神様へと祈りを込めて

暦海

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「「――ありがとうございました、またお越しくださいませ」」


 それから、数週間経た休日にて。
 午後三時を過ぎた頃、一対の若い男女のお客さんを扉の前にて笑顔で見送る僕ら。今、僕らがいるのは古民家カフェ『月乃音』で……いや、説明するまでもないか。

 そっと、隣を視線を移す。すると、同じくこちらに視線を移した美少女、風奈ふうなさんと目が合って。すると、彼女はニコッと微笑んで……うん、未だにちょっと恥ずかしい。

 ともあれ、彼女が月乃音こちらに来て早二ヶ月――もともと大好きな場所だったけど、お陰さまで仕事がいっそう楽しくなって。なので、こう言うのもおかしいかもしれないけど……本当にありがとうございます、風奈さん。




「ところでさ、もう何回も言ってる気がするけど……ほんと好きだなぁ、ここ。お店自体も素敵だし、店主さんもスタッフさんもお客さんも……あっ、お客さんは時々変わった人もいるけど……でも、ほとんどみんな良い人だし……それに、なんだか懐かしい感じがするの」
「……ええ、分かります風奈さん」


 それから、三時間ほど経た六時過ぎ。
 各々テーブルを片付けつつ、ほのぼのとそんな会話を交わす僕ら。……うん、分かるなあ。懐かしいというのは僕の感覚にはない気がするけど、他の部分は共感しかない。時々変わったお客さんがいることも含め、共感しかない。

 ――カランカラン。

 すると、ふと響いた鈴の音。休日は午後五時半までの営業なので、もう閉店。なので、申し訳なくもお断りしなくては――


「「…………へっ?」」

 ふと、声が重なる。と言うのも、視線の先……開いた扉の前にいたのは――


「……あっ、すみません。もう、閉店でした?」


 ――あの日……夏祭りの日に出会った、風奈さんとよく似たあの少女だったから。




 

 
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