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稼業が嫌で逃げたらそこは異世界だった
23.どうやら勇者がピンチらしい
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俺は目の前の光景を疑わずにはいられなかった。
転がっている酒瓶に腕を組みながら笑う二人の姿。誰が想像できただろうか。さっきまであんなに言い合っていたのに。
リセのところにイリーナを連れて帰り、争いが始まった。俺、別に嫁を迎えるつもりも、自称女神に執着される理由もないんだけど。
それが気が付いたら争いが終わっていて、今では二人で楽しそうに笑っている。
そういえばあいつ、同姓からも距離を置かれていたよな。そのリセと仲良くできるイリーナってもしかしたら大物なのかもしれない。もしくは、あいつと同類か。
「お前たち、あんまり騒ぎすぎるなよ」
そう言うと二人そろって「「はーい」」なんて言ってくるので、とりあえず放っておくとする。楽しくやっているのならそれでいいや。
さて、俺が倒す分のゴブリン討伐は終わった。あとは飛鳥が何とかしてくれるだろう。
最近ゴブリン盗伐の為にずっと動き回っていた。気を張っていたから特に気にならなかったけど、終わったと思った瞬間、急に疲れを感じた。足腰が地味に痛い。
俺も何かを食べようと思い、メニューを見ていくつか注文する。文字がはっきりと分からなかったが、絵があって助かった。
注文し終わった後、机に肘をつきながら仲良くお酒を飲む二人の姿を眺めていた。
「そうよ、私たちの主様は凄いのよ!」
「あはははは、にょららららあ、でははははははは、もろひゃ!」
リセはすでに言葉を喋れなくなっていた。それでもイリーナはリセが何を言っているのか理解できてるみたいだ。
「お待たせしました。マッスルの腸腰筋の素揚げと、ナナトリチュームのクリームスープです」
俺の前に並べられたのは、七色に混ざり合う謎のクリームスープとカエルの足のような揚げ物だった。衣とかはついておらず、本当にただの素揚げのようだ。
マッスルとナナトリチュームが何なのか全然予想できないんだけど、きっと大丈夫だろう。
カエルの足のような揚げ物を手で掴みワイルドに噛み千切る。淡泊な味わいだけど妙に歯ごたえが良くて癖になりそうな味がした。
続いて七色に混ざり合うスープをスプーンですくう。コレ、一体どういう原理なんだろう。七つの色がぐるぐると混ざっているのに色が七つというのは変わらない。色が絶えず変化しているはずなのに、絶対に七つの色が存在し、それがずっと混ざり続けている。スプーンを入れてもそれは変わらない。すくったスープもスプーンの上で七色に混ざり合う。ちょっとヤバい雰囲気があるのだが、注文したのに食べないのはもったいない。目を瞑り、そっと口に運ぶ。
すると口の中で何とも不思議な味が広がった。
「うわ、旨いなコレ……」
色それぞれ味も触感も何もかもが異なっていた。それぞれ違う味のはずなのに、互いの味をじゃませず調和している。スープを飲んでいるという感覚よりも、七つの食べ物をいっぺんに食べている感覚に近いかもしれない。
「諸刃ー、私にもちょうだい!」
「おう、好きなだけもってけ」
リセがカエルの足のような素揚げを手に取りカジカジと食べ始めた。
おや、イリーナはどこに行った、そう思った時に服の袖を引っ張られた。
視線をずらすと、イリーナが俺の袖をつかみながら上目遣いで見つめていた。
「主様、それからとてもおいしそうなにおいがします!」
「そうか、一口食うか?」
「はい!」
イリーナは嬉しそうにして口を開けたので、スプーンでスープをすくい、イリーナに食べさせてやる。
その瞬間に周りから舌打ちが聞こえた。今のは気にしなかったことにしよう。
その後は特に面白いこともなく、良い感じお時間になったので、俺たちはゆっくり休むことにした。
翌日
いつも通りの時間に目を覚ました俺は、朝練をするために宿の部屋を出た。
受付まで行くと、少しいい匂いがした。受付の近くに食堂があるらしく、今は朝食の準備が行われているらしい。朝練後の朝食が少し楽しみになった。この世界には俺の知らない料理がある。いつか店を持った時の為にいろんな味を見てみるのも面白いかもしれない。
外で基礎練習をある程度行い、宿の中に戻ってくるとイリーナとリセがそわそわしながら待っていた。二人の目線をたどると、先ほど朝食の準備を行っていた部屋だった。
おいしいものは人を幸せにしてくれる。あの頭のおかしいリセも、ゴブリンであるイリーナでさえも幸せにしてくれる。料理はなんて素晴らしいんだろうか。
「二人とも、おはよう」
「あびびびびびびびあびぃあ」
「馬鹿リセ、変な声あげんなよ!」
「そうです! 主様を困らせないで下さい!」
リセが突然奇怪な言葉を話し始めたので、俺とイリーナが止める。するとのじゃロリが俺をちゃかしてきた。
『のじゃ! 朝から女を襲っている変態がおるのじゃ! 朝から寝てる儂を振り回す諸刃への復讐じゃぁぁぁぁぁっ!』
心狭いなこいつ!
