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第1章 執着と躾
先生
しおりを挟む校長ではなく有栖川は施設を任されていると言っていたのが引っかかるが、瞬は先生なんだと理解して有栖川の事を先生と呼んだ。
「先生。あのお手洗いはどこでしょう?」
すると有栖川は優しく笑った。
「瞬くん。まだこれから説明すつもりでしたが、ここでの排泄は必ずチューターと共に行ってください。それがここのルールです。これも健康管理の一環ですから、勝手にする事は許されません。
まずは瞬くんのチューターを紹介します榊くん入りたまえ」
さっき玄関で会った警官のような制服を着た人が現れて瞬はドキリとする。
「この先彼と一緒に3年間お勉強をする事になるんですよ。彼はとてもお勉強ができるのできっと瞬くんもここを出る時には立派に成長できると思います。堂島様もそれを心待ちにしていらっしゃいますからね。しっかりと榊くんに従ってお勉強を頑張るんですよ。
でもまずはどこに出てもみんなから愛されるようにマナーを躾ける事からするように言われていますから、榊くんの言うことをきかないとダメですよ。
では榊くん、早速ですが瞬くんにここでの排泄について教えてあげてください」
「はい」
その男の声を初めて聞いたが、どこかズキンと身体の芯に響く大人の男の声がした。
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