レジェンドオーブ・ロード~物語に憧れて最強への道を歩み始めるオレは、魔王達の根源たる最魔の元凶を滅ぼし全ての異世界を平和へと導きます~

丹波 新

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第六章 盗み、奪い、取る、緑色の襲撃者

第251話 各自の時間

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 とある異世界・山の中。
 ロード、ハズレ、スワンが扉から出て来た時には辺り一面は、土と雑草で埋め尽くされ、あてもなく歩みを進めて行くと、山の中へ侵入した。
 そして、山の中で古びた民家を見つけ、外から家主に声を掛けてみたのだが、何の反応も示さず、そこから推測するに、きっと留守なのだろうとハズレが発言する。
 そして、勝手にお邪魔したのだが民家の中には何もなくとても誰かが住んでいるものとも思えなかったので、夕暮れ時も合わさって、一晩そこで過ごすことを3人は決めた。
 そこで簡素な夕食を取り、スワンの甘い水を飲み、旅の疲れを癒していた。
 ロードは金貨の確認をしていた。残り枚数は28枚だった。
 ハズレはというと純銀の剣シラユリヒメに付着していた油を紙で拭き取っていた。
 スワンはというと精霊であるドルフィーナ、それからオーイワ城に奇襲部隊を送り込ませる功績を残した、頭が噴水化したスライム型の精霊ジャブちゃんと小さな手が愛くるしいしずく型の精霊のシーちゃんにおいしい水を飲ませているところだった。
 各自、自分の時間を過ごすロード、ハズレ、スワン。
 ほどなくしてハズレが話題を切り出す。

「なぁ……二人共、食事中に会話したじゃないかぁ」

「ん? 会話したなぁ」

「ええ、そうだけど……」

 ロードとスワンがハズレの声に耳を傾ける。

「ロードが秘宝玉を手にして魔王アグロ―ニってヤツと戦って勝ったのはわかったけど……スワンの言う最魔の元凶ってのは何なんだ? それが旅の目的のメインみたいに聞こえてくるんだが……」

「わたしの目的はいち早く飲料店を始めたときのお金を返すことだけどね……」

「すまん、それはオレの目的だ。最魔の元凶を何とかすればすべての魔王が消えて数えきれないほどの異世界を救ううことが出来るとスワンと話してそう結論付けたんだ」

「そうかロードの目的だったんだ……それでその最魔の元凶については何か分かっているのか?」

「今のところ何も……スワンも風の噂を耳にしただけらしい」

「実際いるかどうかも分からないし、それがどんな形や姿を取っているかもわかっていないから……」

「ふぅん、じゃあその最魔の元凶の正体を探ることも旅の目的に加えてるんだ……?」

「そう言うことだ、協力してくれるか?」

「ああ、ついてきた以上は付き合うさ……ここでの助けの声とやらが消えたら、次はグッコでの異変調査と最魔の元凶探しかな……」

「そうなるな」

 ロードが荷物を整理していると一冊の本を手に取った。

「ロードキミ本を読むことを嗜んでいるのかい?」

 様子を見ていたハズレが訊いてくる。

「ああ、これか……これはストンヒュー王国に居たときに見つけた絵本なんだ……」

「絵本? どういうお話なの?」

 スワンが問うてくる。

「レジェンドオーブ・スライム……突如、異世界から悪い竜が現れて一匹のスライムが立ち向かい勇者となる物語さ」

「勇者? それってロードが名乗っている勇者のこと?」

「そうだ……故郷で魔王アグロ―ニを倒した功績で、オレの好きな絵本にちなんだ勇者という称号が与えられたんだ……」

「勇者か……」

「ちょっとその絵本読ませて……」

 スワンが身を乗り出す。

「いいぞ、ただリアルな背景のタッチにスライムというミスマッチなキャラクターが描かれた絵本だから読みにくいかもしれない」

「構わないから見せて……」

 ロードはスワンに愛読書でもある絵本を差し出した。
 早速スワンは黙々と読み込んで行く。

「スライムか……魔物大図鑑にも乗っていたことを覚えているかロード」

「覚えている。リアルスライムと言って人を飲み込み溶かしてその栄養を吸収する魔物だろう?」

「正解……しっかりと勉強の成果が出ているな」

 自分の教えたことを覚えていたロードに満足そうな笑みを浮かべるハズレだった。

「――――!?」

 その時、ロードは拳に力を入れた。

「……どうした? ロード?」

 ハズレが尋ねてくる。

「いいや、気のせいだったみたいだ」

 ロードは首にぶら下げた裏切りの瞳を見てそう言った。

「ははは、魔物が出たかと思ったかい? 裏切りの瞳があるから光った時だけ警戒するといいよ」

「ああ、分かっている」

 ロードは拳から力を抜いた。

「さて、今日も魔物大図鑑を出しな……? まだまだ覚えてもらわなくちゃならない魔物たちがいるんだから……」

「ああ、わかった」

 そうして夜を過ごしていく3人だった。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 民家周辺の山の中。
 複数の男たちがロードたちの入っている民家を取り囲み、深夜の時間を待っていた。
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