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第一章 聖王都追放
報告<アンガス視点>
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「……ノートン。今、しくじったと言ったのかい?」
大商人ノートンの豪邸の一室。ノートン商会の用心棒アンガスは主人と共に、リチャードに指示されたエレノアの暗殺が未遂に終わった事を報告をしていた。
暗殺成功の報を確信していたのか、第一報を聞いたリチャードは表情に不機嫌を隠そうとしなかった。
「……リ、リチャード様、どうか御許しを! アンガスッ、早くリチャード様に報告するんだっ!」
ノートンはリチャードに対し土下座をすると、アンガスを叱りつけ、詳細な報告を促した。
「リチャード様、申し訳ございません。……エレノアに熾天翼を展開されました。一瞬で返り討ちです」
「……熾天翼だと? ……馬鹿な、魔封銀の手枷はどうしたんだ。……魔法は使えないはずじゃないか!」
リチャードの言う通りエレノアは魔封じの手枷に両手を拘束され、その働きにより魔法は封じられていたはずだった。
そして、実は護送していたノートン商会の用心棒の面々も、開錠用の鍵を持たされていなかった。一応、聞かれた時の為に持たされていた鍵は偽物で、リチャードは最初からエレノアを無事解放するつもりがなかったのである。
拘束を解く手立ては、山中のあの場には無かった。だが、アンガスが目の当たりにしたのは、魔封じの手枷を砕き、崖下から光翼を背に強襲をかけるエレノアの姿。
「リチャード様、その事なんですが、魔封じの手枷が粉々に砕けました」
「……粉々?」
「ええ、文字通りコナゴナです。……不良品だったのでしょうか?」
「枷の動作は事前に実験済みだ。ありえない。……アンガス、私に嘘をついていないだろうな!?」
リチャードに疑われアンガスは、即座に服を脱ぐと熾天翼によって受けた負傷の傷痕を披露した。放たれた光刃に直接射抜かれたものではなく、地面への爆撃で発生した衝撃波および石礫によるものである。
それでも紫色の痣が広範囲に浮かび痛々しい様相を見せていた。あえて治療をしなかったのは、リチャードに見せる為、残しておくようノートンから強く言われての事だった。
「おそらく手加減されたと思いますが、当たり処が悪ければ死んでいたかと。……彼女が、その気だったら皆殺しでしょう」
その傷痕の様子を見てリチャードが顔をしかめた。見たくないものを見せるなと言わんばかりの顔だったが、アンガスは意に介さなかった。
ノートンの指示もあるが、あの場で起きた惨状の一欠片でも見てみたらいいという、腹立たしさもあっての事だった。
「……ロランド司教に報告しておく。エリン大聖堂の方で治療を受けてくれ」
「はっ、ありがたき処遇。そのように致します。……アンガス、お前も頭を下げろ!」
ノートンの叱責を受け、アンガスも倣うように頭を下げた。
「しかし、魔封銀が砕けるなんて聞いた事がない。……いや……だが、あの悪魔の事だ。有り得ない話ではないのか!?」
「……リチャード様。彼女は最高魔力と称された、文字通り桁違いの存在です。大いに有り得るかと」
ノートンは恐る恐るリチャードに進言した。
アンガスにとっては有り得るではない。有ったのだ。少なくともエレノアの言動からして、魔封銀に対する奥の手があったのは明白だった。
「……忌々しい偽聖女め。……それでエレノアはどうなった。……まさか、まだ聖王国内に居るのか!?」
リチャードは金髪をかきむしると、端正な顔をひきつらせ喚き散らした。神経質に親指の爪を噛み始め、怒りからか眼球がぴくぴくと痙攣している。
(……聖王様も罪なお方だ。貴方の御子息様は御覧の有様だ)
アンガスはリチャードの有様を見て、表情には出さなかったが内心呆れていた。
身体の線が細く勇猛さに欠け、魔力量も平凡だったリチャードが、実父である聖王アレクシスから明確に受け継いだと言えるものは、どうやら智略の才らしい。普段はもう少し余裕があり、頭も回る方なのである。現に主人であるノートンをあっという間に篭絡をする手腕を見せていた。
容姿に優れ、外面は良く、脅威になり得ない庶民には気さくに接している為か、アレクシスのような威風堂々とした威厳こそないものの、国民の人気も若い女性を中心にそれなりには高い。しかし、アレクシスが関わる事、とりわけエレノアの事になると感情的になった。
今後もこの執着が続くようであれば、いずれ彼のメッキが剥がれ地金を晒す事になるかもしれない。これ以上エレノアには関わるべきではなく、国外追放で良しとして、忘れなくてはいけないのではないか。
それを、この歪んだ王子が理解して良しとするかどうか。今後の聖王国の命運がそこにかかっているように思えた。
「手加減をした処からして、聖王国に敵対の意思はないと思います。……エレノアは山岳を北に向けて飛び立ちました。結果的にはリチャード様が国内に触れ回った通り、国外追放という体裁にはなったかと」
アンガスは、エレノアに山越えをして国外に出る事を勧めておいた。あれから一晩、部下の治療に当たりつつ野宿をしたが、彼女が早朝までに戻ってこなかったのは確認済みである。
聖王国内に引き返したとリチャードが聞いたら、どういう指示が飛ぶか予測がつかなかった。捕縛に白竜騎士団を出動させる事になるかもしれない。
それはノートン商会にとって不味い事態が起こるかもしれないし、親しい知人の聖騎士が居るらしいエレノアが望む事でもないだろう。
そして、これ以上エレノアと対峙するリスクを避けたいという利己を含む判断も含まれていた。あの爆撃で部下に誰一人死者が出なかったのは、手加減があったと考慮しても非常についていたと言っていい。
「……そうだった。国外追放だよ! 私はそう言った! ……ノートン、アンガス、君たちが追放予定の偽聖女エレノアを勝手に私刑にしようとした。間違いないね」
唐突に責任を擦り付けたリチャードに対し、続けてノートンの声。
「そ……その通り、全てアンガスめの独断です。申し訳ございません!」
擦り付けの連鎖。
(……おい、てめえらが!)
