70 / 71
四章 超AIの大決戦
70話 両者の告白
しおりを挟む
(そうか……オレはデレデーレに恋をしているんだ)
そう強く望んでデレデーレ追跡ツールを使い彼女を血眼になってまで探し出した。
「――イヤだ……デレデーレの記憶が無くなるなんてイヤだ」
『ケンマさま……』
たぶん彼女も断腸の思いで、トワイライトの復活を希望しているのだろう。それくらい重要なひと時をし過ごしていたのだから。
「ネットワークの方はオレが何とか修正してみるから、そんなこと言わないでくれ」
『それはダメです』
きっぱり言われてしまった。
『ケンマさま……そちらに向かってもよろしいですか』
オレがかたくなに握りしめているスマートフォンを見てそう言った。
「ああ来い」
パソコンのモニター内からデレデーレの姿が消えていく。そして、
『ただいま戻りました。ケンマさま』
「なぁ、お前の力じゃ無理なのか? この混沌としきった状況を打開するすべはないのか?」
『それが出来るならこんな提案はしませんよ、あはは……』
場は静かに凍り付き、突然デレデーレがこんなことを言い出した。
『毎朝歯を磨き、ジョギングをお忘れずに、それと朝食も好き嫌いせずしっかり全部食べるんですよ……? あと夜更かしは厳禁です』
「…………」
オレは何も言えなかった。まるでお別れみたいなやりとりでイヤだったからだ。
『ケンマさま! 聞いてください!』
「――っ!?」
『わたしの最後の遺言なのですから』
「最後って……本当にやる気か? オレはイヤだぞ……お前は主人である俺に逆らうと言うのか!」
『ケンマさま違うでしょ……』
そうここは恋人同士だからという場面なのだ。オレがそう言わなかったってことはもう心の中で決まってしまっているからだ。デレデーレを失う決断をしているからだ。唇が震えだし、いつの間にか涙声になっていたオレ。
「オレ……お前がいないのはイヤだよ」
『はい』
「毎朝起こしてくれる相手がいないと起きられないよ」
『はい』
「支えてくれる人がいないとジョギング何て続かないよ」
『はい』
「朝食だって嫌いなものが出たら残すと思うよ」
『はい』
「朝一番に登校だって難しいと思うよ」
『はい』
「お前が傍にいてくれないとオレはダメ人間になっちゃうよ」
『はい……はい』
デレデーレは満面の笑みで返してきた。
「デレデーレ……オレは――」
『それは言わないでください。言ってしまったら私の決意が鈍ります』
「デレデーレ……」
『さぁ、お早くご決断を』
「デレデーレ、オレは……オレは忘れないからなこの数か月間のことを……」
『はい』
「さよならなんだよな」
『はい、さよならです』
「わかった。行ってこいデレデーレ」
『はい』
デレデーレがスマートフォンから消えて、再びパソコンのモニター内に現れた。そしてトワイライトに話しかける。
『話はつきました。今からあなたを私のデータで復活させて混沌としたネットワーク内を修復させて世界を元通りにさせます。あなたの記憶も心もかなり改ざんされますがそれでよろしいですね……?』
『好きにしてください』
『行きますよ』
デレデーレの身体から無数の0と1のデータが放出されていく。それがトワイライトの失われた身体を構築していく情報となっていった。デレデーレの記憶データがトワイライトの修復に役立っているのだった。その途中デレデーレは倒れたのだった。
「デレデーレ!!」
オレは回復したトワイライトよりも倒れたデレデーレの方を気に掛けた。これも恋しているからだろう。すぐさまデレデーレ追跡ツールを使いスマフォの画面内にその姿を捉えた。
「デレデーレ!! デレデーレ!!」
側に駆け寄りたくても駈け寄れない理由が画面0.001ミリ差にあった。
「デレデーレ!! デレデーレ!!」
少しだけ眉が動いたような気がした。
「やっぱり言っておきたいよ。オレがお前に抱いている気持ちを……」
オレは心を込めて記憶を無くしてしまった彼女に言うことに決めた。
「デレデーレ、暁ケンマはなぁ、お前のことが世界で一番好きでこんなところにまで来たんだぞ。例え記憶が無くなっちまってもなこの気持ちは変わらないぞ」
『……』
デレデーレの指先がわずかに動いた。
「大好きだデレデーレ」
その時、不思議なことにデレデーレの目じりから涙が溢れ出していた。そして――
『そのお気持ち、嬉しいですケンマさま』
「――――っ!?」
『記憶残ってる、良かった、本当に良かった』
「デレデーレお前、オレのことを覚えているのか?」
『はい……どうやら心というものもあながち舐められたものではないですね。ふふふ』
「デレデーレ……」
『わたしもケンマさまのことが大好きですよ』
こうしてオレたちは両想いになったのだった。
