3 / 20
献身的な後輩?
しおりを挟む
「――おはようございます、冬樹先輩! 本日も良いお天気――そういうわけで、さっそくお邪魔しますね!」
「……えっと、本当に来たのですね……」
「はい、もちろん!」
それから、数日経て。
陽光が眩しく照らす小昼の頃――突如響いたインターホンの音に起こされ、寝ぼけ眼を擦りつつ玄関へ向かい扉を開くと、そこには純白のワンピースを纏った美少女の姿が。……うん、まさかとは思ったけど……本当に来たんだね。
『――私が、冬樹先輩のお家へお食事を作りに行ってあげます!』
『…………へっ?』
数日前、勤務後の休憩室にて。
一つ、ご提案があるのですが――そんな前置きの後、予想だにしない言葉を口にする藤島さん。提案というより、ほとんど宣言に近い気もするけど……ともあれ、正直本気にはしていなかったので、つい曖昧な返答をしてしまったのだけども――
「……えっと、見苦しい部屋ではありますが……とりあえず、どうぞ」
「はい、ありがとうございます先輩!」
そう、控えめな口調で室内へと案内する僕に、満面の笑みで謝意を告げる藤島さん。……まあ、こうなってしまっては流石にお引き取り頂くわけにもいかないし。
「……おや、思ったより片付いていますね。正直、まずは大掃除からと思い意気込んで来たのですが」
「……はは、まあ最低限は」
案内された僕の部屋をぐるりと見渡し、少し驚いた様子の藤島さん。……いや、念のため片付けておいてほんと良かった。まあ、ほんとに最低限だけど。
ただ、それはそうと……うん、どのくらい汚いと思われてたんだろう。パッと見だけでも、彼女が持参したビニール袋に結構な量の掃除用品が入ってるんだけど。
「――さて、さっそくですがお食事の準備を。先輩、調理器具などお借りして良いですか?」
「あっ、はいもちろんです! ですが、その……僕に、何か出来ることは……」
「ああ、お気になさらず。私が一人せっせと働いているのを横目に、コーラ片手にのんびりテレビでもご覧になっていてくださいな」
「どうかお願いします僕にも何かお仕事ください」
「あははっ、冗談ですよ先輩。ですが、本当にゆっくり寛いでいてください。今日は元より、私一人で作るつもりでしたから」
「……まあ、藤島さんがそうおっしゃるのであれば……申し訳ありません」
「ふふっ、なんで謝るんですか」
そんな、夢現とも知れない和やかなやり取りを交わす僕ら。……うん、よもや僕の部屋で誰かと会話する日が来ようとは。……あっ、それと……どうでもいいけど、テレビないんだよね、ここ。
「……えっと、本当に来たのですね……」
「はい、もちろん!」
それから、数日経て。
陽光が眩しく照らす小昼の頃――突如響いたインターホンの音に起こされ、寝ぼけ眼を擦りつつ玄関へ向かい扉を開くと、そこには純白のワンピースを纏った美少女の姿が。……うん、まさかとは思ったけど……本当に来たんだね。
『――私が、冬樹先輩のお家へお食事を作りに行ってあげます!』
『…………へっ?』
数日前、勤務後の休憩室にて。
一つ、ご提案があるのですが――そんな前置きの後、予想だにしない言葉を口にする藤島さん。提案というより、ほとんど宣言に近い気もするけど……ともあれ、正直本気にはしていなかったので、つい曖昧な返答をしてしまったのだけども――
「……えっと、見苦しい部屋ではありますが……とりあえず、どうぞ」
「はい、ありがとうございます先輩!」
そう、控えめな口調で室内へと案内する僕に、満面の笑みで謝意を告げる藤島さん。……まあ、こうなってしまっては流石にお引き取り頂くわけにもいかないし。
「……おや、思ったより片付いていますね。正直、まずは大掃除からと思い意気込んで来たのですが」
「……はは、まあ最低限は」
案内された僕の部屋をぐるりと見渡し、少し驚いた様子の藤島さん。……いや、念のため片付けておいてほんと良かった。まあ、ほんとに最低限だけど。
ただ、それはそうと……うん、どのくらい汚いと思われてたんだろう。パッと見だけでも、彼女が持参したビニール袋に結構な量の掃除用品が入ってるんだけど。
「――さて、さっそくですがお食事の準備を。先輩、調理器具などお借りして良いですか?」
「あっ、はいもちろんです! ですが、その……僕に、何か出来ることは……」
「ああ、お気になさらず。私が一人せっせと働いているのを横目に、コーラ片手にのんびりテレビでもご覧になっていてくださいな」
「どうかお願いします僕にも何かお仕事ください」
「あははっ、冗談ですよ先輩。ですが、本当にゆっくり寛いでいてください。今日は元より、私一人で作るつもりでしたから」
「……まあ、藤島さんがそうおっしゃるのであれば……申し訳ありません」
「ふふっ、なんで謝るんですか」
そんな、夢現とも知れない和やかなやり取りを交わす僕ら。……うん、よもや僕の部屋で誰かと会話する日が来ようとは。……あっ、それと……どうでもいいけど、テレビないんだよね、ここ。
0
あなたにおすすめの小説
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
四季
恋愛
明日結婚式でした。しかし私は見てしまったのです――非常に残念な光景を。……ではさようなら、婚約は破棄です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる