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二章 超AIの大活躍
23話 五面の攻略法
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デレデーレはついにコズミックシューティングスターの最終ステージへとたどり着いた。
「ここからはオレでも突破できなかったステージ、さぁ見せてくれ! ラスボスの姿を!」
前渡とうやが身を乗り出してデレデーレに全てを託していた。
『その前にスコア数は足りているんですか!? ここの隕石群で出来る限りのスコア数を稼いで得るんですけど!』
「必要なスコア数は4000だ」
峰谷ゆうすけは冷徹非情にその数を告げた。その顔にはわずかだが余裕の顔を見せる。当然だ、こいつはオレのライバル、作られた超AIが何の役にも立たないところを今か今かと待ちわびているのだ。しかし、誰も彼の発言に異を唱えないのはそれが真実であることの証明だろう。
『隕石群がやんだ……と言うことは前座も終わり、いよいよラストステージですね。けどスコア数は3358とてもじゃありませんが普通のプレイでは稼げません!』
機体を旋回させ続けていくデレデーレは遊んでいる訳ではない。敵の攻撃がいつどのように仕掛けられてもいいようにかわす体勢をとっているのだ。
そして、お出ましたのは四面ステージで姿を見せたユーフォ―軍と――
『――いっ! 顔面隕石っ!?』
さっそくレーザー光線を浴びせていく顔面隕石、その光線に隠れるように動くユーフォ―軍団。
「オレはここで炸裂弾を使い切ってゲームオーバーだった。当然レーザー砲もな」
不意に前渡とうやが口を挟む。
これがどれほど難しいかと言えば、自爆特攻してくるユーフォ―軍注意を取られてしまい、肝心の顔面隕石への攻撃がおろそかになってしまうと言うことだ。顔面隕石のレーザー砲に終わりがないので動きも制限されてしまう。しかし、
『――演算終了!! ここから本気を出しますよ!!』
デレデーレの表情は笑顔だった。そしてデレデーレは信じられない行動を取る。
チュドーン!! なんと自分からレーザー砲に当りに行き撃墜されてしまったのだ。
しかし、
『やっぱりあった無敵時間!!』
「――そうか無敵時間か!!」
来ヶ谷先輩が身を乗り出してモニターにかじりつく。
デレデーレが何をしていたのかと言うと撃墜されてすぐにそのレーザー内で停止し、顔面隕石及びユーフォ―軍を撃墜していった。その証拠にどんどんスコア数が溜まっていったのだ。その数は3500を超えて3678数にまで上がり切った。
(どんだけレーザーの中に潜んでいるんだよ、このユーフォ―軍は……)
『この作者の性格からして無敵時間は三秒!! 残り時間6分27秒!! はい次ぃ!!』
「そんな攻略の仕方だったのか、こんなん気づくわけがない」
唖然とした表情でデレデーレのプレイ画面を見る前渡とうや。
そしてデレデーレはまたも自分からレーザー砲に当りに行き、自機を失い三秒間レーザの中にいるであろうユーフォ―軍と顔面隕石に攻撃していった。このゲームの救いは撃った弾が敵機に当たっても、そのまま貫通する使用になっていたのだ。だからこそ顔面隕石にもダメージが入ると言うことになる。
そして自機を失って得た無敵時間の三秒間、レーザー砲の中にいたデレデーレはギリギリのところで脱出に成功する。
『――残り時間6分11秒!! スコア数3892!! 残機1!!』
「「「――おおう」」」
観衆たちにどよめきが走る。
そしてほどなくして顔面隕石を突破し、スコア数が4053とボス出現ギリギリの数値を叩きだす。
『残弾数11563、残り時間5分47秒、スコア数4053っと』
「やりやがった。ラスボス出現までの数値を叩きだしやがった」
心底悔しそうな峰谷ゆうすけ。
「き、気を抜くなよデレデーレ。次で最後、ラスボス戦だぞ!」
