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第284話
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ラバン到着と同時にメインクエストを達成する。
リゾラックの裏切りで人数の謎も解けていたし、騎士団の護衛もありラバンまでの道のりは順調だった。
馬車が止まったので、下車してマトラたちと礼を言って別れようとすると、騎士から呼び止められた。
ララァを護衛してくれたことに対して、国主への報告が必要だと言われ、国主がバビロニアから戻るまでの間、数日間だけラバンに滞在するように頼まれた。
宿は騎士団が手配してくれるとのことで、宿代も無料ということらしい。
断ることは出来ないことは分かっていた。
言われた通りに暫くはラバンに滞在すると答える。
「私が案内しましょう」
マトラが町の案内役を名乗り出てくれた。
知らない騎士よりも多少なりとも同じ時間を過ごした自分の方が良いと、マトラが気遣ってくれた。
「有難う御座います」
礼を言われたマトラは笑顔で応えると、三人を案内して宿屋へと向かう。
案内の最中にマトラは、「ここの飯は安くて美味い」や、「ここが武具店で、あっちがブックなども扱っている道具店」だと親切に教えてくれた。
シャルルが町で一番多く魔法を扱っている店を聞くと即答で店を教えてくれた。
道具も値段にバラつきがあるが、安いものは偽物もあるので気を付けるように忠告された。
「周辺の地図が売っている場所はありますか?」
「地図か……騎士団が使用している地図で良ければ、宿屋に近い道具屋が扱っている。騎士団に入団する者は必ず購入するから、それなりに安く購入できます」
「有難う御座います」
その後、レティオールもアイテムバッグの品揃えが豊富な道具店を教えてもらう。
バビロニアよりは安価で手に入るが、それなりの価格らしい。
騎士団に案内されるリゼたちを、町行く人たちは好奇の目で見ていた。
「こちらです」
案内された宿には“ヴィッカーズの酒場”と書かれている。
(酒場?)
宿屋が酒場と兼用していることが多い。
ただ、今まで屋号を酒場と表記している宿屋は知らない。
自分が無知なだけなのかと思いながら、リゼはレティオールとシャルルを見ると、同じような反応をしていたので、少しだけ安心する。
「ここは、元ランクAの冒険者だったヴィッカーズが経営する宿屋です。それなりに荒くれ者が来るので、退屈はしないかも知れません」
「はぁ、そうですか」
荒くれ者が来ると言われても、面倒でしかないと思いながら、促されるように宿屋に入る。
昼にも関わらず、宿屋では酒の匂いがする。
酒場と書かれているから酒臭いには当たり前なのかも知れないが……。
中ではすでに何人かは酔っぱらっている。
マトラがカウンターにいる大男と話をしていた。
一目で彼が、ここの主人ヴィッカーズなのだと分かった。
フロアにいる二人は忙しそうに注文を聞いたり、酒や食事を運んでいる。
ヴィッカーズはマトラの話をしながらも、リゼが気になるのか何度も視線が重なる。
警戒されているのだと思いながら、マトラとの話が終わるのを待っていると、手招きされたので、マトラたちの所へと行く。
「話は終わりましたので、あとはヴィッカーズの言うとおりにして下さい」
マトラがヴィッカーズとの交渉を終えたことを報告する。
「リゼと言ったか? お前さんは、パセキ村の出身なのか?」
いきなりヴィッカーズはリゼの容姿を見て尋ねてきた。
最近、同じような質問が多いのは、パセキの村に近いからだと思いながらも、いつもの回答をする。
「いいえ、違います」
「そうか。部屋は三階だ。部屋の扉に部屋番号が書いてある。この鍵と同じ三部屋を使ってくれ」
カウンターの上に三つの鍵を置いた。
「悪いが、リゼにはこの後、会って欲しい人物がいるんだがいいか?」
「はい、構いませんが……」
この町に知り合いなどはいない。
初対面のヴィッカーズからの申し出に不安を感じながらも了承する。
マトラは「明日の朝に連絡する」と、言い残して去って行った。
レティオールとシャルルの二人には先に部屋で休んでもらおうとするが、二人ともすぐに町を散策したいらしいので、今日は別行動にする。
リゼも町の散策はしたいが、ヴィッカーズの用事がいつ終わるか分からない状態で二人を待たせるのは悪いと思ったからだ。
自分の夕食をお願いして、夜にリゼの部屋に集まることにした。
「疲れているのに悪いな」
「いいえ、構いません。それよりも会って欲しい人っていうのは?」