声にもならない声。アンガスは顔を引きつらせそうになったが、辛うじて堪えた。
二人の取り繕うような笑顔。そしてエレノアの蔑むような視線を思い出した。それらは自らが惨めな狗である事をわからせるには十分だった。
「ははっ、そうか。アンガス。駄目じゃないか。……だが、気持ちはわかるよ! うん、その事は不問にしよう。……少しノートンと話があるから、君は下がりたまえ」
一安心したのか、やけにハイテンションになったリチャードを目の当たりにしながら、アンガスは無言で一礼をした後、部屋を退出した。
すると緊張が解けた為か、先程披露した傷痕がじわじわと痛みだし始めた。
(……くそっ……ふざけやがって……やってられるか)
激痛が走り、アンガスは苦悶の表情を浮かべた。ストレスが傷に悪い作用を起こしていたかもしれないが、やはり負傷のダメージが単純に大きい。
有り体に言って彼女は化け物である。用心棒としてはそれなりに名の売れたアンガスだったが、光翼を纏ったエレノアの前では、自分が築き上げたキャリアなど何一つ無意味な事をわからせるには十分だった。
そのような存在と対峙し、怒らせた上で生きていられたのは運が良かったからである。エレノアに対する裏切り行為を考えれば、命を取られなかっただけでも慈悲深いとも言えた。
そして、聖王アレクシスが病に伏せたのをいい事に、黒に近いグレーな案件が増えていたノートン商会の仕事も、今回の件は自分の中で完全に一線を越えてしまっていた。
(退職……は、きっと生きたままの状態では無理だな。くそ……いっそ、あの時に)
あの時、アンガスにはエレノアがさながら断罪の天使に映っていた。そして、光翼を纏ったエレノアに対し死罰を懇願したのは自らの意思である。だが、その審判がアンガスに下る事はなかった。
苦痛を堪えながらアンガスは与えられた自室に戻った。明日、大聖堂で治療を受けるまでは、この痛みに耐える必要があり、そして、治療を受けた後も、耐えがたい痛みは続くのだろうと予感していた。
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暗殺成功の報を確信していたのか、第一報を聞いたリチャードは表情に不機嫌を隠そうとしなかった。
「……リ、リチャード様、どうか御許しを! アンガスッ、早くリチャード様に報告するんだっ!」
ノートンはリチャードに対し土下座をすると、アンガスを叱りつけ、詳細な報告を促した。
「リチャード様、申し訳ございません。……エレノアに熾天翼を展開されました。一瞬で返り討ちです」
「……熾天翼だと? ……馬鹿な、魔封銀の手枷はどうしたんだ。……魔法は使えないはずじゃないか!」
リチャードの言う通りエレノアは魔封じの手枷に両手を拘束され、その働きにより魔法は封じられていたはずだった。
そして、実は護送していたノートン商会の用心棒の面々も、開錠用の鍵を持たされていなかった。一応、聞かれた時の為に持たされていた鍵は偽物で、リチャードは最初からエレノアを無事解放するつもりがなかったのである。
拘束を解く手立ては、山中のあの場には無かった。だが、アンガスが目の当たりにしたのは、魔封じの手枷を砕き、崖下から光翼を背に強襲をかけるエレノアの姿。
「リチャード様、その事なんですが、魔封じの手枷が粉々に砕けました」
「……粉々?」
「ええ、文字通りコナゴナです。……不良品だったのでしょうか?」
「枷の動作は事前に実験済みだ。ありえない。……アンガス、私に嘘をついていないだろうな!?」
リチャードに疑われアンガスは、即座に服を脱ぐと熾天翼によって受けた負傷の傷痕を披露した。放たれた光刃に直接射抜かれたものではなく、地面への爆撃で発生した衝撃波および石礫によるものである。
それでも紫色の痣が広範囲に浮かび痛々しい様相を見せていた。あえて治療をしなかったのは、リチャードに見せる為、残しておくようノートンから強く言われての事だった。
「おそらく手加減されたと思いますが、当たり処が悪ければ死んでいたかと。……彼女が、その気だったら皆殺しでしょう」
その傷痕の様子を見てリチャードが顔をしかめた。見たくないものを見せるなと言わんばかりの顔だったが、アンガスは意に介さなかった。
ノートンの指示もあるが、あの場で起きた惨状の一欠片でも見てみたらいいという、腹立たしさもあっての事だった。
「……ロランド司教に報告しておく。エリン大聖堂の方で治療を受けてくれ」
