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第三章 廃墟の遊園地
35話 口の悪いジェットコースターさん
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錆びれた階段を登ってジェットコースターの前までやって来ていた。
(どうやら係員さんも、さっきのキャプテン・バーサーカーみたいなのもいないわね)
「幽霊がちらほらいるくらいか……」
肩に乗っかていたデビルンがスィーーと宙を飛んで行ってそう言っていた。
「退治よ退治……この買い込んできたお札で退治よ。はぁ~~せめて一匹でもいいから撮影カメラに映ってくれないかしら……視聴者にはいい刺激になるのだけど……」
私の頭には撮影カメラ付きのヘルメットが被せられている。いつなんどきハプニングが起きてもいいように、ユーチューバー精神は忘れないようにしているのだ。
(お札が不規則に飛んで行っているだけだものねぇ……このままだと)
私は一枚5000円のお札を容赦なく、数枚使い幽霊を払っていく。
(これで安全は確保できたはず、あとはこのジェットコースターが動くかどうか……絶対動かないでしょうけど)
「なんかオカルト的パワーもあることだし、私の力で動いちゃったりしないかしら」
「ん? っていうかそんなことしなくてもこいつは動くぞ……なんの玩具か知らんけど」
「え? 動くの?」
私はジェットコースターに触れてみるため、近づいていく。そうすると手触りを感じるまるで新品のような手触りだった。
(廃園して10年もたつのに錆一つない。いったい誰が整備をしているのやら、まさかオーナーさん? それともやっぱりこの近くにもキャプテン・バーサーカー的な存在がいるの?」
だが私が驚いたのはそこではない。
『――ナニ、機体にフレてやがる、ぶっコロがすゾ。メスブタが』
「うわぁ!? なになに! 喋ったわ! このジェットコースター、今喋ったわ!」
『ウルセイ、クソガキ、ワタシの眠りの邪魔スンナ』
「え~~ナニコレAIでも搭載しているのかしら。人語を解せるなんて驚きだわ」
『どっかイケ、シッシッ』
無機質な機械音声の悪態が続く。
「ダメよ。そんな言葉づかいじゃあ、誰も寄り付かなくなるわ。もっと上品な言葉を覚えて一気にこのバナナ遊園地のシンボルになりましょう」
『ウッセ、コノ、ウンコたれ』
「……………………解体するわよ」
私は軽くムカツキを覚えた。
「お~~い、そいつはお化けだぞ~~」
「えっデビルン今なんて……これがお化け? どっからどう見ても普通のジェットコースターじゃない」
「今どきの乗り物はよく知らんが、そいつは明らかにお化けだぞ。喋ることが出来るのはそのせいだ」
『ウゼエワ、コノ小悪魔のナリぞコナイ、ピーク過ぎたマスコットかオマエは』
「…………うざ」
『ウザイのオマエラカップルでクンじゃねよ。このハゲ共、リア充乙』
「「誰がカップルかーーーー!!」」
私とデビルンの息がぴったり合った瞬間であった。
「ジェットコースターさん。貴方がお化けだと言うのなら、今から退治をするのだけれど覚悟はよろしくって……?」
『プッ、似合ワネーーファッションセンス、プププ、黒ずんだウンコだ』
「――何ですって!?」
正直言って凄くムカついた。お気に入りのファッションなのにそんなことを言われたら誰だって怒っても仕方がないじゃない。
だから、一枚5000円のお札を十枚ほど貼り付けて退治しようとした瞬間――
『――マッハ5』
――サッとジェットコースターが目の前から消えた。
「えっ――」
正確には発進したのだが、あまりの初速に目を疑った。そしてあっという間に戻ってきた。
『――妖怪退治ゴッコはヨソデやれコノウンコたれが……』
無機質な機械音声だが一瞬で理解した。
(こいつをこのままにしておけない……何てったって約6秒で戻ってきた。私の貼り付けたお札を全部剥がすために、この遊具は音速レベルにまで登り詰めた。まるでどこかの赤い戦闘機だ)
ジェットコースターの機体が赤かったので私はそう名付けた。
「どうするんだ、こいつにお札は効かないようだぞ」
(どうするも何も退治しなきゃ、邪神官のメンバーになんて報告すればいいのよ。それ以前に遊園地の再開が今回の目的なんだから、ジェットコースターをこのまま放置しておいてお客さんが乗り込んだら大変なことになるわ……一体どうすればこの化け物ジェットコースターを退治できるの)
『速く消えてクレナイカ? 周囲の迷惑にも気を配れる大きな人間にナロウナ。わかったらとっととアッチに行け。コノ腐れウンコ共』
