スマフォ画面0.001ミリ差の恋

丹波 新

文字の大きさ
25 / 71
二章 超AIの大活躍

25話 レーザー砲の使い道

しおりを挟む
ビッグサテライターの第一形態を乗り越えたデレデーレだが、残り時間が刻々と迫っていた。

(4分48秒……行けるかデレデーレ……?)

ビッグサテライターは依然爆発し続けたままで、攻撃の手を止めるデレデーレ。残りの攻撃弾数を気にしてのことだろう。そして――

「……これが第二形態」

ゴクリと唾を飲んだのは前渡とうや。

ビッグサテライター第二形態、それはまるで卵の殻がシールドの役割をしているかのような形態。幾重にも張られたシールドが容赦なくデレデーレの攻撃を弾いて見せた。

『――こんなのありか!?』

文句を言っても仕方がないのかすぐに攻撃の手段を変えて、しばしビックサテライターから来る攻撃の回避に専念することにしていた。

『――このゲームの作者の名前あとで問いただしますからね!!』

「あ、ああ」

来ヶ谷部長がデレデーレの華麗に弾幕を避けるさまに感動しながら答えていた。約束したことは微塵も感じていない様子だ。

「――デレデーレ、残り時間4分を切ったぞ!!」

『――了解です!!』

第二形態の性質はこうだ。まず無色透明な卵の殻のようなものが幾重にも張られ、本体と思われるコアと殻であるシールドの別々に分かれているのだ。しかもこの殻は一定の速度で遊覧している。つまり殻が通り過ぎ攻撃の隙間が見えても、別の殻がまた本体を守ると言ったプログラムパターンなのである。

『――演算終了!! ブルーレーザー砲!! 発射開始します!!』

デレデーレの演算処理能力は伊達ではなかった。皆が何故ここでブルーレーザーを発射させたのか分からなかったからだ。これは一発きり、しかも30秒は撃ち続けなくてはならない。しかし、デレデーレはこの第二形態のボスの本質を看破した。それは――

「何!? レーザー砲?」

『謎に用意されたレーザー砲、その使い道はここしかありません!!』

「どうしてそうなるんだ? ラスト形態の方が未知数だからそっちに回した方が妥当だと思うぞ?」

『コア内を見てください!! アレは紛れもなく列車にも見える機体です!! 次の第三形態がアレだとしたら変則的な動きをして軽くレーザービームがいなされてしまいます』

「な、なるほど……」

うんうんと前渡とうやをはじめ、部員たちが頷き合う。

(観察眼と推測論か……さすがスーパーコンピューター以上の演算能力だ)

「何という挑戦的な度胸だ!! 暁くん!! キミは何と素晴らしいAIを開発してしまったのだ!!」

熱くなる来ヶ谷部長。

『――ここです!!』

レーザー砲が発射された。それは卵の殻同士の間に出来た隙間。その隙間が観覧車のように回っていくのをデレデーレは見逃さなかった。速度を合わせるように、隙間にあわせるように、内部のコアに合わせるように、レーザー砲を回していく。

常に旋回する殻と殻の隙間に合わせていくのは、まさに神業と言わざるおえなかった。

一応、殻と殻の隙間からは弾幕が打ち続けられているが、回転と同時に若干逸れていくので渦巻いていた。

回避も出来るし攻撃も通るまさに一石二鳥なのだが、、、

「どうしてレーザー砲なんだ? 普通の弾幕でも同じことが出来るだろ?」

オレはデレデーレに疑問を投げかけた。

『残弾数の心配と威力ですかね。いや~~見ての通りのコクーン形態防御率がかなり高いと思って撃ってみたっていうのもあります――――あっ』

レーザー砲の放射が止まってしまった。もうタイムリミットらしかった。デレデーレはすぐさま攻撃を切り替える。残弾数11000を切ったところで、ようやく第二形態を倒したと思わしき爆発が起きたのだった。

『――さぁ、これでホントのホントに最後です!! いざ勝負です!! ビッグサテライターのコアよ!!』

(残り時間3分02秒、残弾数10849、残機1、532ダメージの炸裂弾2発、クリアギリギリか?)

オレは固唾を飲んで見守っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

秘書と社長の秘密

廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。 突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。 ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...