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禁断の愛というやつで。
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――それから、月日は経て。
「……さて、どうするべきか」
「ん? 何か言ったかい、紫の君」
「あ、ううん何でもないの!」
霞んだ月の浮かぶ、ある日の夜のこと。
二条院の一室にて、ぼんやり呟きを洩らす私に穏やかな微笑で尋ねるのは、もはやお馴染みと言えよう見目麗しき青年――紫の上の未来の夫たる、源ちゃんこと源氏の君その人で。
さて、そんな私の懸念とは六の君――右大臣の六人目の娘であり、次期帝たる朱雀帝の后となる朧月夜に関してで。
さて、もはや説明不要かもしれないけど――当時の貴族社会は一夫多妻であり、基本的には愛人をもつことも許されている。
――だが、朧月夜の場合は事情が違う。まず、前提として基本的に左大臣家と右大臣家は政敵の関係にある。そして、左大臣の娘である葵の上を正妻にもつ源ちゃんは、当然ながら左大臣家に属する。
そして、前述の通り朧月夜は右大臣の娘――更には、未来の国の統治者たる朱雀帝の后となる女性……そんなやんごとなき際の彼女と、よもやそういう関係になったとなれば……うん、これぞまさしく禁断の愛というやつで。
そして、流石は生粋のプレイボーイと言うか――果たして、本作にてそんなやんごとなき朧月夜さんと懇ろになってしまう源ちゃん。そして、その結果――
なので、今夜の逢瀬――恐らくは彼女とであろう、今夜の逢瀬を止めるべく手を打つ所存なのだけど……とは言え、実際には然したる不安もない。と言うのも――
「……ねえ、光お兄ちゃん。今日も、どこか言っちゃうの? ……むらさき、さみしいなぁ」
「…………へっ?」
「……さて、どうするべきか」
「ん? 何か言ったかい、紫の君」
「あ、ううん何でもないの!」
霞んだ月の浮かぶ、ある日の夜のこと。
二条院の一室にて、ぼんやり呟きを洩らす私に穏やかな微笑で尋ねるのは、もはやお馴染みと言えよう見目麗しき青年――紫の上の未来の夫たる、源ちゃんこと源氏の君その人で。
さて、そんな私の懸念とは六の君――右大臣の六人目の娘であり、次期帝たる朱雀帝の后となる朧月夜に関してで。
さて、もはや説明不要かもしれないけど――当時の貴族社会は一夫多妻であり、基本的には愛人をもつことも許されている。
――だが、朧月夜の場合は事情が違う。まず、前提として基本的に左大臣家と右大臣家は政敵の関係にある。そして、左大臣の娘である葵の上を正妻にもつ源ちゃんは、当然ながら左大臣家に属する。
そして、前述の通り朧月夜は右大臣の娘――更には、未来の国の統治者たる朱雀帝の后となる女性……そんなやんごとなき際の彼女と、よもやそういう関係になったとなれば……うん、これぞまさしく禁断の愛というやつで。
そして、流石は生粋のプレイボーイと言うか――果たして、本作にてそんなやんごとなき朧月夜さんと懇ろになってしまう源ちゃん。そして、その結果――
なので、今夜の逢瀬――恐らくは彼女とであろう、今夜の逢瀬を止めるべく手を打つ所存なのだけど……とは言え、実際には然したる不安もない。と言うのも――
「……ねえ、光お兄ちゃん。今日も、どこか言っちゃうの? ……むらさき、さみしいなぁ」
「…………へっ?」
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