レジェンドオーブ・ロード~物語に憧れて最強への道を歩み始めるオレは、魔王達の根源たる最魔の元凶を滅ぼし全ての異世界を平和へと導きます~

丹波 新

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第五章 絆をはぐくんだ三人はいざ戦いへ

第227話 起こされた問題

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 オーイワ城下町。
 夜のオーイワの空に魔物たちの声がうなりを上げる。
 外に出ようとするスワンだが周りを固められその隙が見つからなかった。
 バカデカテの魔物の統率は完璧と言っていい。

『『『オオオオオオオオオオオオオオオオオ』』』

 スワンは水をサーフボードの形にしながら移動する。

「――――――!?」

 その眼前にとうとうバカデカテが姿を現した。彼奴は魔物に掴まれて空を飛んでいた。

(バカデカテ!?)

 内心焦るスワンだったが、

 二本の腕を伸ばすバカデカテに対してサッサッと華麗に避けていくスワン、そして距離を詰めて通り過ぎて行った。

「アメアラレ隊!!」

 バカデカテがそう呼ぶと、小さな魔物たちがスワンの前に立ちふさがった。サイズにして豆くらい。

『『『了解です』』』

 100匹以上の豆サイズの魔物が襲い掛かろうとしていた。

「――――うあああああああああああああああああああああああああ!?」

 ドババババババババババババババババババババと全身でそのアメアラレ隊の突撃を受けていくスワン。

「減速した!!」「今だ!!」

 背後から追ってきた魔物に、

「――くっ水霊の手!!」

 乗っていたサーフボードを四本指の手の形に変え魔物たちへと攻撃した。

「うあああ!!」「わあああ!!」

 魔物たちを払うとまた元のサーフボードの形に水を変えた。

「厄介な、だが水の量は減少した。問題ではない」

「――――くっ、力を使いすぎた!」

(そもそも水雲鳥を長時間使ったから積極的に攻撃できない)
(とにかく逃げる事だけを――――)

 その時スワンの乗っていた水のサーフボードがはじけた。

「――――ひゃっ!?」
「うっ! ぐう!」

 民家の屋根にドッドッという鈍い音を出して落ちるスワン。

(くっ、わたしは何をやっている)

 空から民家の屋根に着地する魔物たち。もちろん屋根の下も魔物でいっぱいだった。

(逃げろ!! 足を止めるな!!)

 スワンは民家の屋根伝いに走っていく。

「逃げるな!」「待て!」

 民家の屋根に這い上がってくる魔物もいた。

 魔物を足場にして跳んで、掴もうとする魔物を上の屋根に飛んで避け、連れ去ろうとする魔物には屋根から下の屋根へ降りて逃げ、はい寄って来る魔物たちより早く屋根から通り過ぎていく。

 ときには洗濯物を干すときに使うロープを掴んで別の屋根に移動した。

 タンと屋根に着地した時見た。

「――――!!!?」


 バカデカテが統率する魔物たちの光景を、その数300は超えていた。

「フン……城の内部は調査済み……でも城下町の地形までは調査不足か……間抜けな女め」

(まさか、おびき出された)

 後ろからどんどん魔物たちが屋根に上りスワンを包囲していく。

「――――くっ」

 スワンは悔しそうな顔を浮かべた。

「無謀な試みだったな……これで問題解決……」

 スッと手を伸ばしてくるバカデカテ。そしてズンと捕まえたのは空気だった。

 スワンはどこに行ったのかというと、地面に転がっていた。

(絶対に捕まらない!!)

「悪あがきを……」

 バカデカテがもう一方の手を上げると、合図と見て魔物たちがスワンを捕えた。

「離せ!! 邪魔だ!! 離せ!!」

 腕を掴まれ、足を掴まれ、触手に巻かれたスワンが叫ぶ。そしてついには口まで塞がられる。

「誰かそいつを眠らせろ!」

 バカデカテは完全にスワンを手中に収めた。

 その時遠くの方で騒ぎが起きていたのを、もちろん聞き逃すはずのないバカデカテ。

「――何の騒ぎでしょう」

 バカデカテを連れて空を飛ぶ魔物が訊いてくる。

「…………おのれ、そう言うことか……」

 その時、異変はバカデカテの眼下でも起こった。

「ギャーーーー!!」「グワーーーー!!」「ガアーーーー!!」

 と次々と魔物の断末魔が聞こえて来た。

 ズバッと斬り裂かれ、ギャーーーーっと鳴く魔物。

 サッと現れたのは二本の剣を持つ男だった。

「はぁ……はぁ……あ……あ……はぁ……あ……」

 涙を流しながら捕えられていたはずのスワンが魔物の手から解放されていた。

 ザンと参上したのは、

「ロード……!?」

「スワン……ご苦労だった魔物狩りさんたちのところに向かってくれ……こいつらはオレに任せろ」

「でも一人じゃ……」

「大丈夫だ……今度はオレを信じてくれ」

「分かった信じる……気を付けて無理しないで……」

 涙を手で拭うスワン。

「ああ」

 スワンはロードが来た道へと進んで行った。

「ま、待て!」「あっ女が!」「逃げた!」

 魔物たちがスワンを追おうとしたが、

「「「ぎゃーーーーーー!!」」」

 ロードの振る二本の剣に敗れるのだった。

「ひいい」「強い」

 仲間の魔物が霧散化していく光景を見ていた。

「…………(タテトルの言っていた双剣使いか? アレはまずい……まともにやり合えばタダでは済まない)」

 サッとロードから通り過ぎようとする空飛ぶバカデカテ。

「スワンは追わせない!!」

 背後に振り返って走り出すロード、しかし目の前を見慣れぬ魔物が邪魔をした。

 ロードは剣を振るがその鋼鉄ともいえる腕に受け止められ、もう一方の腕では殴りつけられ吹っ飛ばされて行った。

「オモシ! シェードガイ! 何体の魔物たちを使っても構わん! そいつは任せるぞ!」

 去り際に命令を下すバカデカテ。

「ハッ!」「お任せを!」

 一方は全身を貝殻の鎧を着こんだ人型の魔物。もう一方はやせた身体に丸い顔、腕にはハンマーが備わっていた。

「邪魔をするなあああ!!」

 ロードはこの二体と背後にいる何百体の魔物の相手をすることになった。


 ▼ ▼ ▼


 空を飛ぶ魔物に運んでもらうバカデカテ。
 その時、
(状況は分かった)
(あの女が戦士どもを引き入れたんだ)
(おそらく生き延びたオーイワの戦士たちが)
(何らかの潜入方法を知っていたのだろう)
(戦士どもは後回し)
(まずはあの双剣使いだ)
(その為にはあの女が使える)
(ヤツを人質に双剣使いの問題は取り除かれる)
(その後は戦士どもだ)
(愚かな人間どもめ)
(お前たちがどのような問題を出したところで)
(何もほころびることはない)

 部下の魔物によって空に飛んでいたバカデカテは地面に落ちて来た。

「――――――!?」

 目の前には走る姿のスワンがいた。

「お前を使って答え合わせだ……」

 スワンとバカデカテが対峙する。
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