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第2章
ご相談
「……ところで、奏良先輩。実は、困ったことがありまして」
「……困ったこと、ですか?」
それから、一週間ほど経たお昼休み。
中庭のベンチにて、真剣な表情でそう口にする白河さん。言葉の通り、たいそうお困りであることがその表情からも如実に伝わって。……どんなことだろう? 僕に力になれることかな? いや、……どんなご相談でもどうにか力に――
「……実は、アルバイト先でのことなんですか――」
その後、真剣な表情で理路整然とお話しになる白河さん。大まかに纏めると、彼女のアルバイト先にて先輩の男性スタッフから熱心にアプローチを受けているとのことで。……うん、流石は白河さん。どこにいてもその人気は揺るがないようで、僕としては何とも――
「……あの、先輩。どうして、そんなに嬉しそうなんですか?」
「……へっ?」
すると、睨むように僕を見つめそう問い掛ける白河さん。……あれ、ひょっとしてご立腹? だとしたら、間違いなく僕のせいなのだろうけれど……でも、今なにかしたかな? 僕。
「……ここが、白河さんの……よもや、このような場所にあろうとは……」
「いや至って普通の場所でしょう。何のボケですかそれは」
それから、放課後にて。
呆気に取られた感じでそう言うと、何とも呆れたようにツッコミを入れる白河さん。こんな何でもないやり取りが何とも心地好く、つい笑みが零れてしまう。……でも、普通の場所って何だろう。
さて、今いるのは大通りに面したお洒落なお店――白河さんのアルバイト先である、白を基調としたお洒落なカフェの前で。
ところで……ちょっぴりボケてはみたものの、場所については本当に今まで知らなくて。いや、どころか具体的にどのようなカフェかもほとんど知らなくて。カフェでアルバイトをしている、というのは教えてくれていたのだけれど……その、白河さん自身がどうしても来ないでほしいというので。……まあ、気持ちは分からなくもない。知り合い――それも、近しい間柄の人が自分の勤務先に来るというのは、まあ中々に恥ずかしいものがあるわけでして。
「――いらっしゃいま……あっ、冬雪ちゃん。……それに、そちらの方は……」
「こんにちは、狭山さん。こちらは三崎奏良さん。同じ斎叡高校の一つ歳上の先輩で、私の親友です」
「……へえ、冬雪ちゃんの。あっ、私は狭山千夏。西添高校の三年で、冬雪ちゃんとは同期みたいなものでいつも仲良くしてもらってるの」
「あっ、はい! 先ほどご紹介に預かりましたが、僕は三崎奏良と申します。宜しくお願い致します」
その後、入店すると朗らかな笑顔で迎えてくださるポニーテールの女性。……うん、こんな素敵な笑顔で迎えてもらえたら、それだけでもお客さまはまた来たくなるよね。うん、僕も見習……うん、無理かな。だって僕だし。……ところで、西添高校と言えば――
「……まあ、とりあえず席に着きましょう。どこかご希望はありますか?」
「あっ、いえ白河さんのお好きなところへ!」
「そうですか? それでは、あちらの方へ――」
その後、白河さんに付いていきゆっくりと店内を進んでいく。その間、スタッフさん達を中心に僕らの方へまじまじと視線が……うん、恥ずかしいね。
「……困ったこと、ですか?」
それから、一週間ほど経たお昼休み。
中庭のベンチにて、真剣な表情でそう口にする白河さん。言葉の通り、たいそうお困りであることがその表情からも如実に伝わって。……どんなことだろう? 僕に力になれることかな? いや、……どんなご相談でもどうにか力に――
「……実は、アルバイト先でのことなんですか――」
その後、真剣な表情で理路整然とお話しになる白河さん。大まかに纏めると、彼女のアルバイト先にて先輩の男性スタッフから熱心にアプローチを受けているとのことで。……うん、流石は白河さん。どこにいてもその人気は揺るがないようで、僕としては何とも――
「……あの、先輩。どうして、そんなに嬉しそうなんですか?」
「……へっ?」
すると、睨むように僕を見つめそう問い掛ける白河さん。……あれ、ひょっとしてご立腹? だとしたら、間違いなく僕のせいなのだろうけれど……でも、今なにかしたかな? 僕。
「……ここが、白河さんの……よもや、このような場所にあろうとは……」
「いや至って普通の場所でしょう。何のボケですかそれは」
それから、放課後にて。
呆気に取られた感じでそう言うと、何とも呆れたようにツッコミを入れる白河さん。こんな何でもないやり取りが何とも心地好く、つい笑みが零れてしまう。……でも、普通の場所って何だろう。
さて、今いるのは大通りに面したお洒落なお店――白河さんのアルバイト先である、白を基調としたお洒落なカフェの前で。
ところで……ちょっぴりボケてはみたものの、場所については本当に今まで知らなくて。いや、どころか具体的にどのようなカフェかもほとんど知らなくて。カフェでアルバイトをしている、というのは教えてくれていたのだけれど……その、白河さん自身がどうしても来ないでほしいというので。……まあ、気持ちは分からなくもない。知り合い――それも、近しい間柄の人が自分の勤務先に来るというのは、まあ中々に恥ずかしいものがあるわけでして。
「――いらっしゃいま……あっ、冬雪ちゃん。……それに、そちらの方は……」
「こんにちは、狭山さん。こちらは三崎奏良さん。同じ斎叡高校の一つ歳上の先輩で、私の親友です」
「……へえ、冬雪ちゃんの。あっ、私は狭山千夏。西添高校の三年で、冬雪ちゃんとは同期みたいなものでいつも仲良くしてもらってるの」
「あっ、はい! 先ほどご紹介に預かりましたが、僕は三崎奏良と申します。宜しくお願い致します」
その後、入店すると朗らかな笑顔で迎えてくださるポニーテールの女性。……うん、こんな素敵な笑顔で迎えてもらえたら、それだけでもお客さまはまた来たくなるよね。うん、僕も見習……うん、無理かな。だって僕だし。……ところで、西添高校と言えば――
「……まあ、とりあえず席に着きましょう。どこかご希望はありますか?」
「あっ、いえ白河さんのお好きなところへ!」
「そうですか? それでは、あちらの方へ――」
その後、白河さんに付いていきゆっくりと店内を進んでいく。その間、スタッフさん達を中心に僕らの方へまじまじと視線が……うん、恥ずかしいね。
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