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第六章 盗み、奪い、取る、緑色の襲撃者
第253話 緑色の襲撃者
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廃墟と化した村。
屋根も壁も壊れた小さな家が点々とした村だった。
ロードとハズレはスワンに案内されて到着したのだった。
そこに着いた頃には朝日が昇っていた。
とても人のいる気配のない寂しい村だった。
「何だい? ここが村?」
ハズレが廃墟の残骸である木片を持って言った。
「本当に人がたくさんいるのか?」
ロードが案内者に尋ねる。
「うん! ハヤトチリちゃんと呼んでくれていいよ」
てへっと舌を出し、スワンは自虐した。それにしてはいい笑顔をしていた。
「ハヤトチリちゃん……可愛らしい呼び名だな」
さり気なく言うロード。
「えっ? そう? 可愛い?」
顔を赤くするスワン。
「誰もいないのなら地図や本を探してみよう」
スタスタと歩むハズレだった。
「「了解」」
三人は散らばって捜索した。
▼ ▼ ▼
ハズレは破れた地図を発見し微妙な表情となった。
スワンは落ちていた本を開くと中から蜘蛛が出てきてびっくりしていた。
ロードも本を拾ったが全く読めない文字に頭がこんがらがった。
三人は村の中央に落ち合った。
「碌な地図がない、そもそもどこなのかすらわからないものばかり」
ハズレは溜息をついた。
「本は雨に濡れてしまったせいか――インクが滲んで読めたものじゃなかった」
ロードも主張する。
「ごめんなさいわたしここ無理、ゴキブリ、ムカデ、クモのフルコースは無理」
背筋に悪寒が残ったままのスワンが発言した。
「「休んでていいよ」」
二人に言われたスワンはスタスタと休憩できそうな場所へ向かう。
「ん~~ダンジョンの歴史、魔物獣編・上、野菜の育て方」
「ダンジョンってなんだ?」
「さぁーーこの世界独特の文化かなぁ」
ハズレとロードが会話を続ける。
スワンは家の壁だったであろう崩れて倒れていた木片に腰を下ろした。
この時スワンは、
(ハァ~~~~水浴びしたいなぁ~~~~)
そう心の中で吐露していた。
その時、フウっと風が切った。スワンの背後に両手で短剣を持ったフード付きの緑色の衣服をまとった何者かが音もなく近づいてきた。
「――――!!」
わずかな気配にスワンは気づき目線を移動させようとしたが、時すでに遅し、謎のフードの襲撃者が右手の短剣を下から振り上げて、スワンを攻撃して来た。が――
ドガっという鈍い音がしてロードの回し蹴りに襲撃者は吹っ飛んでいった。そして廃墟となった家に撃ち込まれる。
「何だどうしたんだ?」
遅れてやって来たハズレが状況を聞く。
「人が襲い掛かってきてロードが助けてくれた」
スワンがハズレに説明する。
「……………………」
無言のロードは襲撃者に対してまだ警戒心を解いていなかった。
両足と腰を浮かせて上半身を勢い良く起こして立ち上がる襲撃者。その両手には短剣が力強く握られていた。
「村人って訳じゃなさそうだな」
観察するハズレ。
「魔物でもない裏切りの瞳が反応しない」
「オイ! キミ! オレ達に何か用かい!?」
「…………」
敵意剥き出しの目で睨みつけてくる襲撃者。
「敵意剥き出しだな」
「ハズレ、スワンを頼む」
「ああ」
ダッと走り出す緑色の襲撃者。対してロードは足踏みをして眼下にあった木の棒を宙に浮かせ手で受け取った。両者は激突した。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガと音を鳴らし、両手に握られた短剣の攻撃を軽くいなしていくロード。