「俺のかみさんだ。リゼと同じ……容姿をしているが、パセキ村の出身だ。もしかしたら、知り合いの情報が入手できるかとも思ってな」
ヴィッカーズの言葉に、リゼの鼓動が少しだけ早くなった。
母親と同じ村の出身者に会えるという驚きと、自分の知らない母親の過去が聞ける喜びと不安……。
「奥にある俺の住居にいるから、着いてきてくれ」
「はい」
ヴィッカーズはフロアで忙しく動き回る二人に、少しだけいなくなることを告げるとリゼと宿屋の奥にある住居に向かう。
扉を開けると、生活感漂う空間が目に入る。
「ロゼッタ! ロゼッタ、いるか?」
名前を叫ぶヴィッカーズに、奥の方から女性が返事をする。
「なんですか、いきなり大声を――」
奥から笑顔で現れたロゼッタだったが、リゼの姿を見ると言葉を失っていた。
リゼも母親以外で初めて、自分と同じ髪の人に出会ったことで、ロゼッタに見とれていた。
「彼女はリゼと言う冒険者だ。もしかしたら、お前の探していた人の情報が得られるかもと思い連れてきた」
「そう……リゼさん、あなたのお母様の名前を教えてくれるかしら?」
「はい、リアンナと言います」
母親の名前を言うと、ロゼッタの目が大きく開いてリゼに近付く。
「リアンナは……お母様はお元気ですか⁈」
「母は私が小さい頃に亡くなりました」
リゼの言葉を聞き、呆然とするロゼッタ。
ヴィッカーズがロゼッタに寄り添い「大丈夫か?」と声を掛ける。
「ありがとう、大丈夫よ。リゼさん、お母さま以外に私たちと同じような容姿の人と暮らしていましたか?」
「いいえ、母以外に同じ容姿の人と出会ったのは、ロゼッタさんが初めてです」
「そうですか……」
「あの、母とは知り合いだったのでしょうか?」
「えぇ、あなたのお母様リアンナとは幼い頃から、よく遊んだわよ。親友? と私は思っているわね」
「母のことを……母の昔のことを教えて頂けませんでしょうか?」
「それは構わないけど……あなたにとって辛い話になるかもしれなけど、いいかしら?」
「はい、構いません」
リゼの確固たる意志が伝わる眼差しを感じたロゼッタ。
「長い話になるので、座りましょうか? ヴィッカーズ、申し訳ないけど、飲み物を用意して下さるかしら」
「あぁ、用意する」
「ありがとう」
ロゼッタはリゼを椅子に座らせると、対面の椅子に自分は座り、リゼの目を見ながら話し始めた。
――――――――――――――――――――
■リゼの能力値
『体力:四十六』
『魔力:三十三』
『力:三十』(二増加)
『防御:二十』
『魔法力:二十六』
『魔力耐性:十三』
『敏捷:百八』
『回避:五十六』
『魅力:二十五』(一増加)
『運:五十八』
『万能能力値:二十四』
■メインクエスト
■サブクエスト
■シークレットクエスト
・ヴェルべ村で村民誰かの願いを一つ叶える。期限:五年
・報酬:万能能力値(五増加)
リゾラックの裏切りで人数の謎も解けていたし、騎士団の護衛もありラバンまでの道のりは順調だった。
馬車が止まったので、下車してマトラたちと礼を言って別れようとすると、騎士から呼び止められた。
ララァを護衛してくれたことに対して、国主への報告が必要だと言われ、国主がバビロニアから戻るまでの間、数日間だけラバンに滞在するように頼まれた。
宿は騎士団が手配してくれるとのことで、宿代も無料ということらしい。
断ることは出来ないことは分かっていた。
言われた通りに暫くはラバンに滞在すると答える。
「私が案内しましょう」
マトラが町の案内役を名乗り出てくれた。
知らない騎士よりも多少なりとも同じ時間を過ごした自分の方が良いと、マトラが気遣ってくれた。
「有難う御座います」
礼を言われたマトラは笑顔で応えると、三人を案内して宿屋へと向かう。
案内の最中にマトラは、「ここの飯は安くて美味い」や、「ここが武具店で、あっちがブックなども扱っている道具店」だと親切に教えてくれた。
シャルルが町で一番多く魔法を扱っている店を聞くと即答で店を教えてくれた。
道具も値段にバラつきがあるが、安いものは偽物もあるので気を付けるように忠告された。
「周辺の地図が売っている場所はありますか?」
「地図か……騎士団が使用している地図で良ければ、宿屋に近い道具屋が扱っている。騎士団に入団する者は必ず購入するから、それなりに安く購入できます」
「有難う御座います」
その後、レティオールもアイテムバッグの品揃えが豊富な道具店を教えてもらう。
バビロニアよりは安価で手に入るが、それなりの価格らしい。
騎士団に案内されるリゼたちを、町行く人たちは好奇の目で見ていた。
「こちらです」
案内された宿には“ヴィッカーズの酒場”と書かれている。
(酒場?)