寝てるのじゃロリで素振りしたせいで機嫌が悪くなっていたようだ。俺が変態だとわめきだす。周りからひそひそと声が聞こえてきたのでリセはイリーナに任せ、のじゃロリは暴力で黙らせた。のじゃロリが人間だったら暴力に抵抗感が出てくるかもしれないけど、こいつはしょせん刀、道具だ。いくら暴力を振るおうが地面にたたきつけようが、何も罪悪感を感じない。
『のじゃぁ! 痛い、臭い、汚いのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
ある程度やるとぐずりはじめたので、のじゃロリを鞘にしまい、外に放り投げる。適当に捨てても勝手に戻ってくるから便利だよな、あいつ。
リセの奇声もイリーナが納めてくれた。事情を聴いたイリーナが言うには……。
朝食がおいしそうで思わず女神語が出たとかなんとか。女神語ってなに?
多少騒いでしまったが、無事に朝食にありつく。ビュッフェスタイルの朝食だった。とは言っても、日本特有のなぜか食べ放題てきなビュッフェではない。スープやサラダなど、ある種の項目ごとに料理が配置されており、どれか好きなものを一つ選ぶスタイルだ。普通は好きなものを取って、それに合わせて料金を請求されるスタイルなんだけど、宿に泊まる時に朝食代は払っている。料金以上のものになった場合追加請求される仕組みのようだ。
この世界の文化に詳しくないので、周りの人を見ながら、自分の好きな料理を適量よそっていく。
リセとイリーナは二人仲良く料理を選んでいたので、俺は先に席を確保して座って待っていた。座った席の近くに、異世界版新聞のようなものが置いてあった。二人がくるまで暇だったので、異世界版新聞を読むことにした。
「えっと…………は?」
ただ暇つぶしの興味本位に開いた異世界版新聞。そこにはちょっと予想外なことが書かれていた。
「…………魔王軍の陣を発見したって。コレ、新聞に書いていいことなのかよ」
普通、敵を発見したとしても新聞のような情報誌に載せることはないと思っていた。
誰もが見る情報誌、不特定多数の人たちに見られるものに重要な機密事項は載せられない。国内の情報があっさりと敵に知られてしまう可能性があるからだ。
この国の軍務担当者は馬鹿だろうと思う。
ただ、この情報をしれてよかったと思った。
異世界版新聞でこの情報を知ることが出来て本当に良かったと思う。
異世界版新聞を閉じるとリセとイリーナが戻ってきた。
「ご主人、おいしそうなの持ってきた!」
「ねえ見てみて諸刃! おいしそうなの持ってきた」
二人は全く同じメニューを見せびらかし、おいしそう、選んできたと言ってくる。だけどその言葉があまり俺の耳に入ってこなかった。それよりも、この異世界版新聞で知ったことの方が重要だったからだ。
『のじゃ、何難しい顔しているのじゃ?』
気が付くと、さっき捨ててやったはずののじゃロリが戻ってきた。
俺はみんなに向き直り、今後の予定を話した。
「これを食べ終わったら飛鳥ーー勇者一行が向かった方に進むぞ。そっちの方に魔王軍幹部の軍勢が見つかったらしい」
まさか飛鳥が討伐しに行った町のすぐ近くに、魔王軍幹部が率いる軍勢がやってくるとは思わなかった。
これは、このままゆっくりしているわけにはいかない。なんとしても助けに行かなくては!
