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Summer Camp
第42投
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先攻 光栄大学
一番センター 新庄
二番セカンド 安城
三番ショート 佐藤
四番キャッチャー 早乙女
五番レフト 織部
六番サード 鈴木
七番DH 楠田
八番ファースト 立花
九番ライト 堀越
ピッチャー 泉
後攻 玄武大学 Bチーム
一番ショート 生島(月)
二番セカンド 生島(陽)
三番レフト 瀬戸
四番DH 久井田
五番サード 野路原
六番センター 盛岡
七番ライト 後藤
八番ファースト 野口
九番キャッチャー 横溝
ピッチャー 塩崎
先頭バッターの詩音はバットをゆっくりと構え、相手ピッチャーに呼吸を合わせた。サインが決まるとサイドハンド気味のフォームから角度をつけて投げ込んでくる。インコース厳しいボールを詩音はうまく腕をたたんで引っ張った。打球は快音を残しライト前に落ちる。
「よし、一気にいくわ」
菜穂はさっそくあんこにバントのサインを出すとこれをあんこはしっかりと決め、セオリー通りワンアウト。二塁の形をつくった。
得点圏打率が高いソヒィーに打順が回る。ピッチャーは、インコースを中心に攻めて詰まらせる配球を組んできた。
「アチョー!」
ソヒィーは詰まりながらもバットを振り抜いた。
打球はピッチャーの股間を抜けセンター前へ。
『ドウシテオイツケルヨ!?』
ソヒィーが驚いたのも無理はない。定位置に守っていたセカンドの生島(陽)は回り込んで逆シングルキャッチでボールを掴んだ。
「あとは頼んださ!」
生島(陽)はショートの位置を確認するとノールックでセカンドベース付近にトスをする。そこに合わせるように生島(月)は、走り込んでボールを捕り軽くステップを踏んでファーストに送球。流れるようにソヒィーをアウトにした。
「あのくらい……一人でアウトにしろ」
「わかってないなぁ、月子は野球はエンターテイメント! だよ」
おちゃらけながら二遊間の双子のプレーは久留実たちを震撼させたがとうの本人たちは、何事もなかったように守備位置に戻っていく。
「あれが先輩たちの必殺技絶対領域です。二遊間にゴロを打ったらまずヒットになりません」
あんこがいつになく真面目に話すものだから、上級生たちも二遊間の実力は本物だと確信する。
「希さん、ブルペン付き合ってください」
久留実はベンチを出て軽めのキャッチボールを始めた。特に登板する予定はないが、体を動かしていないと落ち着かなかった。
打席では四番の真咲があっという間に追い込まれていた。ツーアウトながらランナーを三塁に置いているが、全くチャンスに感じない。相手ピッチャーはランナーがホームに近いベースにいるほど球威は増していき変化球も冴えわたる。
ピンチになると能力が上がったり、意識的に力を開放することをピッチャーの間ではギアチェンジと呼んでいる。もしこのピッチャーがギアチェンジ型のピッチャーなら点を奪うことは容易ではない。
ストライクアウト!
最後はフォークボールで仕留められた真咲は急いでベンチに戻りプロテクターをつけていた。それは玄武大学のナインがチェンジになった瞬間、一目散にベンチに戻り、各々バットを振ったり、準備をしていたからだ。
泉が五球ほど投球練習を終えたとき真咲は、サポートキャッチャーの翔子と交代して残りの投球を受けた。
このスピード感も玄武大学の強さなら創世大学を倒したことは納得できる。
久留実は深呼吸をしてブルペンのマウンドにたった。
一番センター 新庄
二番セカンド 安城
三番ショート 佐藤
四番キャッチャー 早乙女
五番レフト 織部
六番サード 鈴木
七番DH 楠田
八番ファースト 立花
九番ライト 堀越
ピッチャー 泉
後攻 玄武大学 Bチーム
一番ショート 生島(月)
二番セカンド 生島(陽)
三番レフト 瀬戸
四番DH 久井田
五番サード 野路原
六番センター 盛岡
七番ライト 後藤
八番ファースト 野口
九番キャッチャー 横溝
ピッチャー 塩崎
先頭バッターの詩音はバットをゆっくりと構え、相手ピッチャーに呼吸を合わせた。サインが決まるとサイドハンド気味のフォームから角度をつけて投げ込んでくる。インコース厳しいボールを詩音はうまく腕をたたんで引っ張った。打球は快音を残しライト前に落ちる。
「よし、一気にいくわ」
菜穂はさっそくあんこにバントのサインを出すとこれをあんこはしっかりと決め、セオリー通りワンアウト。二塁の形をつくった。
得点圏打率が高いソヒィーに打順が回る。ピッチャーは、インコースを中心に攻めて詰まらせる配球を組んできた。
「アチョー!」
ソヒィーは詰まりながらもバットを振り抜いた。
打球はピッチャーの股間を抜けセンター前へ。
『ドウシテオイツケルヨ!?』
ソヒィーが驚いたのも無理はない。定位置に守っていたセカンドの生島(陽)は回り込んで逆シングルキャッチでボールを掴んだ。
「あとは頼んださ!」
生島(陽)はショートの位置を確認するとノールックでセカンドベース付近にトスをする。そこに合わせるように生島(月)は、走り込んでボールを捕り軽くステップを踏んでファーストに送球。流れるようにソヒィーをアウトにした。
「あのくらい……一人でアウトにしろ」
「わかってないなぁ、月子は野球はエンターテイメント! だよ」
おちゃらけながら二遊間の双子のプレーは久留実たちを震撼させたがとうの本人たちは、何事もなかったように守備位置に戻っていく。
「あれが先輩たちの必殺技絶対領域です。二遊間にゴロを打ったらまずヒットになりません」
あんこがいつになく真面目に話すものだから、上級生たちも二遊間の実力は本物だと確信する。
「希さん、ブルペン付き合ってください」
久留実はベンチを出て軽めのキャッチボールを始めた。特に登板する予定はないが、体を動かしていないと落ち着かなかった。
打席では四番の真咲があっという間に追い込まれていた。ツーアウトながらランナーを三塁に置いているが、全くチャンスに感じない。相手ピッチャーはランナーがホームに近いベースにいるほど球威は増していき変化球も冴えわたる。
ピンチになると能力が上がったり、意識的に力を開放することをピッチャーの間ではギアチェンジと呼んでいる。もしこのピッチャーがギアチェンジ型のピッチャーなら点を奪うことは容易ではない。
ストライクアウト!
最後はフォークボールで仕留められた真咲は急いでベンチに戻りプロテクターをつけていた。それは玄武大学のナインがチェンジになった瞬間、一目散にベンチに戻り、各々バットを振ったり、準備をしていたからだ。
泉が五球ほど投球練習を終えたとき真咲は、サポートキャッチャーの翔子と交代して残りの投球を受けた。
このスピード感も玄武大学の強さなら創世大学を倒したことは納得できる。
久留実は深呼吸をしてブルペンのマウンドにたった。
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