上 下
2 / 2

夢の中で

しおりを挟む






『んっ、ぁ…♡』

甘い声音が鼓膜を揺らす。はしたなくも甘えるような喘ぎ声。夢現の中、また日向に抱かれている夢か、と内心呟いた。

現実では絶対有り得ないのに、いつの頃からか親友である日向に犯される夢を見る。

どちゅ、どちゅっ、
ぱんぱんぱんっ、

熱くて大きい楔をアナルに埋め込まれ、抽挿を繰り返す。奥へと入っては浅い所まで肉棒を引き、また奥へと入れられて…。

ただの排泄する場所が今では性感帯へと変わった。


硬さを増し、大きくなったソレが1番良い場所を擦る。

『ンッ…♡ぁっ、あっ、…んっ♡』
びくり、と身体が跳ねるも繋がった場所が離れる事はなく、寧ろ逃げてを防ぐ様にして日向が俺の腰を両手で支えていた。

結合部はきっと丸見えで、
日向に尻を向けたまま何度も奥を穿たれる。

ギッシギッシと鳴るベッドのスプリング。その度に肉と肉がぶつかる音が部屋に響いた。

『ぁっ、あっ、ぁ"…♡♡♡♡』

ゾクゾクとした感覚が身体を走り抜け、そのまま熱を出す様にして俺のペニスが…



精液を吐き出した。

あまりの気持ちよさに、びくびくと痙攣する身体。秘部に埋め込まれた肉棒すらもきゅっ、と締め付けて何度目かの射精を促してしまう。

熱くて大きくて硬い日向のペニス、

ソレが俺のナカに入っていると思うだけで、頭がくらくらしてしまう。こんなこと…許されないのに、


俺たちは親友で男同士で、
なのに何度も愛し合っている。でもそれは現実ではなく俺自身が生み出した夢だから、

だから…、



夢でだけは日向と愛し合ったって良いよね。

どうせ叶わない恋だから。
























ぐったりとうつ伏せで眠る美央。
美央のアナルに埋め込んでいたペニスを外に出そうとすれば、それを拒否するかのように中の肉が収縮し陰部を甘く締め付けた。

「…っ、……美央。俺だけの美央」

背中を向けてすよすよと眠る愛しい子。何度か中出ししてしまったせいか、尻からはたらたらと蜜が溢れてシーツを濡らした。


初めて美央の身体を開いた日。

俺は次の朝、美央と顔を合わせるのが怖かった。眠っていた美央を抱いたこと。勿論許可なんて取らずに美央の初めてを奪ったから。

だから俺という存在を拒否されてもおかしくは無かった。


行為中に目を覚ましたから、きっと俺を責めるだろう。

そう思っていた。

俺たちの関係が壊れるかもしれない。

もしかしたら俺たちの関係がいい方に変わるかもしれない、







色んな感情が混ざり。混ざっては消えた。

そして、迎えた次の朝。

繋がったこと自体が無かったことにされていた。美央はあの日、俺と愛し合って。俺を見て「好き」だと零したことを…

夢だと思い込み、


あの出来事を否定した。






















【完】
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

最愛の人がいるのでさようなら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:6,256pt お気に入り:667

痴漢されちゃう系男子

BL / 連載中 24h.ポイント:404pt お気に入り:137

あなたと過ごす未来の話

恋愛 / 完結 24h.ポイント:220pt お気に入り:26

カレーが食べたいだけなのに!

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:12

星の記憶 2nd season

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:120pt お気に入り:2

兄が欲しかった弟の話

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:108

【BL】できそこないΩは先祖返りαに愛されたい

BL / 完結 24h.ポイント:198pt お気に入り:565

学校の人気者は陰キャくんが大好き 

BL / 連載中 24h.ポイント:1,313pt お気に入り:29

処理中です...