転がっている酒瓶に腕を組みながら笑う二人の姿。誰が想像できただろうか。さっきまであんなに言い合っていたのに。
リセのところにイリーナを連れて帰り、争いが始まった。俺、別に嫁を迎えるつもりも、自称女神に執着される理由もないんだけど。
それが気が付いたら争いが終わっていて、今では二人で楽しそうに笑っている。
そういえばあいつ、同姓からも距離を置かれていたよな。そのリセと仲良くできるイリーナってもしかしたら大物なのかもしれない。もしくは、あいつと同類か。
「お前たち、あんまり騒ぎすぎるなよ」
そう言うと二人そろって「「はーい」」なんて言ってくるので、とりあえず放っておくとする。楽しくやっているのならそれでいいや。
さて、俺が倒す分のゴブリン討伐は終わった。あとは飛鳥が何とかしてくれるだろう。
最近ゴブリン盗伐の為にずっと動き回っていた。気を張っていたから特に気にならなかったけど、終わったと思った瞬間、急に疲れを感じた。足腰が地味に痛い。
俺も何かを食べようと思い、メニューを見ていくつか注文する。文字がはっきりと分からなかったが、絵があって助かった。
注文し終わった後、机に肘をつきながら仲良くお酒を飲む二人の姿を眺めていた。
「そうよ、私たちの主様は凄いのよ!」
「あはははは、にょららららあ、でははははははは、もろひゃ!」
リセはすでに言葉を喋れなくなっていた。それでもイリーナはリセが何を言っているのか理解できてるみたいだ。
「お待たせしました。マッスルの腸腰筋の素揚げと、ナナトリチュームのクリームスープです」
俺の前に並べられたのは、七色に混ざり合う謎のクリームスープとカエルの足のような揚げ物だった。衣とかはついておらず、本当にただの素揚げのようだ。
マッスルとナナトリチュームが何なのか全然予想できないんだけど、きっと大丈夫だろう。
カエルの足のような揚げ物を手で掴みワイルドに噛み千切る。淡泊な味わいだけど妙に歯ごたえが良くて癖になりそうな味がした。
続いて七色に混ざり合うスープをスプーンですくう。コレ、一体どういう原理なんだろう。七つの色がぐるぐると混ざっているのに色が七つというのは変わらない。色が絶えず変化しているはずなのに、絶対に七つの色が存在し、それがずっと混ざり続けている。スプーンを入れてもそれは変わらない。すくったスープもスプーンの上で七色に混ざり合う。ちょっとヤバい雰囲気があるのだが、注文したのに食べないのはもったいない。目を瞑り、そっと口に運ぶ。
すると口の中で何とも不思議な味が広がった。
「うわ、旨いなコレ……」
色それぞれ味も触感も何もかもが異なっていた。それぞれ違う味のはずなのに、互いの味をじゃませず調和している。スープを飲んでいるという感覚よりも、七つの食べ物をいっぺんに食べている感覚に近いかもしれない。
「諸刃ー、私にもちょうだい!」
「おう、好きなだけもってけ」
リセがカエルの足のような素揚げを手に取りカジカジと食べ始めた。
おや、イリーナはどこに行った、そう思った時に服の袖を引っ張られた。
視線をずらすと、イリーナが俺の袖をつかみながら上目遣いで見つめていた。
「主様、それからとてもおいしそうなにおいがします!」
「そうか、一口食うか?」
「はい!」
イリーナは嬉しそうにして口を開けたので、スプーンでスープをすくい、イリーナに食べさせてやる。
その瞬間に周りから舌打ちが聞こえた。今のは気にしなかったことにしよう。
その後は特に面白いこともなく、良い感じお時間になったので、俺たちはゆっくり休むことにした。
翌日
いつも通りの時間に目を覚ました俺は、朝練をするために宿の部屋を出た。
受付まで行くと、少しいい匂いがした。受付の近くに食堂があるらしく、今は朝食の準備が行われているらしい。朝練後の朝食が少し楽しみになった。この世界には俺の知らない料理がある。いつか店を持った時の為にいろんな味を見てみるのも面白いかもしれない。
外で基礎練習をある程度行い、宿の中に戻ってくるとイリーナとリセがそわそわしながら待っていた。二人の目線をたどると、先ほど朝食の準備を行っていた部屋だった。
おいしいものは人を幸せにしてくれる。あの頭のおかしいリセも、ゴブリンであるイリーナでさえも幸せにしてくれる。料理はなんて素晴らしいんだろうか。
「二人とも、おはよう」
「あびびびびびびびあびぃあ」
「馬鹿リセ、変な声あげんなよ!」
「そうです! 主様を困らせないで下さい!」
リセが突然奇怪な言葉を話し始めたので、俺とイリーナが止める。するとのじゃロリが俺をちゃかしてきた。
『のじゃ! 朝から女を襲っている変態がおるのじゃ! 朝から寝てる儂を振り回す諸刃への復讐じゃぁぁぁぁぁっ!』
心狭いなこいつ!
