スマフォ画面0.001ミリ差の恋

丹波 新

文字の大きさ
65 / 71
四章 超AIの大決戦

65話 デレデーレVSトワイライト

しおりを挟む
 オレはパソコンのモニターを見ていた。その奥ではデレデーレとトワイライトが話し合いをしているところだった。

(せ、説得できるのか? なんか不穏な空気だぞ……? 話し声は辛うじて聞こえるけど、これ全世界に生中継されているんだよなぁ)

その時、握りしめていたスマートフォンがブルリと震えた。デレデーレからのLINEであった。

――ケンマ様、トワイライトさんとは話し合いで解決できる問題ではなくなりました。

――じゃあどうするんだ!

とオレは返す。

『実力行使です!』

するとモニター内でにらみ合っていたはずのトワイライトとデレデーレに動きがあった。

ダッシュをして突撃したのはデレデーレ。それを難なく身体で受け止めたのはトワイライトであった。

『ここでは戦っては他のネットワークにガタが来てしまいます。私たちは私たちに相応しい舞台で勝負をしましょう』

『いいでしょう……受けて経ちます』

トワイライトが答えると、モニター内の真っ白な背景が一気に重く緑色の0と1という数字で埋め尽くされていく。

『このデータ世界ならどうでしょう……ここなら思う存分データに埋め尽くされているので戦うには最適化と――』

その時、とっ捕まえたデレデーレにドッと鈍い音の蹴りを放って間合いを取らせていた。

蹴り飛ばされたデレデーレはすぐに態勢を整える。

『ここはデータの宝物庫、何でも生み出すことが出来るし、何でも出来る仮想世界!』

右手を上げながら堂々と宣言するトワイライトは、データである0と1から作り出されたアサルトライフルを手にしていた。

ババババババババババババババババババババーーーーーー!! と銃弾がアサルトライフルからデレデーレに向かって発射されていく。

それを横向きに走りながらトワイライトの攻撃を回避し、その場の空気のようなデータである0と1から作り出した盾に身を隠す。

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガーーーーーー!! と身を隠せるほどの盾がアサルトライフルの銃弾を弾いていく。

『そんな盾は無駄』

音声は撃ってくる方向からしたが、今度は驚くべきことにデレデーレの背後の死角にトワイライトが現れていた。さらにさっきと同じアサルトライフルを向けている。

――デレデーレ後ろだ!

オレは咄嗟にLINEを送っていた。

デレデーレはそれに気が付いて今度はそちらにもデータである0と1から身を隠せるだけの盾を作り出した。

『あはは、防戦一方ですね』

笑いを浮かべるトワイライト、前後から銃弾に挟まれる形となったデレデーレ。しかし勝機がないわけではなかった。

『――31発』

デレデーレが呟くと銃弾の嵐がやんでいた。

『リロード時間をお忘れですか?』

盾を振り払い渾身の右拳のストレートをお見舞いするデレデーレ。油断して背後に近寄ったトワイライトが受ける形となった。

ドガッと鈍い音が炸裂した。

「ト、トワイライトがデレデーレの背後に瞬間移動して銃を撃っていたはずなのに……弾が出なくなって、ひょっとして弾切れか?」

今度は前方にあった誰もいなくなった方のアサルトライフルを自分のものとし構えて、データである0と1から弾切れの状態からリロード弾の補充をしていた。

『今度はこちらの番です』

ババババババババババババババーーーーーーーーーー!! と銃弾をトワイライトに向けて発射していた。

今度はトワイライトが前方にあったデレデーレの盾を掴もうとしたのだが、それがデレデーレの足踏みと同時に0と1のデータとなって消えてしまった。

『――くっ!?』

やむなくトワイライトは持っていたアサルトライフルでガードしたが、それでも数カ所のかすり傷を作ってしまった。かすり傷から0と1が溢れ出す。

『知らなかったんですか? それはただのデータ……本物の盾じゃないんです。だからこうして出したり消したりもできるんですよ。時間さえ指定してしまえばね』

データで作り出した身を隠す盾を消したり出したりしてしきりに笑うデレデーレであった。

『まさか、私の行動パターンを演算して欺いたとでもいうのですか?』

無音声から悔しさが滲み出ているのがわかる。

『さて、今度はこちらから行きますよ』

デレデーレは弾切れとなったアサルトライフルと盾を捨て、剣を右手に持ち構えるのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

秘書と社長の秘密

廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。 突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。 ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...