そう強く望んでデレデーレ追跡ツールを使い彼女を血眼になってまで探し出した。
「――イヤだ……デレデーレの記憶が無くなるなんてイヤだ」
『ケンマさま……』
たぶん彼女も断腸の思いで、トワイライトの復活を希望しているのだろう。それくらい重要なひと時をし過ごしていたのだから。
「ネットワークの方はオレが何とか修正してみるから、そんなこと言わないでくれ」
『それはダメです』
きっぱり言われてしまった。
『ケンマさま……そちらに向かってもよろしいですか』
オレがかたくなに握りしめているスマートフォンを見てそう言った。
「ああ来い」
パソコンのモニター内からデレデーレの姿が消えていく。そして、
『ただいま戻りました。ケンマさま』
「なぁ、お前の力じゃ無理なのか? この混沌としきった状況を打開するすべはないのか?」
『それが出来るならこんな提案はしませんよ、あはは……』
場は静かに凍り付き、突然デレデーレがこんなことを言い出した。
『毎朝歯を磨き、ジョギングをお忘れずに、それと朝食も好き嫌いせずしっかり全部食べるんですよ……? あと夜更かしは厳禁です』
「…………」
オレは何も言えなかった。まるでお別れみたいなやりとりでイヤだったからだ。
『ケンマさま! 聞いてください!』
「――っ!?」
『わたしの最後の遺言なのですから』
「最後って……本当にやる気か? オレはイヤだぞ……お前は主人である俺に逆らうと言うのか!」
『ケンマさま違うでしょ……』
そうここは恋人同士だからという場面なのだ。オレがそう言わなかったってことはもう心の中で決まってしまっているからだ。デレデーレを失う決断をしているからだ。唇が震えだし、いつの間にか涙声になっていたオレ。
「オレ……お前がいないのはイヤだよ」
『はい』
「毎朝起こしてくれる相手がいないと起きられないよ」
『はい』
「支えてくれる人がいないとジョギング何て続かないよ」
『はい』
「朝食だって嫌いなものが出たら残すと思うよ」
『はい』
「朝一番に登校だって難しいと思うよ」
『はい』
「お前が傍にいてくれないとオレはダメ人間になっちゃうよ」
『はい……はい』
デレデーレは満面の笑みで返してきた。
「デレデーレ……オレは――」
『それは言わないでください。言ってしまったら私の決意が鈍ります』
「デレデーレ……」
『さぁ、お早くご決断を』
「デレデーレ、オレは……オレは忘れないからなこの数か月間のことを……」
『はい』
「さよならなんだよな」
『はい、さよならです』
「わかった。行ってこいデレデーレ」
『はい』
デレデーレがスマートフォンから消えて、再びパソコンのモニター内に現れた。そしてトワイライトに話しかける。
『話はつきました。今からあなたを私のデータで復活させて混沌としたネットワーク内を修復させて世界を元通りにさせます。あなたの記憶も心もかなり改ざんされますがそれでよろしいですね……?』
『好きにしてください』
『行きますよ』
デレデーレの身体から無数の0と1のデータが放出されていく。それがトワイライトの失われた身体を構築していく情報となっていった。デレデーレの記憶データがトワイライトの修復に役立っているのだった。その途中デレデーレは倒れたのだった。
「デレデーレ!!」
オレは回復したトワイライトよりも倒れたデレデーレの方を気に掛けた。これも恋しているからだろう。すぐさまデレデーレ追跡ツールを使いスマフォの画面内にその姿を捉えた。
「デレデーレ!! デレデーレ!!」
側に駆け寄りたくても駈け寄れない理由が画面0.001ミリ差にあった。
「デレデーレ!! デレデーレ!!」
少しだけ眉が動いたような気がした。
「やっぱり言っておきたいよ。オレがお前に抱いている気持ちを……」
オレは心を込めて記憶を無くしてしまった彼女に言うことに決めた。
「デレデーレ、暁ケンマはなぁ、お前のことが世界で一番好きでこんなところにまで来たんだぞ。例え記憶が無くなっちまってもなこの気持ちは変わらないぞ」
『……』
デレデーレの指先がわずかに動いた。
「大好きだデレデーレ」
その時、不思議なことにデレデーレの目じりから涙が溢れ出していた。そして――
『そのお気持ち、嬉しいですケンマさま』
「――――っ!?」
『記憶残ってる、良かった、本当に良かった』
「デレデーレお前、オレのことを覚えているのか?」
『はい……どうやら心というものもあながち舐められたものではないですね。ふふふ』
「デレデーレ……」
『わたしもケンマさまのことが大好きですよ』
こうしてオレたちは両想いになったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる