達は全く気にする様子もなく楽しそうに雑談を続けていた。
---
「勇者殿っ! 見えてきました!」
側近騎士が叫ぶ。
その声に和馬はようやく顔を上げた。
西部戦線の陣地に到着したのだ。
無数のテントが並び多くの兵士たちが動き回っている。
「……ほう。思ったより活気があるじゃないか」
和馬は意外そうに周囲を見回した。
実際は負傷した多くの兵士たちの治療等でバタついているだけで、
決して活気と呼べる状況では無い。
だが、和馬にとっては現実感が希薄であり表情には余裕すらあった。
「これが最前線の戦場か……」
カズマはニヤリと笑った。
「まあいい。どうせ俺にかかれば勝てるだろうさ」
和馬の従者兵たちが不安そうな顔をする中、
「あら? カズマさまの言う通り案外普通ですねぇ?」
「本当です! 結構綺麗な陣地だと思います!」
と、和馬と同様に緊張感もなくはしゃぐアリシアたち。
本来のアリシアであれば戦場の過酷さは身に染みて知っている。
しかし和馬の魅了により捻じ曲げられた精神には、その記憶すら
無意味なものとなっていた。
「勇者様っ! ヴェインが待ってますっ 早く行きましょう!」
しびれを切らした従者兵たちが和馬に呼びかけるが、
「ちょっと待ってろ」
(ふん……男なんかに興味ねぇっての……)
和馬は舌打ちする。
「さてと……」
(とりあえずこの女共の面倒だけ見てればいいんだな)
和馬はアリシア達の肩を抱いた。
「お前らのことは守ってやるから安心しろよ?」
彼女達は嬉しそうに寄り添う。
和馬の視線はすでにヴェインではなく
アリシアたちの体の方へと向かっていた。
(ふふん……終わったら楽しむとするか)
---
「ヴェイン様! 勇者カズマ一行が到着いたしました!」
配下からの報告にヴェインは立ち上がった。
「ついに来たか……」
ヴェインの黒い影のような体からは雄々しいオーラが立ち昇る。
四本の腕には鋭い爪が光り輝いていた。
「ふん……噂通りの腑抜けた風情だな」
ヴェインの眼光は鋭く和馬を睨みつけている。
「だが……油断は禁物だ。奴は異世界の力を宿している」
目の前に立つ勇者は確かに若く、武人というよりもただの子供にしか見えない。
だがその身からは形容しがたい異様なオーラが滲み出ていた。
(これが異世界より招かれた勇者か……)
魔獣王としての血が騒ぐ。
対峙してみて初めて分かる事がある。これほどまでに不気味な存在だとは。
魔王様のためになんとしてもこの勇者を討ち取らねばならない。
ヴェインはゆっくりと四本の腕を掲げた。
「一騎打ちと言ったが……貴様の取り巻きも加わって構わぬぞ?」
影のような黒い毛皮が月明かりに映え、まるで闇そのものが形になったようだった。
四本の腕はそれぞれ異なる武器を握っていた。
「複数人で掛かってくるがいい。吾輩がまとめて相手にしてやろう」
挑発的な口調の中に冷徹な威厳が感じられる。眼光は鋭く勇者一行を射抜くようだった。
和馬は一瞬眉をひそめたが、すぐに余裕の表情を取り繕った。
「ははっ。僕は勇者なんだよ? 正々堂々……一騎打ちしようじゃないか?」
和馬の頭の中では打算が渦巻いていた。
"解放者"と"救済者"……おそらくアルフォンスとその仲間から奪われた、
民衆の人気を自分の手に取り戻す為にも一騎打ちで勝たねばならない。
そして、『勇者システム』で強化された自分なら問題ない。
(ここでコイツを倒しせば経験値ボーナスも大量に入るし美味しいしな)
(それに万が一……ヤバい事に成った時は……)
アリシアが不安そうに尋ねる。
「カズマさまぁ……でも危ないですよぉ」
彼女の甘えた声には、和馬こそが存在理由となった自身の依存しか無かった。
「大丈夫だって。俺が負けるわけないだろ」
自信たっぷりに答えながらも、アリシアに下卑た眼光を向ける和馬。
「そこで見てろよ。僕の強さをちゃんと証明してやる」
「わかりましたぁ、頑張ってくださいねっ カズマさまぁっ♡」
アリシアの瞳は完全に歪んでいた。
もはや彼女の判断基準は和馬の喜ぶ事のみになっている。
ヴェインはそんな和馬の背後のアリシア達を一瞥した後、
「そうか……ならば一人で来るがよい」
と低く呟いた。
四本の腕に握られた武器は静かに輝きを増していく。
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