「はっ、ありがたき処遇。そのように致します。……アンガス、お前も頭を下げろ!」
ノートンの叱責を受け、アンガスも倣うように頭を下げた。
「しかし、魔封銀が砕けるなんて聞いた事がない。……いや……だが、あの悪魔の事だ。有り得ない話ではないのか!?」
「……リチャード様。彼女は最高魔力と称された、文字通り桁違いの存在です。大いに有り得るかと」
ノートンは恐る恐るリチャードに進言した。
アンガスにとっては有り得るではない。有ったのだ。少なくともエレノアの言動からして、魔封銀に対する奥の手があったのは明白だった。
「……忌々しい偽聖女め。……それでエレノアはどうなった。……まさか、まだ聖王国内に居るのか!?」
リチャードは金髪をかきむしると、端正な顔をひきつらせ喚き散らした。神経質に親指の爪を噛み始め、怒りからか眼球がぴくぴくと痙攣している。
(……聖王様も罪なお方だ。貴方の御子息様は御覧の有様だ)
アンガスはリチャードの有様を見て、表情には出さなかったが内心呆れていた。
身体の線が細く勇猛さに欠け、魔力量も平凡だったリチャードが、実父である聖王アレクシスから明確に受け継いだと言えるものは、どうやら智略の才らしい。普段はもう少し余裕があり、頭も回る方なのである。現に主人であるノートンをあっという間に篭絡をする手腕を見せていた。
容姿に優れ、外面は良く、脅威になり得ない庶民には気さくに接している為か、アレクシスのような威風堂々とした威厳こそないものの、国民の人気も若い女性を中心にそれなりには高い。しかし、アレクシスが関わる事、とりわけエレノアの事になると感情的になった。
今後もこの執着が続くようであれば、いずれ彼のメッキが剥がれ地金を晒す事になるかもしれない。これ以上エレノアには関わるべきではなく、国外追放で良しとして、忘れなくてはいけないのではないか。
それを、この歪んだ王子が理解して良しとするかどうか。今後の聖王国の命運がそこにかかっているように思えた。
「手加減をした処からして、聖王国に敵対の意思はないと思います。……エレノアは山岳を北に向けて飛び立ちました。結果的にはリチャード様が国内に触れ回った通り、国外追放という体裁にはなったかと」
アンガスは、エレノアに山越えをして国外に出る事を勧めておいた。あれから一晩、部下の治療に当たりつつ野宿をしたが、彼女が早朝までに戻ってこなかったのは確認済みである。
聖王国内に引き返したとリチャードが聞いたら、どういう指示が飛ぶか予測がつかなかった。捕縛に白竜騎士団を出動させる事になるかもしれない。
それはノートン商会にとって不味い事態が起こるかもしれないし、親しい知人の聖騎士が居るらしいエレノアが望む事でもないだろう。
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「……そうだった。国外追放だよ! 私はそう言った! ……ノートン、アンガス、君たちが追放予定の偽聖女エレノアを勝手に私刑にしようとした。間違いないね」
唐突に責任を擦り付けたリチャードに対し、続けてノートンの声。
「そ……その通り、全てアンガスめの独断です。申し訳ございません!」
擦り付けの連鎖。
(……おい、てめえらが!)
声にもならない声。アンガスは顔を引きつらせそうになったが、辛うじて堪えた。
二人の取り繕うような笑顔。そしてエレノアの蔑むような視線を思い出した。それらは自らが惨めな狗である事をわからせるには十分だった。
「ははっ、そうか。アンガス。駄目じゃないか。……だが、気持ちはわかるよ! うん、その事は不問にしよう。……少しノートンと話があるから、君は下がりたまえ」
一安心したのか、やけにハイテンションになったリチャードを目の当たりにしながら、アンガスは無言で一礼をした後、部屋を退出した。
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(退職……は、きっと生きたままの状態では無理だな。くそ……いっそ、あの時に)
あの時、アンガスにはエレノアがさながら断罪の天使に映っていた。そして、光翼を纏ったエレノアに対し死罰を懇願したのは自らの意思である。だが、その審判がアンガスに下る事はなかった。
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