寝てるのじゃロリで素振りしたせいで機嫌が悪くなっていたようだ。俺が変態だとわめきだす。周りからひそひそと声が聞こえてきたのでリセはイリーナに任せ、のじゃロリは暴力で黙らせた。のじゃロリが人間だったら暴力に抵抗感が出てくるかもしれないけど、こいつはしょせん刀、道具だ。いくら暴力を振るおうが地面にたたきつけようが、何も罪悪感を感じない。
『のじゃぁ! 痛い、臭い、汚いのじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ』
ある程度やるとぐずりはじめたので、のじゃロリを鞘にしまい、外に放り投げる。適当に捨てても勝手に戻ってくるから便利だよな、あいつ。
リセの奇声もイリーナが納めてくれた。事情を聴いたイリーナが言うには……。
朝食がおいしそうで思わず女神語が出たとかなんとか。女神語ってなに?
多少騒いでしまったが、無事に朝食にありつく。ビュッフェスタイルの朝食だった。とは言っても、日本特有のなぜか食べ放題てきなビュッフェではない。スープやサラダなど、ある種の項目ごとに料理が配置されており、どれか好きなものを一つ選ぶスタイルだ。普通は好きなものを取って、それに合わせて料金を請求されるスタイルなんだけど、宿に泊まる時に朝食代は払っている。料金以上のものになった場合追加請求される仕組みのようだ。
この世界の文化に詳しくないので、周りの人を見ながら、自分の好きな料理を適量よそっていく。
リセとイリーナは二人仲良く料理を選んでいたので、俺は先に席を確保して座って待っていた。座った席の近くに、異世界版新聞のようなものが置いてあった。二人がくるまで暇だったので、異世界版新聞を読むことにした。
「えっと…………は?」
ただ暇つぶしの興味本位に開いた異世界版新聞。そこにはちょっと予想外なことが書かれていた。
「…………魔王軍の陣を発見したって。コレ、新聞に書いていいことなのかよ」
普通、敵を発見したとしても新聞のような情報誌に載せることはないと思っていた。
誰もが見る情報誌、不特定多数の人たちに見られるものに重要な機密事項は載せられない。国内の情報があっさりと敵に知られてしまう可能性があるからだ。
この国の軍務担当者は馬鹿だろうと思う。
ただ、この情報をしれてよかったと思った。
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「ご主人、おいしそうなの持ってきた!」
「ねえ見てみて諸刃! おいしそうなの持ってきた」
二人は全く同じメニューを見せびらかし、おいしそう、選んできたと言ってくる。だけどその言葉があまり俺の耳に入ってこなかった。それよりも、この異世界版新聞で知ったことの方が重要だったからだ。
『のじゃ、何難しい顔しているのじゃ?』
気が付くと、さっき捨ててやったはずののじゃロリが戻ってきた。
俺はみんなに向き直り、今後の予定を話した。
「これを食べ終わったら飛鳥ーー勇者一行が向かった方に進むぞ。そっちの方に魔王軍幹部の軍勢が見つかったらしい」
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