浮気な彼氏

月夜の晩に

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【浮気な彼氏#4-3】

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そうして彼との時間は過ぎていく。

 彼と話すのはやっぱり楽しかった。お酒を勧められるがままに飲み、いつしか僕は酔っ払ってしまったみたいだった。






アキトさんの肩に頭を預け、なんとなしに話してしまった。


「・・僕。あまりに平凡なんです。見た目も普通、特技もない。小説とか、絶対書けないし」

「だから、元彼みたいにカッコよくて素敵な人に愛されてる自分、が必要だった訳だな」



アキトさんは僕の言葉を引き継ぐ様にいった。

そ。そのとおりです。なんでもお見通しなんですね。

骨ばった手が僕の頭を撫でた。



「俺はそのままの君が良いと思うけどねえ。君は自分を平凡だと言うけれど、良いモン持ってると思うよ?」

「・・良いモンて?」



「素直な所と、スレてない所と、あとは可愛げがある、だな」

「可愛いって何です?元彼にも言われてたんですけど」



「まあこれは説明し難いからな~。良いじゃん顔は普通でも可愛いんだよ君はさ。俺、君がまん丸体型になっても多分好きだよ」

「・・・」



「という言葉をきっと、元彼から言われたかったのに、ソイツはくれなかったんだろう?でも俺は言うぜ。本心からな。だからさ、俺にしときなよ」


そういった彼の言葉はまっすぐ僕の心に染み込んだ。

ただおやすみなさいと言って、僕は眠りについた。








明け方に目を覚ました。僕にはふわふわの毛布が掛けられていた。隣で眠るアキトさんを起こさない様にして立ち上がる。

キッチンで水を飲みながら、結局アキトさんの家に泊まってしまったなと思った。





カーテンを少し開けてみる。 窓から見える朝焼けが眩しい。


海沿いの街を守る様に覆う赤い空はあまりに美しくて、1人の時に見たら理由もなく泣いてしまいそうだ。


ただただ朝焼けを見つめていた。 色んな想いが心の中を巡った。






男らしい手が僕を後ろからそっと抱きしめた。


低い声が耳元で囁く。


「俺の名前ね、漢字で書くと暁の都でアキトって読むんだよ。ちょうどこんな景色みたいだろ?」


包むみたいな空気で、赤みたいに情熱的で、美しくて。


「・・確かに、あなたにピッタリですね」


「俺が本当の名前教えるの、お前だけだからな」



ゾクリと心が震えた。 僕はたまらなくなって、彼の方を振り向くと自分から唇を重ねた。

もっとあなたのことを教えて。





続く
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