花の庭と実りの庭

mokia

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国を充たす棟

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 棟の中は空洞だった。壁に螺旋階段が有って一応上にも行けるけど何も無いらしい。国を一望出来るように窓が有るから、見に行っても良いけどと、言われたけどまた今度にする。

 この棟は見せかけで地下に空間がある。ここに精霊王が眠って居る。精霊王がこの地に愛し子を逃がし、愛し子の為にこの国を作り、この地を祝福した。この地を人の住める土地にするには相当の力を必要となった。他の精霊達と一緒に愛し子の為に力を使い、残りの力を使って、この地に祝福を残した。ここは花の山と実りの山の境目、大公家は山を挟んで反対側に有るところ。
 

 地下は長い階段を下り、石畳の通路を通る。光る蔦が通路を照らしていた。暫く歩くと広い空間に出る。大きな大木の幹が壁のように成ってる空間に出た。大木は眩しく無い程度に発光している。

「ツツィ、ここは、山の中腹に近い場所だよ。」

 この大木の先に山の上で花が咲き、実がなる。精霊達の力を使って、花や実を常につけ、力があふれると花や実をつけるから、それでも今代の力がわかる。

 僕達が結婚して魔力が混ざり終わったら、ここにきて交わり、この大木に魔力を捧げる。年に1度ここで交わり、魔力がこの大木に魔力に馴染んだら、ルド様が精霊王になる。
 先に今代の精霊王に挨拶をする。大木の中心に通路があり、大木の中央にその方はいた。全身が透明にな石になった精霊王が。

“ようやく来たか、危ないところだった。”

「お初に“挨拶はいらない”、はい。」

 精霊王様は話せるんだ。

“私の力はもう無い、ここに力を注げる者を用意出来るのははお前達で最後だ。それが私を次ぐならば次を用意出来るように成るだろが。後10年もすればこの国は砂漠にのまれ始める事になる。”

「今日は私達の魔力を登録しに来た。馴染むために準備が要ると聞いてる。」

“そうだ。奉納の間と反対側に有る、申告の間で過ごせ。数日有れば登録出来る。さらに半年か1年後には奉納出来るようになる。山が知らせるだろう”

 
「ツツィ、申告の間へ行こう。」

「はい、ルド様。」

 ここで魔力を捧げないとこの国終わるの?

 まさか実際に奉納の必要が有るとは知らなかった。ルド様は知ってたみたいだけど、期限が有るとは知らなかったみたい。何か色々ギリギリだったのかなぁ、この国。

 取りあえず、お篭りするならエメリアに夜着を用意して貰わなくては。

 エメリアに夜着をきせてもらい、ルド様と二人申告の間へ。一応儀式なのでパレードの時に着た、神話の服みたいな衣装にして貰った。ゆったりした生地なので、窮屈にならずそれなりに見栄えがする服として。

 ルド様もお揃いです。

 二人で申告の間へ入り数日過ごす、出入り出来なくなる。他に人も入れない、終わるまで二人だ。何があっても二人…はぁ、僕どうなっちゃうの?

 ちょっと興奮しながら入室した申告の間、そのほとんどを水で覆われていた。

「ルド様、ここに入るのでしょうか?」

「多分、そうだね。私が先に入ろう。」

ゆっくりと足を入れたルド様、扉のすぐは玄関のように水から出ていて、その続きが階段になり、だんだん深くなっている。ルド様の腰辺りまで深くなっているみたい。
深さを確認したルド様が僕に手を伸ばす。5段程の階段を降りる。ルド様は腰までだけど僕には胸まで有る。水はとくに冷たさは感じない、と言うか温度を感じない。
 ゆっくり部屋の奥に行くと少し台に成ってる場所が有った。二人でそこに座る。

「ルド様、ここで何をするんですか?」

「本来なら交わる方がいいんだけど僕達はまだお預けだから、気持ち良い事をしよう。」

「はい、ルド様、僕先に口付けが欲しいです。」

「お望みのままに、愛しい人」

 ルド様の膝に乗り上げ口付けをねだる。ゆったりしたズボンは水分を含んで少し重たかった。

 沢山愛されて、気付くと部屋の様子が変わっていた。水が無くなっていたのだ。

 ルド様と一緒に部屋を出る。部屋を出ると服が元通りに乾いていた。

 僕達は3日も篭っていたらしい。一睡もしてないんだけど。エメリアに別の部屋へ案内され、取りあえず寝る事にした。
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