襲撃者は短剣での攻撃の最中、膝をロードの腹に打ち込もうとしたが、同じく足を上げたロードの足の裏によって阻まれてしまう。
膝蹴りが通用しないとなると襲撃者は右足を軸にくるりと回り、木の棒ごとロードを斬ろうとしたのだが、腰を落としたロードに軽く避けられる。
外れたとなったら今度は右足でロードの顔面に蹴りを入れようとしたのだが、木の棒によって阻まれた。
しかし、木の棒をガードに使ったことで隙を生んだロードに、両手に持っていた短剣で襲い掛かる。
だが、動くスピードはロードの方が速く、ドッと突きの形で木の棒のカウンターを食らい、近場の家の壁に襲撃者は激突した。
しかしすぐに起き上がる緑色の襲撃者。
「まだ続けるか?」
接近戦で圧倒的強さを見せつけるロードが問う。
地面に手をつく襲撃者は砂を右手にザリザリと握りしめ、ロードの顔面目掛けてザバッと砂をかける。
「――――!?」
とっさに腕で砂をガードするが、その目くらましで襲撃者はロードの青き剣に手を伸ばし――
――ロードに腕を掴まれた襲撃者。しかし右手の短剣でロードの腕を切りつけて掴まれた左腕を解放することに成功したが、
ロードは渾身の蹴りを襲撃差の側頭部に叩き込み吹っ飛ばす。襲撃者は何とか受け身を取り倒れることはなかったが、一連のやり取りでだいぶ疲れを見せたようだった。
しかし、ロードの方は疲れておらず寧ろ、きりっとした表情で襲撃者を睨む。
その時、緑色の襲撃者はダダダっと逃走した。
「逃げた!」
スワンが叫んだ。
「ロード!!」
腰の剣に手を添えたハズレがロードを引き留めるために叫ぶ。
「ロード!! 追わなくていい!! 奴が一人で行動しているとは限らない!! 仲間がいるかもしれない!! この場をすぐに離れよう!!」
「――――!?」
ロードは襲撃者を追おうとした足を止めた。
「そうだな……ハズレの言う通りだ……お前が冷静で助かるよ」
「荷船に戻ろう! すぐにこの村から出ないと……」
スワンが村の入り口辺りに置いてきた荷船に戻る。
そして三人はその村から急いで抜けることにした。
屋根も壁も壊れた小さな家が点々とした村だった。
ロードとハズレはスワンに案内されて到着したのだった。
そこに着いた頃には朝日が昇っていた。
とても人のいる気配のない寂しい村だった。
「何だい? ここが村?」
ハズレが廃墟の残骸である木片を持って言った。
「本当に人がたくさんいるのか?」
ロードが案内者に尋ねる。
「うん! ハヤトチリちゃんと呼んでくれていいよ」
てへっと舌を出し、スワンは自虐した。それにしてはいい笑顔をしていた。
「ハヤトチリちゃん……可愛らしい呼び名だな」
さり気なく言うロード。
「えっ? そう? 可愛い?」
顔を赤くするスワン。
「誰もいないのなら地図や本を探してみよう」
スタスタと歩むハズレだった。
「「了解」」
三人は散らばって捜索した。
▼ ▼ ▼
ハズレは破れた地図を発見し微妙な表情となった。
スワンは落ちていた本を開くと中から蜘蛛が出てきてびっくりしていた。
ロードも本を拾ったが全く読めない文字に頭がこんがらがった。
三人は村の中央に落ち合った。
「碌な地図がない、そもそもどこなのかすらわからないものばかり」
ハズレは溜息をついた。
「本は雨に濡れてしまったせいか――インクが滲んで読めたものじゃなかった」
ロードも主張する。
「ごめんなさいわたしここ無理、ゴキブリ、ムカデ、クモのフルコースは無理」
背筋に悪寒が残ったままのスワンが発言した。
「「休んでていいよ」」
二人に言われたスワンはスタスタと休憩できそうな場所へ向かう。
「ん~~ダンジョンの歴史、魔物獣編・上、野菜の育て方」
「ダンジョンってなんだ?」
「さぁーーこの世界独特の文化かなぁ」
ハズレとロードが会話を続ける。
スワンは家の壁だったであろう崩れて倒れていた木片に腰を下ろした。
