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第六章 盗み、奪い、取る、緑色の襲撃者
第289話 夜のアリバレー潜入大作戦
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真夜中のアリバレー。
篝火をつけて、複数人が交代制で見張っている。
その時、鉤爪つきのロープが二つ飛んで行った。
それはガキっと音を鳴らして木の壁に引っ掛かり、潜入用の足掛かりを作った。
「よし行けるな」
ロープがちゃんと固定されているか引っ張って確かめるオテダシ。
マテヨも同じく確かめていた。
「準備はいいなお前ら……」
暗がりの中をリョウが振り返って言う。
「いつでも」
ロードが言う。
「静かでいい夜だ」
曇に隠れた月を探してみるハズレ。
「潜入日よりと言ったところか……」
スワンも空を見る。
「なんじゃぁ、ここは……」
知らないお爺さんも言う。
「誰だこの人……」
ロードがツッコんだ。
「なんじゃぁ、お前さんたち」
お爺さんがロードたちを見て言う。
「ブン爺だ。文字が読めねーと調べようがねーだろ」
「ご老体の年寄りに潜入なんて……」
ロードが心配する。
「なんじゃぁ、誰だわしを愚弄するのは!?」
「ブン爺、頼むぜ、力を貸してやってくれ!」
「なんじゃ、仕方ないのう、わしがおらんと何も出来んのかガキどもめ……」
ブンは渋々了承した。
「夜明けまでにことを済ませろ、もしなんかあったらオレたちが大暴れして助けに行ってやるからな。オテダシ、マテヨ頼んだぜ」
「ああ」「わかってる」
オテダシはブン爺さんを担いでロープを登って行った。ハズレもそれに続いていく。
ロードはグラスを担いだまま、足でジャンプしてロープで引っ掛かった城郭へと到達する。
スワンの方は水雲鳥となり、空を飛んでロードについて行き、城郭へと潜入する。
マテヨは引っかけたロープを登って行った。
「見事なジャンプ力、流石ロード」
水雲鳥状態のスワンが褒める。
「しーーーー」
ロードは口元に指を立てて静かにするよう伝える。
「はい」
反省するスワン。
全員、城郭へと登って来たところで一旦、城郭の道の影に隠れる。
そして全員姿を見せないようにするため黒いマスクをつけていた。
そして城郭から見る景色は、ウロウロ歩く見張りと、酒を飲む見張り、うたた寝する見張りの姿が見えた。
アリバレーは噂通り窪みの開いた空間で、様々な場所に穴の道を開けていた。
「へマしなきゃまずバレねぇ」
オテダシがヒソヒソと話す。
「入り口がたくさんあるが、これは相当中も入り組んでいるな」
ハズレがヒソヒソと話す。
「気づかれずに中に入る。今は一人ひとり処理していくしかない」
マテヨがヒソヒソと話す。
「処理? マテヨさん殺すのはダメだ」
ロードがヒソヒソと話す。
「殺しはしない、こっちも後々、恨みを買うのは避けたいんだ。眠ってもらうだけだ」
「睡眠袋を吸わせるんだっけ」
スワンがヒソヒソと話す。
「そうだ。私が先頭を行くついて来い」
クイクイと指で誘う。
ロードたちはマテヨに続いて、城郭から岩の足場に移動し、徐々に下へ下へと潜入していく。
(止まれ)
ロードたちを手を上げで静止させる。
マテヨは樽に座っている男に近づいていった。
ふと隙をついて、首に腕を回し、手に持っていた袋を男の口に吸わせていく。
そうすると、クラっとした見張りの男が眠りに落ちる。そして――
その男が持っていた槍が手元から滑り落ち倒れていく。落ちれば音が聞こえて見張りの誰かに見つかるかもしれない。
地面に落ちる寸前、マテヨは足の甲に槍をひっかけて蹴り上げて、掴み取った。そのまま静かに男と槍を倒していく。
この時、
(マテヨの奴、わざとだな。ひやひやさせやがって……)
オテダシは思った。
ロードたちは安堵の息を漏らした。その後、もう大丈夫なのか、マテヨが手を振ってロードたちに進んでくるよう指示を出す。
スススーーと進んで行くロードたち。
岩穴の中に入って行く。静かに歩きながら一列に並んで進んで行く。
そして――マテヨが片手を出してロードたちの進行を止める。
前の洞窟から光が漏れ出していた。恐らく見張りの松明だろう。ロードたちは息を殺していた。T字状の道なのでそのまま進んでくれれば、こちらとは接触しない。
松明を持ってやって来たのは二人の男だった。ロードたちに見向きもせず通り過ぎて行った。
その時、マテヨが動いた。後ろをついて行っていた男を通り過ぎる寸前に捕まえ眠り袋の中身を吸わせていく。
そして静かに男を置いて、もう一人の男を狙う。