オレが超AIに喝を入れると、
『――はい!!』
深美さんのような元気な声が聞こえて来た。
そしてモニター何が軋む。いよいよファイナルラウンドだ。
「ここからはオレでも突破できなかったステージ、さぁ見せてくれ! ラスボスの姿を!」
前渡とうやが身を乗り出してデレデーレに全てを託していた。
『その前にスコア数は足りているんですか!? ここの隕石群で出来る限りのスコア数を稼いで得るんですけど!』
「必要なスコア数は4000だ」
峰谷ゆうすけは冷徹非情にその数を告げた。その顔にはわずかだが余裕の顔を見せる。当然だ、こいつはオレのライバル、作られた超AIが何の役にも立たないところを今か今かと待ちわびているのだ。しかし、誰も彼の発言に異を唱えないのはそれが真実であることの証明だろう。
『隕石群がやんだ……と言うことは前座も終わり、いよいよラストステージですね。けどスコア数は3358とてもじゃありませんが普通のプレイでは稼げません!』
機体を旋回させ続けていくデレデーレは遊んでいる訳ではない。敵の攻撃がいつどのように仕掛けられてもいいようにかわす体勢をとっているのだ。
そして、お出ましたのは四面ステージで姿を見せたユーフォ―軍と――
『――いっ! 顔面隕石っ!?』
さっそくレーザー光線を浴びせていく顔面隕石、その光線に隠れるように動くユーフォ―軍団。
「オレはここで炸裂弾を使い切ってゲームオーバーだった。当然レーザー砲もな」
不意に前渡とうやが口を挟む。
これがどれほど難しいかと言えば、自爆特攻してくるユーフォ―軍注意を取られてしまい、肝心の顔面隕石への攻撃がおろそかになってしまうと言うことだ。顔面隕石のレーザー砲に終わりがないので動きも制限されてしまう。しかし、
『――演算終了!! ここから本気を出しますよ!!』
デレデーレの表情は笑顔だった。そしてデレデーレは信じられない行動を取る。
チュドーン!! なんと自分からレーザー砲に当りに行き撃墜されてしまったのだ。
しかし、
『やっぱりあった無敵時間!!』
「――そうか無敵時間か!!」
来ヶ谷先輩が身を乗り出してモニターにかじりつく。
デレデーレが何をしていたのかと言うと撃墜されてすぐにそのレーザー内で停止し、顔面隕石及びユーフォ―軍を撃墜していった。その証拠にどんどんスコア数が溜まっていったのだ。その数は3500を超えて3678数にまで上がり切った。
(どんだけレーザーの中に潜んでいるんだよ、このユーフォ―軍は……)
『この作者の性格からして無敵時間は三秒!! 残り時間6分27秒!! はい次ぃ!!』
「そんな攻略の仕方だったのか、こんなん気づくわけがない」
唖然とした表情でデレデーレのプレイ画面を見る前渡とうや。
そしてデレデーレはまたも自分からレーザー砲に当りに行き、自機を失い三秒間レーザの中にいるであろうユーフォ―軍と顔面隕石に攻撃していった。このゲームの救いは撃った弾が敵機に当たっても、そのまま貫通する使用になっていたのだ。だからこそ顔面隕石にもダメージが入ると言うことになる。
そして自機を失って得た無敵時間の三秒間、レーザー砲の中にいたデレデーレはギリギリのところで脱出に成功する。
『――残り時間6分11秒!! スコア数3892!! 残機1!!』
「「「――おおう」」」
観衆たちにどよめきが走る。
そしてほどなくして顔面隕石を突破し、スコア数が4053とボス出現ギリギリの数値を叩きだす。
『残弾数11563、残り時間5分47秒、スコア数4053っと』
「やりやがった。ラスボス出現までの数値を叩きだしやがった」
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「き、気を抜くなよデレデーレ。次で最後、ラスボス戦だぞ!」
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