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第165話
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暫くすると、隠れるようにして樹に持たれかかっているシアクスを発見する。
「シアクス‼」
アンジュがシアクスに一気に駆け寄る。
「アンジュか? どうして?」
「ダンテから聞いて助けに来たのよ」
アンジュはダンテがジェイドと一緒に王都へ向かったことを伝えると、シアクスは安心したのか、気が緩んだように持たれていた樹に完全に体を預けた。
「ほら、これ飲んで」
アイテムバッグからポーションを取り出して、シアクスに飲ませる。
「リゼ、悪いけど周囲を見ていてくれる」
「はい」
アンジュはリゼに周囲の警戒を指示している間に、シアクスから体調を確認しながら、残っている月白兎の状況についてを出来るだけ詳細に聞いていた。
話を聞き終わったアンジュは暫く考えていた。
「ここからだと、王都に行くよりも馬車の方が近いわね。残っている仲間に回復魔法を掛けてもらった方がいいわね」
アンジュは考え抜いた末、自分の出した結論を口にする。
シアクスも怪我はしているが、度重なる戦闘で疲労困憊な状態になっているだけなので、回復すれば戦闘は可能だ。
王都から援軍が来るまでの間、少ない人数で野盗との戦闘になる。
ましてや、ダンテたちの行動が知られていたかによっては、王都からの援軍が来る前に一気に片を付けるかも知れない。
丁寧に自分の考えをリゼやシアクスに伝える。
「俺も、その方がいいと思うが、アンジュと……」
「彼女はリゼよ」
「リゼです。職業は盗賊です」
「盗賊か。俺と同じだな。それよりもお前たちは関係ないのに巻き込んだようで悪いな」
「そうね。ただ働きかも知れないけど、これを見逃したらアリスお姉様はもちろん、銀翼全員から攻められるに決まっているからね」
「ありがたい。本当に助かる」
シアクスは何度もアンジュに礼を言う。
その姿を見て、リゼから迷いが消える。
非道な振る舞いを目の当たりにしてきたことで、心の中でなにかが変わった気がしたからだ。
真面目に生活している人が暴力で屈してはならない。
昔の自分に、そして母親の姿が浮かんだ。
「それよりも聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」
「襲ってきた野盗だけど、装備が新し過ぎるのよね。それに――」
この森付近で襲撃を繰り返していたのであれば、王都に情報が入っているはずだ。
当然、討伐なども視野に入れての対策をしていてもいい。
アンジュの記憶では最近、そういった情報は耳にしていない。
仮に流れの野盗だとしても、冒険者ギルドや商業ギルドが把握していない訳がない。
そして、装備が新し過ぎる。まるで急遽、揃えたかのようだ。
「それに、共通の模様? 紋章のようなネックレスをしているのよ」
アンジュはアイテムボックスから、そのネックレスを取り出してシアクスに見せる。
「……悪い。そこまで気が付かなかったし、思い付くこともない……いや、ちょっと待て。もう少し見せてくれるか?」
「どうぞ」
アンジュはシアクスにネックレスを渡す。
「これって、逆さにすると”フォークオリア法国”の国章に似ていないか?」
シアクスに言われて、アンジュが確認する。
「言われてみれば、似ていると言えば似ている気もするけど……」
フォークオリア法国とは、クオリア法王が統治している国でエルガレム王国の隣国だ。
クオリア法王は代々引き継がれる名前になる。
魔法に特化した国で他の国から魔法研究に来る者も多い。
スクロールやアイテムバックなどを開発したのもフォークオリア法国だ。
今も制作方法は国家機密で国外不出のため、製造も全てフォークオリアになる。
アイテムバッグを製作するため、多くの革職人などもフォークオリアに滞在している。
アイテムバッグに合わせた装備を製作するため、多くの商人が往来している。
国として潤っていることもあり、道なども整備されて過ごしやすい国だ。
フォークオリアの冒険者の多くは護衛任務が多いことも、商業に特化している国の特徴だ。
「でも、どうしてフォークオリア法国が野盗に偽装してまで襲ってくるのよ」
「それは分からないが、依頼主が仕入れた商品が関係しているのかも知れないな」
「確かにそうね。その辺も依頼主に聞くしかないわね」
「あぁ、俺たちは契約上関与出来ないから、聞くならアンジュに頼むしか無いな」
「構わないわよ。依頼主も死ぬよりはマシでしょうから」
しっかり話す受け答えするアンジュの横で、リゼは何も言えないことに悔しい気持ちがあった。
これまでのアンジュの行動に洞察力。だてに銀翼のメンバーではない。
クウガが自分を力不足と言ったのは、単純に戦う能力ではなく、こういった能力も含めて力不足と言ったのだろうと、考えを改めた。
――――――――――――――――――――
■リゼの能力値
『体力:三十五』
『魔力:十八』
『力:二十二』
『防御:二十』
『魔法力:十一』
『魔力耐性:十六』
『敏捷:八十四』
『回避:四十三』
『魅力:十七』
『運:四十三』
『万能能力値:零』
■メインクエスト
・王都にある三星飲食店で十回食事をする。一店一回。期限:十二日
・報酬:魅力(二増加)、運(二増加)
「シアクス‼」
アンジュがシアクスに一気に駆け寄る。
「アンジュか? どうして?」
「ダンテから聞いて助けに来たのよ」
アンジュはダンテがジェイドと一緒に王都へ向かったことを伝えると、シアクスは安心したのか、気が緩んだように持たれていた樹に完全に体を預けた。
「ほら、これ飲んで」
アイテムバッグからポーションを取り出して、シアクスに飲ませる。
「リゼ、悪いけど周囲を見ていてくれる」
「はい」
アンジュはリゼに周囲の警戒を指示している間に、シアクスから体調を確認しながら、残っている月白兎の状況についてを出来るだけ詳細に聞いていた。
話を聞き終わったアンジュは暫く考えていた。
「ここからだと、王都に行くよりも馬車の方が近いわね。残っている仲間に回復魔法を掛けてもらった方がいいわね」
アンジュは考え抜いた末、自分の出した結論を口にする。
シアクスも怪我はしているが、度重なる戦闘で疲労困憊な状態になっているだけなので、回復すれば戦闘は可能だ。
王都から援軍が来るまでの間、少ない人数で野盗との戦闘になる。
ましてや、ダンテたちの行動が知られていたかによっては、王都からの援軍が来る前に一気に片を付けるかも知れない。
丁寧に自分の考えをリゼやシアクスに伝える。
「俺も、その方がいいと思うが、アンジュと……」
「彼女はリゼよ」
「リゼです。職業は盗賊です」
「盗賊か。俺と同じだな。それよりもお前たちは関係ないのに巻き込んだようで悪いな」
「そうね。ただ働きかも知れないけど、これを見逃したらアリスお姉様はもちろん、銀翼全員から攻められるに決まっているからね」
「ありがたい。本当に助かる」
シアクスは何度もアンジュに礼を言う。
その姿を見て、リゼから迷いが消える。
非道な振る舞いを目の当たりにしてきたことで、心の中でなにかが変わった気がしたからだ。
真面目に生活している人が暴力で屈してはならない。
昔の自分に、そして母親の姿が浮かんだ。
「それよりも聞きたいことがあるんだけど」
「なんだ?」
「襲ってきた野盗だけど、装備が新し過ぎるのよね。それに――」
この森付近で襲撃を繰り返していたのであれば、王都に情報が入っているはずだ。
当然、討伐なども視野に入れての対策をしていてもいい。
アンジュの記憶では最近、そういった情報は耳にしていない。
仮に流れの野盗だとしても、冒険者ギルドや商業ギルドが把握していない訳がない。
そして、装備が新し過ぎる。まるで急遽、揃えたかのようだ。
「それに、共通の模様? 紋章のようなネックレスをしているのよ」
アンジュはアイテムボックスから、そのネックレスを取り出してシアクスに見せる。
「……悪い。そこまで気が付かなかったし、思い付くこともない……いや、ちょっと待て。もう少し見せてくれるか?」
「どうぞ」
アンジュはシアクスにネックレスを渡す。
「これって、逆さにすると”フォークオリア法国”の国章に似ていないか?」
シアクスに言われて、アンジュが確認する。
「言われてみれば、似ていると言えば似ている気もするけど……」
フォークオリア法国とは、クオリア法王が統治している国でエルガレム王国の隣国だ。
クオリア法王は代々引き継がれる名前になる。
魔法に特化した国で他の国から魔法研究に来る者も多い。
スクロールやアイテムバックなどを開発したのもフォークオリア法国だ。
今も制作方法は国家機密で国外不出のため、製造も全てフォークオリアになる。
アイテムバッグを製作するため、多くの革職人などもフォークオリアに滞在している。
アイテムバッグに合わせた装備を製作するため、多くの商人が往来している。
国として潤っていることもあり、道なども整備されて過ごしやすい国だ。
フォークオリアの冒険者の多くは護衛任務が多いことも、商業に特化している国の特徴だ。
「でも、どうしてフォークオリア法国が野盗に偽装してまで襲ってくるのよ」
「それは分からないが、依頼主が仕入れた商品が関係しているのかも知れないな」
「確かにそうね。その辺も依頼主に聞くしかないわね」
「あぁ、俺たちは契約上関与出来ないから、聞くならアンジュに頼むしか無いな」
「構わないわよ。依頼主も死ぬよりはマシでしょうから」
しっかり話す受け答えするアンジュの横で、リゼは何も言えないことに悔しい気持ちがあった。
これまでのアンジュの行動に洞察力。だてに銀翼のメンバーではない。
クウガが自分を力不足と言ったのは、単純に戦う能力ではなく、こういった能力も含めて力不足と言ったのだろうと、考えを改めた。
――――――――――――――――――――
■リゼの能力値
『体力:三十五』
『魔力:十八』
『力:二十二』
『防御:二十』
『魔法力:十一』
『魔力耐性:十六』
『敏捷:八十四』
『回避:四十三』
『魅力:十七』
『運:四十三』
『万能能力値:零』
■メインクエスト
・王都にある三星飲食店で十回食事をする。一店一回。期限:十二日
・報酬:魅力(二増加)、運(二増加)
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