レジェンドオーブ・ロード~物語に憧れて最強への道を歩み始めるオレは、魔王達の根源たる最魔の元凶を滅ぼし全ての異世界を平和へと導きます~

丹波 新

文字の大きさ
278 / 942
第六章 盗み、奪い、取る、緑色の襲撃者

第278話 ダンジョンの宝の行くえ

しおりを挟む
 スワンは魔物の餌役になることを堂々と宣言した。

「――!! 待てスワン危険だ! 別の手を――」

「構えてロード、アイツがいつ来てもいいように……」

 スワンがなるべく洞窟の中央の方に移動する。

「スワン!!」

「大丈夫、上手くいく。私たちのコンビネーションは誰にも負けない。何の心配もいらない」

「……………………」

 ロードは何も言い返さなくなった。

「それにあなたが必ず守ってくれる」

 顔だけ振り向いて、ロードに指を差す。

 コクンと頷くロードだった。

 そしてニコッと笑顔を作り、オーケーサインを送るスワンだった。

 そして空洞の中央で大の字になって寝転ぶスワン。

「さぁ! 私はおいしい美しい麗しい珍しいお魚だぁ! 私は最上級品の魚肉だぁ! 食べられるモノなら食べてみろぉ!」

 フッと目を閉じ抜剣の構えを取るロード。

(待つ……静かに、ただ待つ)

 辺りはしーんと静まり返った。

 この時、隙だらけのスワンは、
(長い)
(動きがない)
(早くしろ)
(今なら食べ放題なんだぞ)
 そう思って目を閉じていた。

 しかしゆっくりと天井から垂れ下がってくる魔物。

 対してスワンは、
(やっぱり私に隙なんて無いんだ……)
 そう思っていた。

 そして魔物が口を開こうとした時――

「最初の一撃!!」

 ロードは抜剣した剣に道の秘宝玉の力を与えて、10メートルの長剣にし、伸縮自在の尻尾を斬り裂いた。

「動けスワン!!」

 その声にスワンは目を開けて、両手をすぐさま首付近の地面につけ、両足を上げて、逆上がりをするように宙へあがる。そしてうまく立ち上がった。

「ギョーーーーーー!!」

 ズズンと落ちてくる魔物。

「ロード!!」

「とどめだ!!」

 ロードは10メートルの剣を上から振り下ろして、魔物を一刀両断にして着地した。

「ギョーーーーワーーーーン!!」

 最後の断末魔を上げる魔物が霧散化していった。

「上手くいったな。スワンも怪我がなくてよかった」

「ロードとハズレがいる限り、私に隙はないも同然」

「日頃の信頼の成果だな……」

 ロードが手を出す。

「当然! 何時もロードのこと信じてるから……」

 その手をパチンと叩くスワンだった。

「さて宝を探そう……」

 松明を手にロードが行く。

「うん……向こうに道が続いているみたい……行こう」


 ▼ ▼ ▼


 ダンジョンの最奥。
 洞窟の行き止まりまで来たロードとスワンは宝とやらを探していた。そして――

「やっぱりない?」

「ああ、魔物に食われたかもしれない」

「そうかなぁ~~、あの穴見える?」

 スワンが上の方にあった洞穴を指さす。

「ん? 別の道か?」

「誰かが別の道を使って、私たちを魔物の餌にして、その隙に宝を持ち去ったのかも……例えば、あのモタナイって人とか……」

 スワンは余裕の表情を浮かべた。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 森の中。
 タタタっと山を登っていくモタナイさん。その背中には大きな荷物を背負っていた。

「早く、橋へ戻らないと……」

 息を切らしながら両足で戻っていく。
 その影から精霊のジャブちゃんが行動を開始する。


 ◆ ◆ ◆ ◆


 洞窟前。
 ハズレとグラスがそれぞれ木を背におとなしくしている。

「ハズレ~~~~!」

 洞窟から出て来たスワンが手を振る。そしてロードも洞窟から出てくる。

「やぁお二人さん……デートは楽しめたかい?」

「バ、バカ! やめてよハズレ」

「デート? スワンなんだそれは? 楽しかったのか?」

「聞かないでよ! デートじゃないから!」

「それでスワンどうだった?」

 ハズレが本題に入る。

「ハズレの言った通りだった……言われた通り手は打った」

「ご苦労様」

 ねぎらいの言葉をかけるハズレ。

 そこへ――

「離せーー離せーー!! 誰か! 助けてくれ!」

 モタナイさんの声がした。

「あっ来た来た」

 そこには太った大男に見える水の精霊ジャブちゃんの姿があった。肩に担がれているのはモタナイさんだった。

「ジャブ~~~~~~」

「離せーーーー!!」

「あれはジャブちゃんか?」

「そう私の守護精霊力持ちのジャブちゃんとこっちがお友達のシーちゃん」

 スワンはいつの間にか抱いていたしずく型の精霊を紹介していた。

「痛った!」

 乱暴に木に投げ捨てられたモタナイさん。

「モタナイさん?」

 ロードが確認する。

「オ、オマエら生きてたのか!?」

「ん~~~~生きてたって何かな?」

 怖い顔でモタナイさんを覗き込むスワン。

「ジャブジャブ」

「――しまった!」

 急いで口を覆い隠すモタナイさん。そして大きな袋に入った荷物を落とすジャブちゃん。その後はチョウチョを追いかけていた。

「ハズレの推測通りの男だったという訳か……」

 スワンが言う。

「――――!?」

 ロードはモタナイさんの姿を見た。するとなかったはずの手や足が今はあった。

 ことの真相が今明かされる。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。

みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。 勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。  辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。  だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?

行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。 貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。 元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。 これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。 ※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑) ※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。 ※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...