宿屋が酒場と兼用していることが多い。
ただ、今まで屋号を酒場と表記している宿屋は知らない。
自分が無知なだけなのかと思いながら、リゼはレティオールとシャルルを見ると、同じような反応をしていたので、少しだけ安心する。
「ここは、元ランクAの冒険者だったヴィッカーズが経営する宿屋です。それなりに荒くれ者が来るので、退屈はしないかも知れません」
「はぁ、そうですか」
荒くれ者が来ると言われても、面倒でしかないと思いながら、促されるように宿屋に入る。
昼にも関わらず、宿屋では酒の匂いがする。
酒場と書かれているから酒臭いには当たり前なのかも知れないが……。
中ではすでに何人かは酔っぱらっている。
マトラがカウンターにいる大男と話をしていた。
一目で彼が、ここの主人ヴィッカーズなのだと分かった。
フロアにいる二人は忙しそうに注文を聞いたり、酒や食事を運んでいる。
ヴィッカーズはマトラの話をしながらも、リゼが気になるのか何度も視線が重なる。
警戒されているのだと思いながら、マトラとの話が終わるのを待っていると、手招きされたので、マトラたちの所へと行く。
「話は終わりましたので、あとはヴィッカーズの言うとおりにして下さい」
マトラがヴィッカーズとの交渉を終えたことを報告する。
「リゼと言ったか? お前さんは、パセキ村の出身なのか?」
いきなりヴィッカーズはリゼの容姿を見て尋ねてきた。
最近、同じような質問が多いのは、パセキの村に近いからだと思いながらも、いつもの回答をする。
「いいえ、違います」
「そうか。部屋は三階だ。部屋の扉に部屋番号が書いてある。この鍵と同じ三部屋を使ってくれ」
カウンターの上に三つの鍵を置いた。
「悪いが、リゼにはこの後、会って欲しい人物がいるんだがいいか?」
「はい、構いませんが……」
この町に知り合いなどはいない。
初対面のヴィッカーズからの申し出に不安を感じながらも了承する。
マトラは「明日の朝に連絡する」と、言い残して去って行った。
レティオールとシャルルの二人には先に部屋で休んでもらおうとするが、二人ともすぐに町を散策したいらしいので、今日は別行動にする。
リゼも町の散策はしたいが、ヴィッカーズの用事がいつ終わるか分からない状態で二人を待たせるのは悪いと思ったからだ。
自分の夕食をお願いして、夜にリゼの部屋に集まることにした。
「疲れているのに悪いな」
「いいえ、構いません。それよりも会って欲しい人っていうのは?」
「俺のかみさんだ。リゼと同じ……容姿をしているが、パセキ村の出身だ。もしかしたら、知り合いの情報が入手できるかとも思ってな」
ヴィッカーズの言葉に、リゼの鼓動が少しだけ早くなった。
母親と同じ村の出身者に会えるという驚きと、自分の知らない母親の過去が聞ける喜びと不安……。
「奥にある俺の住居にいるから、着いてきてくれ」
「はい」
ヴィッカーズはフロアで忙しく動き回る二人に、少しだけいなくなることを告げるとリゼと宿屋の奥にある住居に向かう。
扉を開けると、生活感漂う空間が目に入る。
「ロゼッタ! ロゼッタ、いるか?」
名前を叫ぶヴィッカーズに、奥の方から女性が返事をする。
「なんですか、いきなり大声を――」
奥から笑顔で現れたロゼッタだったが、リゼの姿を見ると言葉を失っていた。
リゼも母親以外で初めて、自分と同じ髪の人に出会ったことで、ロゼッタに見とれていた。
「彼女はリゼと言う冒険者だ。もしかしたら、お前の探していた人の情報が得られるかもと思い連れてきた」
「そう……リゼさん、あなたのお母様の名前を教えてくれるかしら?」
「はい、リアンナと言います」
母親の名前を言うと、ロゼッタの目が大きく開いてリゼに近付く。
「リアンナは……お母様はお元気ですか⁈」
「母は私が小さい頃に亡くなりました」
リゼの言葉を聞き、呆然とするロゼッタ。
ヴィッカーズがロゼッタに寄り添い「大丈夫か?」と声を掛ける。
「ありがとう、大丈夫よ。リゼさん、お母さま以外に私たちと同じような容姿の人と暮らしていましたか?」
「いいえ、母以外に同じ容姿の人と出会ったのは、ロゼッタさんが初めてです」
「そうですか……」
「あの、母とは知り合いだったのでしょうか?」
「えぇ、あなたのお母様リアンナとは幼い頃から、よく遊んだわよ。親友? と私は思っているわね」
「母のことを……母の昔のことを教えて頂けませんでしょうか?」
「それは構わないけど……あなたにとって辛い話になるかもしれなけど、いいかしら?」
「はい、構いません」
リゼの確固たる意志が伝わる眼差しを感じたロゼッタ。
「長い話になるので、座りましょうか? ヴィッカーズ、申し訳ないけど、飲み物を用意して下さるかしら」
「あぁ、用意する」
「ありがとう」
ロゼッタはリゼを椅子に座らせると、対面の椅子に自分は座り、リゼの目を見ながら話し始めた。
――――――――――――――――――――
■リゼの能力値
『体力:四十六』
『魔力:三十三』
『力:三十』(二増加)
『防御:二十』
『魔法力:二十六』
『魔力耐性:十三』
『敏捷:百八』
『回避:五十六』
『魅力:二十五』(一増加)
『運:五十八』
『万能能力値:二十四』
■メインクエスト
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