どういうわけか源氏物語の世界に迷い込んだ私ですが……とにかく、幸せになるべく奮闘します!

暦海

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秘めたる才能?

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「……さて、行きますか」


 そう、自分を鼓舞すべく改めて口にする。まあ、そのために来たんだしね。

 とは言え……実のところ、今回の懸念材料は恐怖そこだけでなく。と言うのも……その、今回は邸宅なかに入るのさえなかなかに困難で。

 それでは、前回はどうしたのかと言うと――惟光これみつの他に、内部――空蝉うつせみの弟である可愛らしい少年、子君こぎみくんにも協力を要請していた。流石に躊躇いはあったようだけど、彼もげんちゃんを深く慕っていたので最終的には承諾してくれた。……まあ、その結果があれなので、小君くんには申し訳ない限りなんだけど。

 だけど、今回はそんな頼もしい助っ人もいない。なので――

「――今回も頼りにしてるよ、相棒」
「……え、いえ流石に相棒それはちょっと辞退させて頂きたく――」
「なんでそんなつれないんだよ」

 いやなんでだよ。もっと前のめりに来てよ。藤壺ふじつぼさん淋しいじゃん。

 ともあれ、頼りにしてるのは本当――と言うより、今回の成否はもはや彼に掛かっていると言って差し支えない程で。……だけども――

「……あの、みやさま。その……本当に、あれで上手くいくのでしょうか」

 そう、些か不安そうに尋ねる惟光。今回の作戦にあたり、彼にはあるお願いをしている。そして、彼ならきっと恙無つつがなく遂行してくれると信じている。
 ……だけど、問題は私の方。いくら惟光が上手く事を運んでくれたとしても、私の方でしくじってしまえば無意味――まさしく、水泡に帰してしまうわけで。……やれやれ、ついにその日が来ましたか。


「……宮さま?」

 すると、ふと不思議そうな表情かおで尋ねる惟光。そんな彼に軽く頷き、ゆっくりと口を開いて――


「――この藤壺、ついに特殊能力を発動します」
「そんなのあったの!?」







 
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