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碌でもない商品?
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「……いや、でもさ……だったら、別に私のこと言わなきゃ良いんじゃない? 普通に、神様が全部使うことにすれば――」
「……いや、それも駄目なのじゃ」
そんな義憤はさて措き、改めて問いを掛けてみるも同様の答えが返ってくる。……え、なんで? よもや、嘘をつけないなんてまともな戯言をほざくつもりじゃ――
「……いや、あたかもわしがまともじゃないような言い方は控えてくんない? わし、常識じ……いや、常識神じゃから」
そんな思考の最中、何とも心外そうな表情で不服を述べる神様。……いや、急に心中読まないでよ。藤壺さんびっくりしちゃうから。
「……それで、なんで駄目なの?」
ともあれ、改めて尋ねてみる。なんか話が逸れちゃったけど、結局なんで――
「――それは、どうあってもバレるからじゃ。と言うのも、あの雲にはもれなく高性能の追跡装置が取り付けられていてのう。どの購入者が何処で使用しているか、更には何処でどれくらいの量を譲渡しているかも全て筒抜け……とりわけ、異世界より来し者の気配は寸分狂わず検出し――」
「なんでそこまで目の敵にすんだよ」
いやなんでだよ。どんだけ異世界より来し者に使わせたくないんだよ。異世界になんか恨みでもあ……あれ、じゃああれは不味――
「あ、ちなみにあれはセーフじゃったから安心するが良い。あれはお主が無理やり引っ張っただけで、わしの方から譲渡したわけではないと監査員が判断してくれたようじゃから」
「……あっ、うん、それなら良かった……良かった?」
すると、またも私の心中を読んだのかそんな説明をする神様。……いや、あれ見られてたの? 誰だか知らないけど、すっごい恥ずかしいんだけど。
……まあ、それはそれとして。
「……でもさ、神様。そんな碌でもない商品なのに、なんでそんな人気なの?」
そう、我ながら何とも不躾な質問を掛けてみる。……いや、別に人気とは言ってないか。でも、入荷待ちというくらいだし、やはりそれなりに需要があるのかと。
……でも、美味しかったとはいえ追跡装置なんて付いてる碌でもない商品……正直、私なら願い下げで――
「――ああ、それはやはりあれじゃろう。あの雲はほんの数グラムでも食せば、甚だ優れた美容およびアンチエイジング効果が――」
「嘘でしょ!? だったらやっぱほしいんだけど!!」
思いも寄らない衝撃の説明に、前言改め再び願い出る私。いや、それなら話は違うよ。まあ、今でも十分過ぎるほど若くて綺麗ではあるけれど、それでも向上心はやはり大せ――
「――うーん、じゃが残念ながら……異世界より来し者に対しては、そういった有益な効果は一切もたらさないことになっ――」
「よし法廷で争おうか」
「……いや、それも駄目なのじゃ」
そんな義憤はさて措き、改めて問いを掛けてみるも同様の答えが返ってくる。……え、なんで? よもや、嘘をつけないなんてまともな戯言をほざくつもりじゃ――
「……いや、あたかもわしがまともじゃないような言い方は控えてくんない? わし、常識じ……いや、常識神じゃから」
そんな思考の最中、何とも心外そうな表情で不服を述べる神様。……いや、急に心中読まないでよ。藤壺さんびっくりしちゃうから。
「……それで、なんで駄目なの?」
ともあれ、改めて尋ねてみる。なんか話が逸れちゃったけど、結局なんで――
「――それは、どうあってもバレるからじゃ。と言うのも、あの雲にはもれなく高性能の追跡装置が取り付けられていてのう。どの購入者が何処で使用しているか、更には何処でどれくらいの量を譲渡しているかも全て筒抜け……とりわけ、異世界より来し者の気配は寸分狂わず検出し――」
「なんでそこまで目の敵にすんだよ」
いやなんでだよ。どんだけ異世界より来し者に使わせたくないんだよ。異世界になんか恨みでもあ……あれ、じゃああれは不味――
「あ、ちなみにあれはセーフじゃったから安心するが良い。あれはお主が無理やり引っ張っただけで、わしの方から譲渡したわけではないと監査員が判断してくれたようじゃから」
「……あっ、うん、それなら良かった……良かった?」
すると、またも私の心中を読んだのかそんな説明をする神様。……いや、あれ見られてたの? 誰だか知らないけど、すっごい恥ずかしいんだけど。
……まあ、それはそれとして。
「……でもさ、神様。そんな碌でもない商品なのに、なんでそんな人気なの?」
そう、我ながら何とも不躾な質問を掛けてみる。……いや、別に人気とは言ってないか。でも、入荷待ちというくらいだし、やはりそれなりに需要があるのかと。
……でも、美味しかったとはいえ追跡装置なんて付いてる碌でもない商品……正直、私なら願い下げで――
「――ああ、それはやはりあれじゃろう。あの雲はほんの数グラムでも食せば、甚だ優れた美容およびアンチエイジング効果が――」
「嘘でしょ!? だったらやっぱほしいんだけど!!」
思いも寄らない衝撃の説明に、前言改め再び願い出る私。いや、それなら話は違うよ。まあ、今でも十分過ぎるほど若くて綺麗ではあるけれど、それでも向上心はやはり大せ――
「――うーん、じゃが残念ながら……異世界より来し者に対しては、そういった有益な効果は一切もたらさないことになっ――」
「よし法廷で争おうか」
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