(音がない)
その時、暗がりから来るように手で合図を送るマテヨ。ロードたちは進み出した。
眠らせた男たちは土色の毛布を掛けて、巡回が来ても見つからないようにカモフラージュするものだった。
篝火をつけて、複数人が交代制で見張っている。
その時、鉤爪つきのロープが二つ飛んで行った。
それはガキっと音を鳴らして木の壁に引っ掛かり、潜入用の足掛かりを作った。
「よし行けるな」
ロープがちゃんと固定されているか引っ張って確かめるオテダシ。
マテヨも同じく確かめていた。
「準備はいいなお前ら……」
暗がりの中をリョウが振り返って言う。
「いつでも」
ロードが言う。
「静かでいい夜だ」
曇に隠れた月を探してみるハズレ。
「潜入日よりと言ったところか……」
スワンも空を見る。
「なんじゃぁ、ここは……」
知らないお爺さんも言う。
「誰だこの人……」
ロードがツッコんだ。
「なんじゃぁ、お前さんたち」
お爺さんがロードたちを見て言う。
「ブン爺だ。文字が読めねーと調べようがねーだろ」
「ご老体の年寄りに潜入なんて……」
ロードが心配する。
「なんじゃぁ、誰だわしを愚弄するのは!?」
「ブン爺、頼むぜ、力を貸してやってくれ!」
「なんじゃ、仕方ないのう、わしがおらんと何も出来んのかガキどもめ……」
ブンは渋々了承した。
「夜明けまでにことを済ませろ、もしなんかあったらオレたちが大暴れして助けに行ってやるからな。オテダシ、マテヨ頼んだぜ」
「ああ」「わかってる」
オテダシはブン爺さんを担いでロープを登って行った。ハズレもそれに続いていく。
ロードはグラスを担いだまま、足でジャンプしてロープで引っ掛かった城郭へと到達する。
スワンの方は水雲鳥となり、空を飛んでロードについて行き、城郭へと潜入する。
マテヨは引っかけたロープを登って行った。
「見事なジャンプ力、流石ロード」
水雲鳥状態のスワンが褒める。
「しーーーー」
ロードは口元に指を立てて静かにするよう伝える。
「はい」
反省するスワン。
全員、城郭へと登って来たところで一旦、城郭の道の影に隠れる。
そして全員姿を見せないようにするため黒いマスクをつけていた。
そして城郭から見る景色は、ウロウロ歩く見張りと、酒を飲む見張り、うたた寝する見張りの姿が見えた。
アリバレーは噂通り窪みの開いた空間で、様々な場所に穴の道を開けていた。
「へマしなきゃまずバレねぇ」
オテダシがヒソヒソと話す。
「入り口がたくさんあるが、これは相当中も入り組んでいるな」
ハズレがヒソヒソと話す。
「気づかれずに中に入る。今は一人ひとり処理していくしかない」
マテヨがヒソヒソと話す。
「処理? マテヨさん殺すのはダメだ」
ロードがヒソヒソと話す。
「殺しはしない、こっちも後々、恨みを買うのは避けたいんだ。眠ってもらうだけだ」
「睡眠袋を吸わせるんだっけ」
スワンがヒソヒソと話す。
「そうだ。私が先頭を行くついて来い」
クイクイと指で誘う。
ロードたちはマテヨに続いて、城郭から岩の足場に移動し、徐々に下へ下へと潜入していく。
(止まれ)
ロードたちを手を上げで静止させる。
マテヨは樽に座っている男に近づいていった。
ふと隙をついて、首に腕を回し、手に持っていた袋を男の口に吸わせていく。
そうすると、クラっとした見張りの男が眠りに落ちる。そして――
その男が持っていた槍が手元から滑り落ち倒れていく。落ちれば音が聞こえて見張りの誰かに見つかるかもしれない。
地面に落ちる寸前、マテヨは足の甲に槍をひっかけて蹴り上げて、掴み取った。そのまま静かに男と槍を倒していく。
この時、
(マテヨの奴、わざとだな。ひやひやさせやがって……)
オテダシは思った。
ロードたちは安堵の息を漏らした。その後、もう大丈夫なのか、マテヨが手を振ってロードたちに進んでくるよう指示を出す。
スススーーと進んで行くロードたち。
岩穴の中に入って行く。静かに歩きながら一列に並んで進んで行く。
そして――マテヨが片手を出してロードたちの進行を止める。
前の洞窟から光が漏れ出していた。恐らく見張りの松明だろう。ロードたちは息を殺していた。T字状の道なのでそのまま進んでくれれば、こちらとは接触しない。
松明を持ってやって来たのは二人の男だった。ロードたちに見向きもせず通り過ぎて行った。
その時、マテヨが動いた。後ろをついて行っていた男を通り過ぎる寸前に捕まえ眠り袋の中身を吸わせていく。
そして静かに男を置いて、もう一人の男を狙う。
(音がない)
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