どういうわけか源氏物語の世界に迷い込んだ私ですが……とにかく、幸せになるべく奮闘します!

暦海

文字の大きさ
29 / 48

怒ってます?

しおりを挟む
「……それで、輝く日のみやこと藤壺ふじつぼさまは、どうしてこのようなみすぼらしい邸宅ところへ?」
「……いや、そんなみすぼらしいだなんて」

 その後、謙遜なのか卑下なのか判別のつきにくい口調で尋ねる六条ろくじょうさん。……そう言えば、確認してなかったけど……うん、六条さんで良いんだよね? 

 ともあれ……さて、どう切り出すべきか。もちろん、用件はあおいうえに関してなのだけど……さて、なんと伝えるべきか。本作を読んでくださいと言えれば話は早いのだけど……生憎、全巻現代むこうに置いてきちゃっ……いや、置いてきたも何も、いつの間にかこの世界にいたんだけども。


 ……それに、懸念はそこだけでなく――

「……あの、六条さま。思い過ごしでしたら、大変申し訳ないのですが……少し、怒ってます?」

 そう、おずおずと尋ねてみる。襖越しゆえ、その表情までは窺い知れないけど……うん、何かそんな感じがして。  

 すると、少し間があった後――

「……貴女は、さぞかし幸せでしょうね。あの方に、たいそう慕情を寄せられているそうで」

 心做しか、先ほどよりも明確に怒気を孕んだ声音でそう話す六条さん。あの方というのは、確認するまでもなく……なるほど、そういうことか。尤も、げんちゃんがそう口にしたとは思えないし、恐らくは噂で耳にしたのだろう。

 ともあれ……さて、何と返すべきか。はいそうです、なんて言うとあまりに直截的だし……かと言って、いえいえなんて否定してもそれはそれで白々しいし……えっと、何か良い返答は……返答は――


「……えっと、その……全く、魅力があり過ぎるというのも困ったものですね」
「こんな癪に障る御方でしたの!?」

 すると、思いも寄らぬ心外なツッコミが届く。……あれ、違った? なるべく、当たり障りのない返答こたえを選んだつもりなんだけど。

 まあ、それはともあれ……さて、改めてだけどどう切り出すべきか。やはり、本題の前に小粋な雑談でも……うん、絶対望んでないよね。なので――


「――単刀直入に申します、六条さま。今後、賀茂祭かもまつりには努々ゆめゆめいらっしゃらないようお願い申し上げます」



 



 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最初から最強ぼっちの俺は英雄になります

総長ヒューガ
ファンタジー
いつも通りに一人ぼっちでゲームをしていた、そして疲れて寝ていたら、人々の驚きの声が聞こえた、目を開けてみるとそこにはゲームの世界だった、これから待ち受ける敵にも勝たないといけない、予想外の敵にも勝たないといけないぼっちはゲーム内の英雄になれるのか!

異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜

キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。 「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」 20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。 一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。 毎日19時更新予定。

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

⚖️東京湾にダンジョン都市が転移したので、転生市長は固定資産税と戦います

アリス&テレス
ファンタジー
敵は魔王でも自衛隊でもない――最強の敵は『日本の国税庁』だった。 東京湾に、突如として出現した「ダンジョン都市アヴァロン」。 島を統治するのは、元日本人ビジネスマン、ウィル。 彼は異世界に転移後、市長となり島を発展させてきた。 転移位置は、浦安沖7kmお台場からもすぐ近く――それは、首都東京の喉元。 来るのは、警察?それとも自衛隊?――違う!そこは都心近くの一等地。 「税務署がくる」ウィルは叫んだ。 港区、浦安市並み日本円評価額を適用されたら島民1万人は一瞬で破産する。 市長ウィルは決意した「島民を守るため、日本政府が相手であろうと、一歩も引かない」と。 市長ウィルを支えるのは、最強ポンコツオートマタのアリシア。島に迷い込んだ弱小YouTuberジン。猫耳少女ミィナ。大地母神の分霊体幼女キベレちゃん。 対するのは、日本政府 白石総理大臣率いる、エリート官僚たちと、国際包囲網。 法律と焦燥と国家の欲望が交差する、総理官邸地下の危機管理センター。 異世界 vs 日本 vs 外圧―― 互いにすれ違い勘違いしながら、二つの文明が東京湾で衝突する。 前代未聞の『固定資産税戦争』が、幕を開ける。 ※AI活用に関する詳細解説 本作『東京湾 ダンジョン都市クライシス』は、執筆の全工程において生成AI技術を積極的に活用した「AI協業作品」です。 作者が「総監督・編集長」を務め、AIを「優秀なスタッフ・シミュレーター」として壁打ちを繰り返すことで、通常の個人執筆では困難な密度とスピードでの制作を実現しています。 1. 設定・考証における本作の肝である「日本政府の反応」や「法的解釈」のリアリティを追求するため、大規模言語モデルをシミュレーターとして活用しています。 • 危機管理シミュレーション: 「もし東京湾に異世界都市が現れたら?」という問いに対し、実際の法規(関税法、入管法、固定資産税法など)に基づいた官僚機構の動きをAIにシミュレートさせ、プロットに反映しています。 • 経済考証: 異世界都市がもたらす経済効果の試算において、AIの知識ベースを活用し、細部の整合性を高めています。 2. 執筆・推敲プロセス 本文の執筆においても、AIはパートナーとして機能しています。 • ドラフト作成: 作者が詳細なプロットと指示を与え、AIがシーンの草案を作成。それを人間が読み込み、感情の機微や文体を大幅に加筆・修正して完成させています。 • 校正・ブラッシュアップ: 誤字脱字のチェックだけでなく、読みやすさの向上や、キャラクターの口調統一などの編集作業にAIツールを用いています。 3. ビジュアル制作 • 表紙・挿絵: 作品の世界観を視覚的に補完するため、画像生成AIを使用しています。キャラクターデザインや構図は作者が指定しています。

幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。

アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚… スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。 いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて… 気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。 愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。 生きていればいつかは幼馴染達とまた会える! 愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」 「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」 幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。 愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。 はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?

ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ラン(♂)の父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリー(♀)だった。 ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。 学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。 当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。 同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。 ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。 そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。 まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。  その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。 こうしてジュリーとの同居が決まった。 しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は騒然となった。  

唯一無二のマスタースキルで攻略する異世界譚~17歳に若返った俺が辿るもう一つの人生~

専攻有理
ファンタジー
31歳の事務員、椿井翼はある日信号無視の車に轢かれ、目が覚めると17歳の頃の肉体に戻った状態で異世界にいた。 ただ、導いてくれる女神などは現れず、なぜ自分が異世界にいるのかその理由もわからぬまま椿井はツヴァイという名前で異世界で出会った少女達と共にモンスター退治を始めることになった。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

処理中です...