この時スワンは、
(ハァ~~~~水浴びしたいなぁ~~~~)
そう心の中で吐露していた。
その時、フウっと風が切った。スワンの背後に両手で短剣を持ったフード付きの緑色の衣服をまとった何者かが音もなく近づいてきた。
「――――!!」
わずかな気配にスワンは気づき目線を移動させようとしたが、時すでに遅し、謎のフードの襲撃者が右手の短剣を下から振り上げて、スワンを攻撃して来た。が――
ドガっという鈍い音がしてロードの回し蹴りに襲撃者は吹っ飛んでいった。そして廃墟となった家に撃ち込まれる。
「何だどうしたんだ?」
遅れてやって来たハズレが状況を聞く。
「人が襲い掛かってきてロードが助けてくれた」
スワンがハズレに説明する。
「……………………」
無言のロードは襲撃者に対してまだ警戒心を解いていなかった。
両足と腰を浮かせて上半身を勢い良く起こして立ち上がる襲撃者。その両手には短剣が力強く握られていた。
「村人って訳じゃなさそうだな」
観察するハズレ。
「魔物でもない裏切りの瞳が反応しない」
「オイ! キミ! オレ達に何か用かい!?」
「…………」
敵意剥き出しの目で睨みつけてくる襲撃者。
「敵意剥き出しだな」
「ハズレ、スワンを頼む」
「ああ」
ダッと走り出す緑色の襲撃者。対してロードは足踏みをして眼下にあった木の棒を宙に浮かせ手で受け取った。両者は激突した。
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガと音を鳴らし、両手に握られた短剣の攻撃を軽くいなしていくロード。
襲撃者は短剣での攻撃の最中、膝をロードの腹に打ち込もうとしたが、同じく足を上げたロードの足の裏によって阻まれてしまう。
膝蹴りが通用しないとなると襲撃者は右足を軸にくるりと回り、木の棒ごとロードを斬ろうとしたのだが、腰を落としたロードに軽く避けられる。
外れたとなったら今度は右足でロードの顔面に蹴りを入れようとしたのだが、木の棒によって阻まれた。
しかし、木の棒をガードに使ったことで隙を生んだロードに、両手に持っていた短剣で襲い掛かる。
だが、動くスピードはロードの方が速く、ドッと突きの形で木の棒のカウンターを食らい、近場の家の壁に襲撃者は激突した。
しかしすぐに起き上がる緑色の襲撃者。
「まだ続けるか?」
接近戦で圧倒的強さを見せつけるロードが問う。
地面に手をつく襲撃者は砂を右手にザリザリと握りしめ、ロードの顔面目掛けてザバッと砂をかける。
「――――!?」
とっさに腕で砂をガードするが、その目くらましで襲撃者はロードの青き剣に手を伸ばし――
――ロードに腕を掴まれた襲撃者。しかし右手の短剣でロードの腕を切りつけて掴まれた左腕を解放することに成功したが、
ロードは渾身の蹴りを襲撃差の側頭部に叩き込み吹っ飛ばす。襲撃者は何とか受け身を取り倒れることはなかったが、一連のやり取りでだいぶ疲れを見せたようだった。
しかし、ロードの方は疲れておらず寧ろ、きりっとした表情で襲撃者を睨む。
その時、緑色の襲撃者はダダダっと逃走した。
「逃げた!」
スワンが叫んだ。
「ロード!!」
腰の剣に手を添えたハズレがロードを引き留めるために叫ぶ。
「ロード!! 追わなくていい!! 奴が一人で行動しているとは限らない!! 仲間がいるかもしれない!! この場をすぐに離れよう!!」
「――――!?」
ロードは襲撃者を追おうとした足を止めた。
「そうだな……ハズレの言う通りだ……お前が冷静で助かるよ」
「荷船に戻ろう! すぐにこの村から出ないと……」
スワンが村の入り口辺りに置いてきた荷船に戻る。
そして三人はその村から急いで抜けることにした。
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