「――勝負よ! ジェットコースターさん!」
この時の私はどうかしていたんだと思う。
(どうやら係員さんも、さっきのキャプテン・バーサーカーみたいなのもいないわね)
「幽霊がちらほらいるくらいか……」
肩に乗っかていたデビルンがスィーーと宙を飛んで行ってそう言っていた。
「退治よ退治……この買い込んできたお札で退治よ。はぁ~~せめて一匹でもいいから撮影カメラに映ってくれないかしら……視聴者にはいい刺激になるのだけど……」
私の頭には撮影カメラ付きのヘルメットが被せられている。いつなんどきハプニングが起きてもいいように、ユーチューバー精神は忘れないようにしているのだ。
(お札が不規則に飛んで行っているだけだものねぇ……このままだと)
私は一枚5000円のお札を容赦なく、数枚使い幽霊を払っていく。
(これで安全は確保できたはず、あとはこのジェットコースターが動くかどうか……絶対動かないでしょうけど)
「なんかオカルト的パワーもあることだし、私の力で動いちゃったりしないかしら」
「ん? っていうかそんなことしなくてもこいつは動くぞ……なんの玩具か知らんけど」
「え? 動くの?」
私はジェットコースターに触れてみるため、近づいていく。そうすると手触りを感じるまるで新品のような手触りだった。
(廃園して10年もたつのに錆一つない。いったい誰が整備をしているのやら、まさかオーナーさん? それともやっぱりこの近くにもキャプテン・バーサーカー的な存在がいるの?」
だが私が驚いたのはそこではない。
『――ナニ、機体にフレてやがる、ぶっコロがすゾ。メスブタが』
「うわぁ!? なになに! 喋ったわ! このジェットコースター、今喋ったわ!」
『ウルセイ、クソガキ、ワタシの眠りの邪魔スンナ』
「え~~ナニコレAIでも搭載しているのかしら。人語を解せるなんて驚きだわ」
『どっかイケ、シッシッ』
無機質な機械音声の悪態が続く。
「ダメよ。そんな言葉づかいじゃあ、誰も寄り付かなくなるわ。もっと上品な言葉を覚えて一気にこのバナナ遊園地のシンボルになりましょう」
『ウッセ、コノ、ウンコたれ』
「……………………解体するわよ」
私は軽くムカツキを覚えた。
「お~~い、そいつはお化けだぞ~~」
「えっデビルン今なんて……これがお化け? どっからどう見ても普通のジェットコースターじゃない」
「今どきの乗り物はよく知らんが、そいつは明らかにお化けだぞ。喋ることが出来るのはそのせいだ」
『ウゼエワ、コノ小悪魔のナリぞコナイ、ピーク過ぎたマスコットかオマエは』
「…………うざ」
『ウザイのオマエラカップルでクンじゃねよ。このハゲ共、リア充乙』
「「誰がカップルかーーーー!!」」
私とデビルンの息がぴったり合った瞬間であった。
「ジェットコースターさん。貴方がお化けだと言うのなら、今から退治をするのだけれど覚悟はよろしくって……?」
『プッ、似合ワネーーファッションセンス、プププ、黒ずんだウンコだ』
「――何ですって!?」
正直言って凄くムカついた。お気に入りのファッションなのにそんなことを言われたら誰だって怒っても仕方がないじゃない。
だから、一枚5000円のお札を十枚ほど貼り付けて退治しようとした瞬間――
『――マッハ5』
――サッとジェットコースターが目の前から消えた。
「えっ――」
正確には発進したのだが、あまりの初速に目を疑った。そしてあっという間に戻ってきた。
『――妖怪退治ゴッコはヨソデやれコノウンコたれが……』
無機質な機械音声だが一瞬で理解した。
(こいつをこのままにしておけない……何てったって約6秒で戻ってきた。私の貼り付けたお札を全部剥がすために、この遊具は音速レベルにまで登り詰めた。まるでどこかの赤い戦闘機だ)
ジェットコースターの機体が赤かったので私はそう名付けた。
「どうするんだ、こいつにお札は効かないようだぞ」
(どうするも何も退治しなきゃ、邪神官のメンバーになんて報告すればいいのよ。それ以前に遊園地の再開が今回の目的なんだから、ジェットコースターをこのまま放置しておいてお客さんが乗り込んだら大変なことになるわ……一体どうすればこの化け物ジェットコースターを退治できるの)
『速く消えてクレナイカ? 周囲の迷惑にも気を配れる大きな人間にナロウナ。わかったらとっととアッチに行け。コノ腐れウンコ共』
「――勝負よ! ジェットコースターさん!」
この時の私はどうかしていたんだと思う。
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